日本政教関係史 宗教と政治の一五〇年 (筑摩選書 254)

  • 筑摩書房 (2023年4月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784480017727

作品紹介・あらすじ

統一教会問題でも注目を集めている政治と宗教の関係の変遷を、近現代の様々な事例をもとに検証。信教の自由と政教分離の間で揺れ動く政教問題の本質に迫る。

宗教と政治の関係を考えるには、近現代史を踏まえねばならない。本書は日本の宗教行政・宗教政策史を概観し、重要なトピックをその中に位置づけ分析する。明治以来、政府は宗教団体法の制定を模索し、昭和にようやく国民精神動員の名目で成立させたが戦後、占領軍が廃止を命令。一九五一年成立の宗教法人法が宗教団体の自由と自治を大幅に認め、政教分離を明確に定めた。キリスト教公認問題、内村鑑三不敬事件、戦争と宗教、靖国問題などのトピックから政教関係の全体像を照射する。

【目次】
第一章 近現代日本の宗教行政史概観 1868-2019
第二章 教育と宗教の衝突 1890-1893
第三章 内地雑居とキリスト教公認問題 1894-1903
第四章 公害・戦争・遊郭・社会主義との対峙 1890-1911
第五章 飢饉と救済 1905-1906
第六章 宗教団体法の整備過程 1899-1939
第七章 「大東亜共栄圏」と仏教哲学者 1916-1945
第八章 満洲国の「靖国」 1935-1945
第九章 靖国神社の近現代史 1869-2019

みんなの感想まとめ

政治と宗教の関係を深く掘り下げた本書は、近現代日本の宗教行政や政策の歴史を通じて、信教の自由と政教分離の本質に迫ります。特に、明治以降の宗教団体法の整備や靖国神社の問題など、重要なトピックを取り上げ、...

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架:165A/O24n//K

  • この本を読んでいる間、文科省が旧統一教会に過料を科す、というニュースが流れていました。その後、教会は裁判で徹底的に争うと記者会見していましたが、いよいよ解散請求も視野に入ってきたようです。非常にタイムリーな読書になりました。っていうか本書が2022年7月8日の安倍晋三元首相暗殺事件とそこから顕在化された政治と統一教会の関係をきっかけにまとめられたものです。また8月の太平洋戦争関係のテレビ番組では靖国神社の存在がクローズアップされたりりして,そういう意味でも考えさせられる本でした。明治以降の日本の政治と宗教の関係はタペストリーになっていること、その一本一本の糸はどうして生まれたのか、知らないことがいっぱいでした。それが戦後リセットされた気になっているとこが様々の問題を起こしているようにも思えます。実は著者が一番訴えたいことは、そういった日本の政教関係史の知見が現在、希薄になっていることなのです。となると、統一教会への解散請求は妥当なのかどうか…気分に流されている自分が怖くなりました。

  • 旧・統一教会と政治家の関係がスキャンダルになって、改めて日本の政治と宗教の関わりについて知りたいと思った。創価学会と公明党の関係とか、靖国神社の問題とか、憲法の信教の自由と政教分離の原則についてなど。

    結果から言うと読む本を間違えた。「関係史」なんだから歴史の話であって、現代の話はほとんど出てこない。それはそれで興味深くはあったけれど、知りたいと思ったことは書いてなかった。これは著者のせいではない。失礼しました。

  •  個別の事実関係は自分には消化不良で、かつ各章毎に既出論考の加筆再録なので必ずしも通史になっていないが、大きな流れを掴むよう努めた。
     著者は、政府の戦前宗教政策の一貫した特徴は、宗教の利用と危険な宗教の排除だとする。一方で本書からは、政策が常に順調ではなかったことが分かる。神道国教化はならず、また宗教団体法成立までには長い期間を有した。ただ、本書にある神社の非宗教化、「国家の祭祀」としての管理、というのは戦後の感覚からは理解しにくい。
     同時に政府の統制のみを見るのも適切ではない。激しい廃仏毀釈には明治政府が制限をかけたほどだ。内村鑑三不敬事件ではメディアからのバッシングが激しい。宗教界自体も、日清・日露戦争では好戦論が大勢だった。
     ただ、政府への協力だけでなく、飢饉での救済を含めた宗教と社会問題の関わりにも着目する必要があるだろう。だからこそ政府は、利用又は排除しようとしたのだろうが。

  •  明治にはじまる近代日本の「政治と宗教」の歩みについて、仏教とキリスト教、そして戦前の論理の上では「非宗教」とされた神道を中心として、時勢との関わりをもとに詳細で具体的な追跡がなされる。敗戦を機とした「政治と宗教」をめぐる論理の急激な変化、およびその局面においても維持された戦前との連続性が示され、現代まで続く戦後日本の二者の関係がいかなるものであるかが一貫した論証によってまとめあげられていく。
     後半部では、戦前と戦後の問題系をつなぐ一種の架け橋としての靖国神社参拝問題にかなりの紙幅を割いており、それが現在のような形の論争になる以前から抱えていた火種について、すなわちその本質的な論点がどこに存在するのかについて、それまでの論証を踏まえて明瞭に示されている。

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著者プロフィール

小川原 正道(おがわら・まさみち):1976年生まれ。慶應義塾大学法学部教授。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。専門は日本政治思想史。著書に『福沢諭吉――「官」との闘い』(文藝春秋)、『福沢諭吉の政治思想』(慶應義塾大学出版会)、『小泉信三――天皇の師として、自由主義者として』(中公新書)、『福沢諭吉 変貌する肖像』(ちくま新書)、『日本政教関係史』(筑摩選書)など。

「2024年 『「信教の自由」の思想史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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