思考の整理学 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480020475

感想・レビュー・書評

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  • 思考についてのエッセイ集。文章は平易で読みやすく、内容は単なるエッセイに留まらない実践的なものだった。頭のいい人の書いた本は読んでて楽しいな(頭の悪い感想)

  • 外山滋比古のベストセラー書。
    学生時代に、もっと若い時期に出会いたかったと悔やまれてならない逸書。

    学校教育で大量生産される、自力で飛ぶことができない「グライダー型」人間と、教育からははみ出るが独創的な、しかしやや基本をおそろかにしがちな「飛行機型」人間。人格の陶冶にはこの両タイプを兼ね合わせた教育が必要である。そのための心がけを説く。

    ノート術だのカード術だのでの情報整理法は今となってはやや古いのだろう。

    読んだり、聞いたりの知識的な「第二次現実」ではなく、働いたり、感じたうえでの知恵としての「第一次現実」を大切にしなさい、というのはそのとおり。行動を思考になじませた「第一次現実」が飛行機型人間を生む。

    インターネットが発達するとリアルとの区別がうんたらかんたらって言われるけど、ネットがなくても本ばかり読んでも現実性がうんたらかんたらって文句言われていた人はいたんだろうな。

  • 書いてる言葉は全然難しくない。
    勉強だけじゃなくて、仕事や芸術、スポーツなど何をしてる人にも何かしら為になる内容だと思います。

    内容が少し難しく感じる所もあり、しばらくしてからまた読みたいとおもいます。

  • グライダーではなく、飛行機人間。
    バランスが大事。

    夜の考え事より、朝の考え事。

    寝させておく、忘れる時間をつくる、というのも、主観や個性を抑えて、頭の中で自由な化合がおこる状態を準備することにほかならない。

    たえず、在庫の知識を再点検して、すこしずつ慎重に、臨時的なものをすてて行く。やがて、不易の知識のみが残るようになれば、そのときの知識は、それ自体が力になりうるはずである。

    仕事をしながら、普通の行動をしながら考えたことを、整理して、新しい世界をつくる。これが飛行機型人間である。

  • 忘却について。
    「忘れるのは価値観にもとづいて忘れる。おもしろいと思っていることは、些細なことでもめったに忘れない。価値観がしっかりしていないと、大切なものを忘れ、つまらないことを覚えていることになる。」
    「つまらないことはいくらメモしてもいい。そうすれば、安心して早く忘れられる。大切なことは書かないでおく。そして、忘れてはいけない。忘れたら、とり返しがつかないと思っているようにするのである。」
    「とにかく書いてみる。聴き上手な相手を選んで、考えていることをきいてもらうのも、頭の整理に役立つ。整理のためにはとにかく表現してみるのがよい。」
    「すこし教育を受けた人間は、何でも本に書いてあると思いがちだ。本に書いてなくて有用なこと、生活の中で見つけ出すまでは、だれも教えてくれない知識がどれくらいあるか知れない。」

  • 本屋で東大生・京大生に人気だという帯を目にした。
    数年来気になっていたので、図書館で借りた。

    ・グライダー
    ・朝飯前
    ・寝させる(sleep over、見つめるナベは煮えない)
    ・忘却のさまざま
    ・時の試練
    ・垣根を越えて
    ・ことわざの世界

    ①『ノルウェイの森』のナガサワさんは、亡くなった作者の作品・時の洗礼を受けた作品しか読まないと言っていた。
    それ以来、10年ほど、私はそのことが気になっていた。
    古典そのものの価値をわかっていなかった。
    ただ長い間読み継がれてきたのではなく、執筆当時の作者の意図とは違う読みにも耐えられるからこそ価値があるという意味なのだと、今回教えられるまでわかっていなかった。
    ものを考える力がないことが、恥ずかしいと最近思う。
    ②忘れていくことは健全で必要でさえあると知り、安心した。
    眠る時間が記憶を定着させるのだと、再確認した。
    ③姜尚中さんの講演会で、文学は役に立たないからこそ色々なことを考えるきっかけになる、ときいた。
    それは想像力を養うことだと捉えていた。
    大学で、文学は科学だと教えられて、納得していた。
    けれど、未知のものを自然に想像させて理解させることが文学の良さだと今回の文章で諭されて、そういうことかと解釈の幅が広がったようだ。

  • メディアで話題になっているのを見かけた直後に、たまたま古本屋さんで破格の値段で売られていたので、ここぞとばかりに購入してそのまま積読してしまった本。やっと読み終えました。
    「考える」行為を自身の為にどう有効活用できるかを著者の経験も踏まえてわかりやすく解説されている本。
    とてもいい良書でした。

