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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784480017239
作品紹介・あらすじ
多数派なのに思い悩み、医学的には不要な手術を選ぶ男たち。仮性包茎はなぜ恥ずかしいのか。幕末から現代までの文献を解読し深層を浮かび上がらせた快作!
みんなの感想まとめ
包茎に関する深い考察が展開されており、恥とされる文化的背景や医学的な視点を丹念に調査した作品です。著者は女性であり、男性にはできない冷静な分析を通じて、包茎に対するコンプレックスの根源を探ります。多く...
感想・レビュー・書評
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医学書は別にして、日本の「包茎」についてはここまで詳細に研究した本が今まであっただろうか。本書カバーには「本邦初の書」とあるので、おそらくなかったのであろう。
医学書はもとより、一般書や新聞、雑誌の記事や広告まで、包茎にまつわる内容を近代から現代まで丹念に調べ、いかに日本において包茎が恥とされ、それを基にしたビジネスが作られていったかを克明に描き出している力作。
しかも著者は女性である点もユニークだが、本書を読んだ後では、男性にしっかり植え付けらえた包茎コンプレックスを鑑みると、男はわざわざコンプレックスの対象である包茎を研究対象として近づこうとはしなかったのかも、と考えられ、とすれば、本書のような研究は女性でないとなしえなかったのかも、と思うに至った。
私が感じた本書の結論としては、数の上から多数派である包茎は恥でもなんでもなく、よってそのほとんどは手術は不要、よってそのコンプレックスあおるような、記事や広告は全く無視して良い、である。
今現在の若者にそのようなコンプレックスがあるのかどうかわからないが、少なくともそのようなコンプレックスを抱かせ、包茎ビジネスの餌食にならないようにするためにも、本書のダイジェスト版を冊子にして、中高生の性教育の一部として使用したらよいのでは、とも思った。
そういえば、最近TVCMでタートルネックのセーター着た人のCM見なくなったな~。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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「包茎は恥」呪縛から見えるジェンダー 連鎖する生きづらさ | 毎日新聞(有料記事)
https://mainichi.jp/articles...「包茎は恥」呪縛から見えるジェンダー 連鎖する生きづらさ | 毎日新聞(有料記事)
https://mainichi.jp/articles/20210824/k00/00m/040/206000c2021/08/25
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この本の存在自体が凄いと思います。こんなテーマでしかも女性が纏めていることがとても不思議。入念な調査と、男性にはできない冷静な分析が、この本を面白くしている。良し悪しでなく、後にも先にもこの本のようなものは発生し得ない気すらして、畏怖すら感じる。あと、あとがきが面白い。
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原始的な、なんとなくな土着の恥ずかしさ
戦時中の男性間における包茎を通した支配的構造
敗戦による男性の精神的な劣等感
美容整形の始まり
性器への拡大
医師と出版社によるマーケティング
男性による女性視点での言説の流布によるマッチポンプ
男性間の関係性の再構築
著者の怒りと優しさを感じました。 -
インパクトのある題名と女性による著作ということに興味を掻き立てられ読了。
戦前戦後の歴史的考察などは面白い。 -
高須クリニック院長の功罪のみではなく、根の深い話だった。巻末の引用文献リストの膨大さに震える。
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日本人男性における包茎コンプレックスの歴史的経緯について論じた本。戦前から広く浸透していた包茎コンプレックスが、80年代以降の美容整形医によるコンプレックス商法とそれに加担したメディアによってより強固なものとされていった。という流れに新規性は感じられないが、皆がだいたいそういうもんだろうと思っていたことを、きちんと逐一資料にあたり検証し明らかにした功績は大きい。
個人的には明治から戦前にかけての近代化から軍国主義へと向かう中での包茎に対する認識の変遷についてもう少し深堀りして欲しかったところだが、多分、それは木本至が「オナニーと日本人」の中で論じていたことに繋がるような、また別の話になりそうで、この本にそこまで求めるのはお門違いなのかもしれない。 -
https://honz.jp/articles/-/45930
https://www.cyzo.com/2021/03/post_270854_entry.html
週刊新潮2021.3.25号 北村浩子評
週刊現代2021.4.3号 鈴木涼美評
毎日新聞2021.4.3朝刊 渡邊十絲子評
週刊文春2021.4.8号 著者インタビュー -
