思考の整理学 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
3.67
  • (1318)
  • (2071)
  • (2172)
  • (418)
  • (112)
本棚登録 : 20524
レビュー : 2139
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480020475

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 情報や考えたことをどうやってなににストックしておくか、ここ数年の悩みどころだったのだけれど、この本を読んでそのこつが少しわかった気がする。

    切り取ってスクラップし、どんどんノートに考えを書き足していくという、一見今の時代とはそぐわないような手法だけど、電子化しているかしていないかの違いだけで、根本は同じである。

    一番印象的だったのは、「本当に頭に残しておきたいものはあえてメモらない」ということ。メモると安心して忘れてしまうから。

    大学時代に読んでおきたかった。これを読んでいたら少しはまともな卒論が書けただろうなあ…

  • ◯思考の整理学、というタイトルではあるが、途中まで読んでいて、論文の書き方の本かと思ってしまった。
    ◯しかし、読み進めるうちに、なるほど、これはそのタイトルとおり、「思考を整理し、それを通じて学ぶ」ということをテーマとして書かれていた。
    ◯当然と言えば当然であるが、この本自体も著者の理論の実践であるところが説得的で面白い。
    ◯終盤の章では、単純に思考を整理するだけでなく、また、それまでの思考の整理の過程における創造的思考でもなく、現実世界に即して創造的思考を行うことを書いているところ、思考の整理学というタイトルの終盤にふさわしい、発展的な内容で、恥ずかしい限りの感想ではあるが、さす学校の先生だと思わされた。

  • 今年一番読むのに時間がかかった本。内容的にかなり古い本だと思うけど、納得できることが詰まっていた。
    自分は、この本に書かれている通り、教えてもらうことがあたりまえになっていて、自分で調べるとしても答えそのものを見つけに行ってしまう。自分で考えて、自分で疑問を作って、考えを応用して解決するということが全然できない。徹底して古いタイプの人間であることが悔しい。この本が書かれた時代にだめだとされていたことが未だにだめなことであって、未だにこれがだめだと気づける人が少ないのは恐ろしいことだと思った。
    すぐに自分ができることは、インターネットでも、答えそのものを探すのではなく、概念やヒントから推測して自分で答えを考えることだと思う。

  • 喩えを多く使用し、抽象的な話をわかりやすくしてくれている。
    現代社会で、新入社員が指示したことしかやらないだとか自主性に関する問題はよく聞くが、それがなぜそうなったのか理解できる。
    そしてそのような引っ張ってもらわなければ飛べない“グライダー人間”でなく、エンジンを持ち自分で自由に飛ぶことができる飛行機人間になるための思考訓練を頭の体操のように紹介してくれる。

  • ものを考えるとは何か、という、学問への姿勢を説いた本。細かい章に分かれていてとても読みやすい。
    論理的な思考が苦手なので参考になるかと思い読んでみましたが、テーマは少し違うよう。ですが勉強になりました。
    何かに興味を持って、知識を得るに留まらず、拡張的・創造的な思考を持ちたい。

  • 受動的に知識を得る姿勢。(グラインダーではなく飛行機)
    頭の中は倉庫ではなく工場。整理整頓が第一。不要な事は忘れる。
    とにかく書いてみて推敲。(不要な事を忘れる作用もあると思う)
    思考の基本を教えてもらったと思います。


  • 目標がはっきりしているところでは、グライダー(自力で飛べない)能力が高く評価される。
    ー 「コンピュータ」の出現により、創造的な能力が求められてきている。

    ※ 新しい文化の創造には想像的な能力が必須。
    すぐには教えず、「教え惜しみ」をする。
    → 学習意欲を高める

    <メモ>
    問題作成能力があり、“なぜ” を問うこと。
    朝考えることと夜考えることはかなり違う。現実的な知恵を使う。
    人間は意志を働かせ、無理をする。自然の理に忠実にする。

    思考の整理とは?
     考えをあたため、寝かせること。忘れる時間をつくること。
     ー 主観や個性を抑えて、頭の中で自由な化合が起こる状態を準備する。無心の境。
     ー 立体的、質的な統合。
     ー 究極は名詞を主とした表題