  • この本は次女が作文の課題で使われているものですが、読み始めたら面白かったので読み通してしまいました。
    書かれた時期は今から凡そ30年前で、私が大学生の頃です。

    コンピュータが学生の間では使われ始めていますがインターネットはまだ一般的でない時代ですが、著者である外山氏は、コンピュータ時代には人はどのような姿勢で仕事をしなければいけないか等、現代にも通じる素晴らしい洞察をされています。

    思考をいかにすべきかについて、具体的にどのような場所で、どのような姿勢で行うかについてのアドバイスは役に立ちました。

    以下は気になったポイントです。

    ・人間にはグライダー能力と飛行機能力がある、受動的に知識を得るのが前者、自分でものごとを発明・発見するのが後者である(p13)

    ・知識も人間という木の咲かせた花である、花が咲くのは地下に隠れた根にも大きな組織があるから(p14)

    ・朝の頭のほうが、夜の頭よりも優秀である。夜散々てこずった仕事は、朝になってもう一度取り組んでみる(p23)

    ・いくら苦労しても、酵素を加えなければ麦はアルコールにならない。頭の中の醸造所で時間をかけるのが大事(p33)

    ・文章を作るときに優れた考えがよく浮かぶ三つの場所として、馬上・枕上・厠上(三上)がある(p37)

    ・ことばでも、流れと動きを感じるのは、ある速度で読んでいるときに限る、わかりにくいところを思い切って早く読んでみると案外分かったりする(p63)

    ・人間は意志の力だけですべてを成し遂げるのは難しい、無意識の作用に追う部分がときにはきわめて重要である。セレンティピティは、われわれにそれを教えてくれる(p71)

    ・第一次思考を、その次元にとどめていたのであれば、いつまでたっても、たんなる思いつきでしかない(p77)

    ・切り抜きをつくるときには、必ず、掲載の新聞・日付などの記入を怠らない(p81)

    ・ノートの利用価値を高めるには、見出しをまとめて、索引にしておくとよい(90)

    ・同じ問題についての本をたくさん読めば、あとになるほど読まなくてもわかる部分が多くなる。前の本と逆の考え方や知識があらわれば、諸説が分かれているとわかる(p94)

    ・思考の整理とは、いかにうまく忘れるかである。たえず在庫の知識を再点検して、すこしずつ慎重に臨時的なものを捨てていく(p127,133)

    ・思考の整理は、名詞を主とした題名ができたところで完成する(p142)

    ・気心が知れていて、しかも、なるべく縁の薄いことをしている人が集まって、現実はなれした話をすると、触媒作用による発見が期待できる、セレンディピティの着想も可能になる(p158)

    ・朝、目を覚まして起き上がるまでの時間のほうがより、良いアイデアが生まれる(p173)

    ・ものを考えるには、ほかにすることもなく、ぼんやり・あるいは是が非でも力んでいてはよくない、というのが三上の考えによっても暗示される(p174)

    ・文章上達の秘訣は、三多である、看多(多くの本を読む)、做多(多く文を作ること)、商量多(多く工夫し、推敲する)(p175)

    ・いい考えが浮かぶものとして、三中(無我夢中、散歩中、入力中)がある(p177)

    ・自分だかの「ことわざ」の世界を作り上げる、このようにすれば思考の体系をつくりあげることができる(p189)

    ・仕事をしながら、普通の行動をしながら考えたことを整理して、新しい世界をつくるのが飛行機型人間である(p196)

    ・産業革命は、機械で工場から大量の人間を追い出した変化であった、人間らしい仕事を求めて人々は事務所へ立てこもった。この状態が西欧において200年続いたが、コンピュータの登場でこの聖域はつぶれようとしている(p212)

    ・これからの人間は、機械やコンピュータのできない仕事をどれくらいよくできるかによって社会的有用性に違いが出てくる(p214)

    2014年4月6日作成

  • 東大の生協で売れている本ということで購入したものの、しばらく”積読”状態になっていた。が、いざ読み始めると、すごく面白い!各章のタイトルもいい!まるでエッセイのようにスラスラと読み進めることができた。平易な文章でわかりやすく、事例が豊富で、そして最後には「なるほど〜」と納得できる構成になっている。
    特にこの中に書かれている”つんどく法”は参考になった。頭の中に文字を”積んで”、”読む”勉強法。是非、実行してみようと思う。
    『思考』が『整理』できる本。まさに、この本のタイトルにぴったりの内容だ。

  • 東大生協がおすわりには、普通のエッセイ集。

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著者プロフィール

お茶の水女子大学名誉教授

「2019年 『やわらかく、考える。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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