包茎治療の歴史は200年前の江戸時代後期から現代(2025)に至るまでの歴史がある。だが、当初は包茎治療は極一部であり、ここ1950年代以降の近代化が進み、美容医療、メディア等のマーケティングで男性に「包茎は恥」という印象と概念を植え付けさせ、本来は「治療不要な包茎」を、美容医療の包茎ビジネスとして成功させている。
さて、現代(2025)において劣等感や包茎を恥または悪だと抱く男性は20代以上の全て世代に当てはまる。包茎は日本人男性のほとんどであり本来は恥でも病気でも治療も必要もない。身体を洗うのと同じで性器も清潔にすればいいだけの話なのだ。男性間で見られるのも性器の形や大きさも合わせて比較されからかう文化もあるが、それも違い形も大きさも個性であり病気でない限り手術の必要はないということを認識する必要がある。他、もし悩みがあるのであれば美容医療ではなく泌尿器科に行くことを勧める。本来はそれが正しい。美容医療は自由診療ビジネスなので基本的に美容治療を勧める。泌尿器科は医学的にその性器が病気か否かだけを判断する。治療不要と言われるのがほとんどであろう。
現代では包茎は恥という認識は減少傾向にある。「治療しなくても良い」「気にしない」とする声や、そもそも大多数が仮性包茎であるという事実を踏まえ、「気にしなくて良い」「標準的な状態である」とする医学的見解も広まりつつある。だが、依然としてビジネスとしての美容医療ビジネスは優位にあり、本来、劣等感を抱く必要のないことに時間と意識を持っていかれている。
本著は学校の性教育でも取り入れるべき内容である。10代、思春期において身体の変化を多感に感じやすい時期にとって重要な情報となるだろう。そして、家庭内での性教育においても両親が包茎や性器の扱い、性教育という話す場を設けるのもいいだろう。これからもどのような形であれ、劣等感ビジネスは続き不要な治療、不要な高額な治療費、不要な悩みを正しく理解し、本著においては包茎という悩みという本質的な意味と向き合うには大変教養もあり自分の子どもへも活かせる良書といえるだろう。 -
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とても良い本!
広告という媒体が包茎への偏見を増長させるに至った日本の歴史について、相当な文献にあたった上で社会批評+ジェンダー論+メディア論などを交差し論じる。
Xでの広告費稼ぎや過剰とも言える文句の数々に踊らされるぐらいなら、信頼し合える関係を構築し言葉を交えコミュニケーションを積む、その過程こそがジェンダー不平等への地味な一歩となる。
男性間における視線が、劣等感を抱かせ、その卑屈や内面への閉じこもりがミソジニーに繋がる。 -
包茎の日本人の歴史の話
ではなく、包茎が男性に及ぼすスティグマに迫る
これがめちゃくちゃ面白い
芳醇な文献に触れることは至らなかったが、文章をなぞるだけでも時を忘れてしまうほど
ちなみにこの本の話を妻にしたところ、それ脱毛の話に似てると言われた
男性の包茎、女性の脱毛は近いのかもしれない -
他の人のレビューを見ていた際に、この本を見つけまして、検索してみたところ、近くの図書館にあることがわかったので、借りてみました。
可能な限りの文献を集め、よく調べた上で書かれた本だと思います。
著者は社会学者(女性)ですが、面白いところに目を付けた本だと思いました。
この本に書かれている内容については、マーケティングの観点から見ても、面白いと思います。
「それっぽい理屈」を用いて消費者の心理に漬け込む商法は、いろんなところにあると思いますが、その典型例といえると思います。 -
「病気でもマイノリティでもない仮性包茎が、いつ、どのように恥になったのか」江戸後期から現代までの文献を読み解いた包茎文化史。一瞬手に取るのを躊躇するようなタイトルだが、とてもまじめな学術本。力作。
このテーマを研究し、論文を書くことは、現代日本ではなかなかの勇気がいりそう。フェミニズムに加えて、「男による男差別」がジェンダー研究のテーマにあげられるようになったことに希望をおぼえる。
仮性包茎は正式な医学用語ではないこと、華岡青洲の記録にすでに包茎の文字があること、仮性包茎が恥という概念は日本人特有であること。はじめて知る事実が非常に興味深かった。 -
さえぼー先生がオススメしてた本書、とても面白い力作だった。
膨大な史料を参照しながら認識や言説の変遷をたどっていくのは、ちくま新書『害虫の誕生 虫から見た日本史』に通じるものがある。
それにしても、雑誌の記事やら広告やら、よくぞここまで集めたな…と感心してしまう。 -
■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
【書籍】
https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001185966
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包茎に関する資料研究の最高峰だろう。よくぞこれだけの資料を調べあげたものだと感心する。男性同士のまなざしやしんどさの指摘、包茎の議論から最後のジェンダー論への展開が刺さる。
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著者プロフィール
澁谷知美の作品
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