    <メモ>
    無意識の思考が大変優れている。
    ものを考える人間は、自信を持ちながら、あくまで謙虚である必要がある。
    調和折衷
     諸説を照合し、新しい調和を考える。「全体は部分の総和にあらず」
    知のエディターシップ
     知識をいかなる組み合わせで、どういう順序に並べるか?
    セレンディピティ
     目的としていない副次的に得られる発見
    持続的な価値
     ー 時の試練、忘却のふるいを超える
     時間の持つ風化作用をくぐること
    ピグマリオン効果
     ー 根をもったほめ言葉でうまく行く様

    収穫逓減の法則
     資本と労力の増加につれて生産高は上がるが、ある限界に達すると
    生産が伸びなくなっていく現象を支配する法則

    <言葉の流れ>
    言葉は静止しているのに、文章を読むと、意味に流れが生じる。
    切れ目のある言葉と言葉が合わされているのに、ひとつらなりのものとして理解される疑問。
     ヒント: 残像作用、慣性の法則
    ⇒ 文章の不連続の連続を支えている修辞的残像。
    「忘却」の重要性
     ー 新しいことを考える能率をよくする

    <メモ>
    一瀉千里に終わりまで書き、全体を読み返し、推敲する。ゆとりを持って、工夫を凝らせる
    専門に囚われない。インブリーディング(近親結婚)は、新しい思考には向かない。
    対策例: スコットランドの月光会
    知識とは、心掛け次第で、自然にまとまるもの。 “従僕に英雄なし”
    中国の「科挙」文章を綴る能力が試験
    拡散的作用と収斂的作用

    <三上>
    1. 馬上 : 通勤電車の中
    2. 枕上 : 床の中
    3. 厠上 : トイレの中
    第一次的現実: 物理的現実
    第二次的現実: 頭の中の現実

    <知的活動の3つの種類>
    1. 既知のことを確認する
    2. 未知のことを理解する
    3. まったく新しい世界に挑戦する
    <思考的読書のすすめ>
     想像力、直感力、知識を限界まで総動員して“自分の解釈”に至ること
     ー 想像力と直観の飛翔によってのみ捉えられる“発見” 

  • SNSで、ときたま「物事はこれこれこういう風に考えよう」というライフハック的な発言が、おおいに拡散されバズることがある。そういう類の発想は、発言者が思い至るより前に、おおよそ全て本書に記されていると言ってよかろう。初出が1983年なのだから驚きだ。ネットで阿呆なことを書いて炎上した経験のある人は、本書を読んで参考にした方がよい。

  • 目新しいことはないが、情報の取捨選択方法や物事を考えるヒントが詰まった良書だった。

    最後のコンピューターについての見解は、現代ではAIと人類との関係に置き換えられるだろう。
    人は、決められたレールの上で考える仕事ではもはやAIには敵わない。
    これから先、社会人として生き残っていくためには、傾聴や人を感動させる提案ができるなど、人ならではの能力を伸ばしていかなければならないだろう。

  • 考えが凝り固まったときに読むと広くヒントを与えてくれる本。
    ひとつひとつのテーマは4〜5ページ程度とさくっと読める反面、深掘りするわけではないので物足りない気持ちにもさせられるが、それがもっと考えを深めたいという興味を湧き立たせ関連書へ注意が向くきっかけとなっている。

    セレンディピティ、当初は目的としていなかった予想外の発見に至るという無数の前例は、とにかくやってみればなにがしか得るものがあるという気楽な好奇心を奮起させられる。やる前からこれは有益か否かと悩むことに時間を費やすことこそ無駄なのかもしれない。

    大抵のおもしろいアイデアというのは既存のものたちで、なにも歴史を塗りかえる世紀の発見ばかりではない。
    既存だが異質なアイデア同士の結合がときに新鮮なアイデアへ化けることがある。

全2139件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

お茶の水女子大学名誉教授

「2019年 『やわらかく、考える。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

思考の整理学 (ちくま文庫)のその他の作品

外山滋比古の作品

ツイートする