風土のなかの神々 神話から歴史の時空を行く (筑摩選書 258)

  • 筑摩書房 (2023年6月16日発売)
2.00
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 38
感想 : 3
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784480017765

作品紹介・あらすじ

高千穂・日向・出雲の景観問題解決に奔走した著者が神話の舞台を歩き、記紀編纂の場である飛鳥の遺跡に立って、古代の人々が神々に託した真意を明らかにする。



日本の神々とは日本人にとってどのような存在だったのか。神々は日本の風土のなかでどのような役割を担っているのか。日本の神は、自然を畏敬し国土の安寧を願う出雲系と、天皇による国家支配を正当化する高千穂・日向系に分かれる。高千穂・日向・出雲で景観問題の解決に奔走した著者が神話の舞台を歩き、「古事記」「日本書紀」編纂の場である飛鳥の遺跡に身を置いて、神々の来歴にひそむ謎を解く。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 地を這う哲学者 桑子敏雄 | 日経クロステック(2013.08.27)
    https://xtech.nikkei.com/kn/article/const/column/20130812/628049/

    プロジェクト・マネジメントの手法で合意形成を確かなものに [桑子敏雄] | ISSUES | WORKSIGHT(Nov. 2, 2015)
    https://www.worksight.jp/issues/681.html

    筑摩書房 風土のなかの神々 ─神話から歴史の時空を行く / 桑子 敏雄 著
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480017765/

  • 哲学の研究者であり、社会的合意形成のためのファシリテーターとして実践活動をおこなってきた著者が、日本の神話と風土について論じている本です。

    著者はこれまで、公共事業をめぐる地域住民のセッションなどに参加し、合意形成のための活動をおこなっています。本書の前半では、それらの著者の体験を振り返りつつ、風土に根ざした文化や信仰と調和するような街の整備・開発・保全のありかたを発見することの重要性が論じられています。

    ここで著者は、「空間の価値構造認識」という考え方を提出しています。これは、「空間の構造を認識する」「空間の履歴を掘り起こす」「人びとの関心・概念を掴む」という三つの項目から成っており、これらの三つの観点から公共事業をめぐってさまざまな関係者が合意形成にいたる道筋が模索されなければならないと著者は主張しています。

    後半では、日本神話をめぐって著者自身の考察が展開されています。アマテラスとスサノオがそれぞれの「ものざね」を交換して神々を生んだことに著者は注目し、それを持統天皇と天武天皇にかさねて、この物語が皇統の前例となっていることを指摘しています。さらに、記紀神話のなかにいわゆる出雲神話が内包されていることや、武烈天皇の残虐な行為についての記述についても考察をおこなっており、「おそれとそなえ」をわすれてはならないという教訓を示すことが神話の編纂者のねらいであったと主張するとともに、自然災害などのリスクにそなえることの重要性を示している点に、その現代的な意義を見いだそうとしています。

    公共事業にかかわりながら、風土のなかに生きる信仰のありかたに注目するという著者の立場は独特のもので、それじたいは興味深く感じたのですが、それが「記紀神話」のうちに含まれる教訓を解明するという本書の目標に直結するものなのか、疑問をおぼえるところもあります。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

桑子 敏雄(くわこ・としお):一九五一年群馬県生まれ。哲学者。東京工業大学名誉教授、一般社団法人コンセンサス・コーディネーターズ代表理事。一九七五年東京大学文学部哲学科卒業、同大学院博士課程修了。南山大学助教授などを経て東工大へ。一九九九年に上梓した『環境の哲学』が建設省官僚の目に留まり、政策提言を求められ、公共事業(ダム建設など)の地元住民の合意形成にかかわるようになる。「ふるさと見分け」「市民普請」を提唱。東京工業大学リベラルアーツセンター長もつとめた。著書に、『環境の哲学――日本の思想を現代に活かす』(講談社学術文庫) 、『感性の哲学』『西行の風景』(日本放送出版協会一九九九、二〇〇一年)、『日本文化の空間学』(東信堂、二〇〇八年)『生命と風景の哲学――「空間の履歴」から読み解く』(岩波書店、二〇一三年)、『わがまち再生プロジェクト』(角川書店、二〇一六年)、『何のための「教養」か』(ちくまプリマー新書、二〇一九年)など多数。

「2023年 『風土のなかの神々』 で使われていた紹介文から引用しています。」

桑子敏雄の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×