思考の整理学 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
3.67
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  • (111)
本棚登録 : 20428
レビュー : 2126
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480020475

作品紹介・あらすじ

アイディアが軽やかに離陸し、思考がのびのびと大空を駆けるには?自らの体験に則し、独自の思考のエッセンスを明快に開陳する、恰好の入門書。

感想・レビュー・書評

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  • あとがきにあるように、この本はハウツーを目指していない。
    冒頭からずっと比喩的な表現が続きます。
    読んでいてもアタマは整理はされないし、詰まる所思考を扱った文学的な読み物でしかないです。
    読んで面白くなければ、価値のない代物。
    著者が携わった、モーティマーアドラーの「本を読む本」の方が読む価値が高いです。

  • 「東大・京大生が根強く支持する異例のロングセラー!」というコピーに惹かれて読んでみた。
    本書の内容は簡単に言うと、どういった心構えで学問をするか、学問に対する取り組み方や姿勢みたいなものがエッセー形式で書かれている。

    「これからの時代で必要とされるのは、同じ空を飛ぶものであっても、自力では飛ぶことのできないグライダー人間ではなく、自力で飛び回れる飛行機人間である」と筆者は力説している。
    確かに、今の時代だからこそより一層求められている人間像だ。

    驚くのは、この本は35年以上も前に書かれているのだが、内容が全く陳腐化していないことだ。それどころか、現在、問題なっていることや、世間で論じられていることが数多く語られている。35年以上も前に今の状況を予見していたかと思うと、筆者の先見の明には驚きを隠せない。

    35年前といえば、インターネットもスマホも無い時代であるが、この時から筆者は将来、コンピューターが記憶の大部分を補助する時代がくるので、人間の脳は記憶の為ではなく、新たな創出をするために使うべきだなんてことが書かれている。
    今、人間は記憶に頼らず、分からないことはすぐにスマホで調べて、分かった気になってしまい、物事を覚えようとしなくなっている、今の時代は本書の予言どおりだ。
    本書では「コンピューター」という言葉が使われているが、今の時代なら「AI」という言葉に置き換えてみればそっくりそのまま当てはまる。

    コピーどおりなら、本書は東大生や京大生に良く読まれているようだが、たぶん、大学に合格した生徒達に最初に読ませるような「課題図書」か、口コミなどで「読んだ方が良い本」になっているのだろう。もし、なっていなかったとしても、大学生にこのような姿勢を持って学問に取り組んで欲しいという筆者の気持ちを理解できる学生が東大、京大には多いということなのだろう。

    本書は頭を論理的に使う方法が書かれているが、本書内で使われている言葉は平易で非常に読みやすく、興味深い事例が多く論じられているので読者を飽きさせない。

    さらに、本書にはテーマの見つけ方やそのテーマの発展のさせ方、寝かせ方など仕事に通じることもたくさん書かれている。
    本書は大学生だけでなく、社会人1年生やこれから何か勉強しようという人にも非常に参考になると思うので、ぜひ一読をおすすめする。

  • 読後最初の感想は、「大学時代に読んでおきたかった」でした。
    本書が文庫になったのは1986年、私の生まれた年です。
    しかし、この思考の整理法はインターネットで情報あふれる現代であるからこそ、色あせず多くの人に読まれているのでしょう。

    大切なのはインプットした知識を寝かせることと、いかにうまく忘れるかということ。
    自分の価値観をしっかり持って、必要ないことは忘れて、必要なことは整理して熟成させる。
    以前読んだ『天才科学者のひらめき36』(リチャード・ゴーガン/著、創元社)に、科学者の発明には「準備」と「チャンス」と「欲求」が必要と書いてありました。
    本書には、その「準備」の土壌を作るヒントがつまっています。

    情報のつめこみすぎは非効率だし、ブックマークして自分のものになったと思っていてはダメだなぁ…と反省。
    また、専門分野にとらわれず、他分野と接触することの大切さを改めて感じました。

