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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784480016423
みんなの感想まとめ
当時のソ連の理想と現実の乖離を掘り下げた本書は、資料を豊富に用いて歴史的背景をリアルに描写しています。特に、フルシチョフの時代における「一党制民主主義」の試みは驚きであり、国民の声に耳を傾ける姿勢があ...
感想・レビュー・書評
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事例として当時の資料をふんだんに盛り込んでいるので、それがくどい側面もあるが、その分当時の様子がリアルに伝わる。中央の理想と、現場での現実の差がこうも出るのはなぜなのか。中国に応用して考えるうえで役立つ資料
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「ソ連は言われているほど独裁国家ではなく一党独裁の中で民主主義を施行しようとしていた」という趣旨だが長々と書いている選挙で棄権するなり白票なり反対票なりを投じたらどうなるのか?は避けている。正直言って戦時下日本の翼賛選挙の方がまだましだ。この本が書いている事と関連するはずだがスターリン時代ですら党の幹部が「人民大衆」からの請願を聞いていたり強制収容所や監獄でも請願書を同志スターリンをはじめとするエライさんや党中央委員会などに送る事は出来たり強制収容所にモスクワから視察団が来ていたりしていた事との連続性はどうなるのか?言い方は悪いが、こんな形でソ連を書いているとポル・ポトの民主カンボジアのような極度に猜疑心が強い独裁政権でもない限り個々の受けがよさそうな例を紹介して「実は言われているほどひどい体制ではなかった」と主張する事は出来るだろう。
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冗談ではなく、本当に、ソ連で「民主主義」を実施したのだ。
つか、しようとしたのだ。
自由主義はともかく、民主主義は尊重されるべきだし、実現できると思っていたのだ。
一党制民主主義という形で。
スターリン体制が終了したフルシチョフの時代だが、すんげえ真面目に、国民の為を思って、「民主主義」をやろうとしたのだ。
正直びっくりした。
もちろん失敗した。
そもそも、体制批判は認めないし、自分たちのやりたい方向以外は精神病扱いだったわけだし、大体、中央が本気で綺麗な政策を出しても、それが実現するわけがない。人民が背を向けているわけではないが、そもそも、共産主義者は人を人としてみていない。人という「変数」でしか理解出来ないので、動機づけとかが全く欠けてると見えた。
要は、
この試合に勝ちたければ、全打席ホームランを打てばいいのだ。そうしろ。
という監督なわけだ。
ホームラン打てませんよ、という訴えも真面目に聞くのだが、打てるようになる方法は提示できない。
生の人間を理解出来ない上に、自分たちの生の欲求を、理想化して異論を許さないのが問題だろうな。
ソ連が本気でやろうとしたことに驚いたし、それがまあ、プーチン以前のちょっとはいいとこだったのかもしれないし、RPCとは違うところなのかもしれないが、本の体裁としては、研究発表みたいで、あまりにも沢山の事例でお腹いっぱい。
新書で読みたい。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/712914 -
初代ツァーリ・イヴァン雷帝からロシア帝国最後の皇帝である
ニコライ二世まで。そして、レーニンからスターリン時代の
ソ連邦は一定程度の把握をしている。
しかし、フルシチョフ以降のソ連邦については私の中ですっぽり
と抜け落ちているのだ。
ロシア・ソ連史の空白地帯を埋めようと手にしたのが本書。なのだ
が、文章が硬すぎてなかなか噛み砕けなかった。
あらゆることを国家が管理し、国民はそれに従うだけ。社会党が
政権に座に就いたら一切の自由はなくなると教わったのは小学生
の頃だった。
だが、実際、ソ連邦は国民の声に耳を傾け、生活と文化の向上を
目指してはいた。
目指してはいたが、実際に出来たかは別問題なのだけれどね。
どんなに上層部が国民からの声に対応しようとしても、選挙の
投票用紙は間違ったところへ配送され、インフラの老朽化は
手当されず、住居や物品は不足する。
そりゃ国家崩壊へまっしぐらですわ。
このソ連時代を教訓にしたのかな?プーチン閣下は。
プーチン閣下が国民からの質問に答えてくれる、ロシアで人気の
テレビ番組「プーチン・ホットライン」で、自治体が動いてくれ
ないことを訴える質問が寄せられると閣下の一声で事態は好転
しちゃうのだもの。
鶴の一声ならぬ、プーの一声である。
プーチン閣下のことは脇に置いて…。結局はソ連邦は国家として
失敗しているのだけれど、西側の民主主義が正解かと言えばそれ
も疑問符がつくと思うのだよね。
ソ連邦のみならず、世界中では壮大な実験が行われている最中なの
ではないかな。 -
【投票者イチオシ】社会主義体制、とりわけソ連について扱った書籍の中でも、他にないようなユニークなテーマ設定だと思います。読みたい!!https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001111459/?lang=0
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ソ連の政策を社会実験的観点から読み解こうという論文。
同じ著者がちくま新書から『ソ連史』を出しているので、そちらを先に読んだ方が良いかもしれない。
実験という視点を持つと、ソビエト連邦というのはかなりユニークで面白い。何が一番面白いかというと選挙制度で、笑い事ではないのだろうが『それは……無茶やろ』と言いたくなることを大真面目にやっている。少なくともソ連共産党が『選挙』をかなり重く見ていたのは解るのだが、とことん空回りしている。
空回りというのは選挙制度以外でもアチコチで見られたようで、その結果が『ソビエト連邦』という大国が地図から消えた、つまり実験は失敗に終わった……ということか。
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