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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784480017550
作品紹介・あらすじ
クビか、賃下げか。生産が縮小する時、労使は究極の選択を迫られる。今も日本はクビにしにくい国なのか? 国際比較と国内調査から、雇用調整の内実に迫る。
感想・レビュー・書評
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コロナ禍における大手航空会社の雇用調整の国際比較,百貨店の長期的な雇用調整から,日本の雇用調整について論じられていた。それぞれの事例で労使の考え方や行動が分析されていた。
雇用調整は,区別は相対的ではあるものの,賃金調整と雇用調整がある。
コロナ禍における大手航空会社の事例では,コロナ禍において政府の支援があるなかではどの国の労使も雇用の維持に動いていたものの,欧米(特にアメリカ)は雇用調整のスピードが速く(アメリカは雇用よりも賃金を維持しようとする傾向があった),日本は雇用調整のスピードが遅いという特徴づけがなされた(ただ,下請け企業では人員削減がいち早く行われた)。雇用調整のスピードが遅いことは,短期的な雇用の調整が必要な場合に,再雇用に係る取引費用を削減し需要の戻りに対応しやすいというメリットがある。アメリカやイギリスの航空会社では人員不足で運行に影響が出た。雇用調整の遅い日本では需要の戻りに対応できるが,マクロ経済的な観点からは賃金水準の停滞という別の問題が生じる。
長期的な雇用調整の事例として,バブル崩壊以降,店舗閉鎖が続く百貨店が取り上げられた。日本的な長期雇用の内実は,「雇用の場」が確保され続ける状態になっている。労働組合幹部の言葉を借りれば,「自社だろうが,他社だろうが関係なく,とにかく雇用してもらえる状況をつくることに重きを置くように変わってきた」という。「雇用の場の確保」には,出向や転籍が用いられるが,意にそわない場合もあり,全員が納得というわけではない。
国際比較や百貨店の事例によって日本の雇用調整の特徴がうまく説明されていたと思う。雇用調整の遅さのメリットとデメリットの示唆も勉強になった。雇用か賃金かという論点は今後も考え続けていきたい。 -
【書誌情報】
『雇用か賃金か 日本の選択』
著者:首藤若菜
シリーズ:筑摩選書
1,650円(税込)
Cコード:0333
刊行日: 2022/10/12
判型:四六判
ページ数:208
ISBN:978-4-480-01755-0
JANコード:9784480017550
クビか、賃下げか。生産が縮小する時、労使は究極の選択を迫られる。今も日本はクビにしにくい国なのか? 国際比較と国内調査から、雇用調整の内実に迫る
[https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480017550/]
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