憲法9条とわれらが日本 未来世代へ手渡す (筑摩選書)

  • 筑摩書房 (2016年6月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784480016393

作品紹介・あらすじ

深いところから憲法九条と戦後日本を鋭く問う。社会学者の編著者が、井上達夫、加藤典洋、中島岳志の諸氏とともにこれからを考える

みんなの感想まとめ

憲法九条と戦後日本を深く考察する本書は、著名な法学者たちによる多様な視点を通じて、現代の日本における憲法の役割や課題を鋭く問いかけます。特に、井上達夫の「9条削除論」や加藤典洋の新たな憲法観は、従来の...

感想・レビュー・書評

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  • 法学に興味があり、教員に借りて読んだ。
    刊行からかなりスパンが空いているので現代の情勢とギャップがあることは仕方ないが、全体的に、ウクライナ紛争を適用して考えると、国際社会による批判能力などへの希望的観測が大きすぎると思う。
    一章の中島氏の考えは、解釈改憲の暴力性が否定しきれないことから、軍を持つことに議論を発展させすぎではないかと思った。
    二章の加藤氏の考えは、国連の機能について述べているが、国連の抜本的改革は現状を踏まえると本書の中でもかなりユートピアニズムだと感じる。
    三章の井上氏の考えは、絶対平和主義の否定であるが、これは大いに賛同できた。9条の利点を生かしきれていない日本の政治を根拠に、9条を削除することはもはや合理的としか言いようがないと思う。未だ存在する9条の迷信的な信頼はまず取り除かなければならないが、これは非常に難しい問題だと感じた。
    そして、編者の大澤氏であるが、質問能力は高いが、意見そのものは弱いと感じた。まとめとなる4章の編者の主張が他の3人の主張に比べ脆弱な印象を持った。消極的平和主義が戦争の延長を誘発しないという意見には、反論しているが疑問は残った。また、民間の能力について言及がないことも気になった。

    最後に、言い訳のように平和実現への改革が幻想的であるようなことについて述べている。しかし、法学者たちによるラディカルな憲法論議をあまり読むことがなく、非常に興味深い内容であった。某野党がよくわからない理由で改憲の不当性を訴えている状況と比較するとすごく現実的な主張であった。せめて、憲法審査会に出席する議員には読んでほしい作品だと感じた。

  • 16/08/23。井上達夫、加藤典洋、中島岳志と来ればゲットせずにはおれなかったぜよ。

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著者プロフィール

【著者】大澤 真幸(おおさわ・まさち)
1958年長野県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。千葉大学文学部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を歴任。思想誌『THINKING「O」』(左右社)主宰。2007年『ナショナリズムの由来』(講談社)で毎日出版文化賞、2015年『自由という牢獄』(岩波現代文庫)で河合隼雄学芸賞を受賞。近著に『〈世界史〉の哲学』シリーズ(講談社)、『資本主義の〈その先〉へ』(筑摩書房)、『我々の死者と未来の他者』(集英社インターナショナル新書)、『私の先生』(青土社)など。

「2024年 『メディア論集成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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