- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480016584
作品紹介・あらすじ
日本初のインテリジェンス教育機関・陸軍中野学校。発掘された公文書を基に、戦時謀略研究の第一人者が史的意義を検証する。
感想・レビュー・書評
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陸軍中野学校といえば小説にも登場し、題名にとった映画もある。本書は、資料を元に学校の歴史やカリキュラム、卒業生の動向といった点が詳細に書かれている。
初期の策謀的な動きから、末期のゲリラ戦要員としての教育に変貌していくなど、時局の要請によって変わっていく過程も説明されている。
初期の中国での策謀など詳細は書かれていないが、実際の任務状況が伺え、興味深かった。
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【中野は時局に追われた。時局の変化が速すぎた】(文中より引用)
前身の組織を含めてわずか7年の活動であるにもかかわらず,日本の諜報史において欠かせない位置を占める陸軍中野学校。近年発見された公文書の内容にも触れながら,その設立と活動の様子,そして履修後の要員の活動までを丹念に記した作品です。著者は,インテリジェンス研究の第一人者として知られる山本武利。
淡々と事実を書き綴っているために面白さはあまりありませんが,陸軍中野学校に関する詳細な記録として有益な一冊。当初の創立者の思惑とは異なり,戦局の悪化とともにゲリラ戦の方法をたたき込まれるようになるなど,短期に終わったその活動の間にも様々な変遷をたどっていたことがよくわかりました。
忍術まで学んでいたとは☆5つ -
際物的興味で手に取ったが、決して超人スパイ養成学校などとは言えない等身大の姿が見えた。終戦前後の米ソにも、戦後の日本国内でも、多分に過大なイメージが先行していたようだ。戦局の速さのため仕方なかった面もあるだろうが、蓄積も不十分で教育機関としては何とも中途半端、という印象すら受ける。
その歴史は5年、前身を入れても7年のみ。卒業生は2000人以上と言っても、一年も教育を受けた者は多くない。特に戦争末期になると数か月のみで送り出された。
その中でも、どういう人間を養成したいのかブレが起きていた。陸士・陸大卒以外の将校や下士官という点は一貫している。「陸大卒の情報勤務者は派手な情報・情勢判断に興味を持ちすぎ」という評もあるため、それは理解できる。現場のプロ養成、ということだろう。しかし学校創立時には、完全に民間人に偽装して長期独立潜伏する人員。その後は軍組織の一員としての特務機関員や部隊の情報将校。末期には速成のゲリラ要員、と目標が変わっていった。 -
旅から帰っての参考図書にしました。
→「陸軍中野学校二俣分校」へ~ふじのくに紀行
https://blog.goo.ne.jp/mkdiechi/e/d92c711b870b0b89ea8ece6420982059 -
読めば読むほどに不思議な感覚の中野学校。博物館を作る必要ありというのは賛同する。
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東2法経図・開架 391A/Y31r//K