  • 帯にも書いてあった。
    もっと若いときに読んでいれば、そう思わずにはいられませんでした。
    書名の通り、思考を整理させるためには、とても良い本である。思考そのものにも参考となるが、整理、ひらめきのアイデアもある。多くのアイデアに関する本と似ている記載は、アイデア⇒すぐ消える、アイデア⇒ねかせるなど。朝飯前、三上、寝かせる、忘却。
    既知と未知の開設は、難しいが、良く分かるように書いてある。また、これの理解は、読書の醍醐味かもしれない。
    著者の情報、アイデア整理法は、ノートを使う。ノートの使い方は面白い、メタ化という。

  • インターネットの進化にあわせて、ホームページやブログ、そして電子書籍と、自分の考えていることを友達はおろか全く知らない人達にも伝えることができるようになりました。さまざまな夢を描けるようになった反面、自分の考え方をメールでむげに否定されて悲しい思いをしたり、目に入ってくる情報が多すぎて頭の中が整理できなくなったり、かつて言われていた「高度情報化社会」の中で、新しい葛藤が出てきています。

    本書は、1986年に出た本で、アイディアを整理する方法、正確に言うと、ものを考える時に起きるさまざまな状況を利用する方法を解説しています。例えば、アメリカで潜水艦を作るために音波探知機を研究していたら、イルカが超音波で交信していることに気がついた(セレンディピティ)、という事例から脱線もまた大事であることを説いたり、「忘却」すら「ものを考えるツール」と捉えていたりします。

    「忘却」については、何かを考える時に大量の情報を頭に詰め込んだ後で、わけがわからなくなったのであれば、少し時間を置いて、不要なことを忘れてしまった残りが本当に必要なことである、という考え方をしています。

    そういえば、ツイッターも、自分が全部のタイムラインを見る必要はなくて、みんなが大事な情報だと思っていれば、リツイート(みんなが目の前のツイートを自分のツイートとして再配信する機能)を使って、どんどん共有するので、ちょっと遅れても見逃すことはない、というのと同じで、ソーシャルメディアの中でも、忘却という現象を逆手に取ったものは自然と生まれている気がします。

    25年以上前の本が未だに輝きを失っていないのは、インターネットで誰もが情報発信をできるようになった今だからこそ、かつての知識労働者という特権階級だった著者(お茶の水大学の教授などを歴任)が抱いていたアイディアを広げて行くための葛藤や悩みが、多くの人に適用される時代になったということではないでしょうか?

    僕はこの本を読んだ時に、もうライフハックや知識系の自己啓発本を読む必要はなくなったと思っています。それだけ人間の日常生活においてできる本質的な部分については、本書に全て書いてあります。本書は、販売部数が100万部に到達し、東大生、京大生に最も読まれた本とも言われる一冊とも言われているそうですが、ヴィレッジヴァンガードの平積みでも見かけた本で、特に何も知らずに買ってみたらとても面白い本でした。

  • 外山先生の言っていることは至極明快。
    1.早起きしろ、朝の頭はリセットされていて勉強に向いている。
    2.頭の整理には忘れることが大事である。
    3.メモをとり、規則をつくって整理しろ。
    その他、日常の行動規範にかかわる様々なエッセイである。


    この本の帯にかいてあるキャッチフレーズは、
    「2年連続!!東大・京大で一番売れた本」

    こういった生き方・学び方的な本が日本のトップ大学で一番売れてしまうって大丈夫なのかと思う。
    悪い本ではなかったけど、感心した部分は一つもなかった。

  • 思考の整理学
    外山滋比古
    2018年3月31日読了。

    1986年刊行の本なのに、物事を考える・ものの考え方は今にも十分通じる手法が書いてあった。

    学校はグライダー人間の訓練所。グライダー人間は与えられた教材、学習内容を規律乱さず覚えるのを良しと評価される。自学自習という言葉あるけど、独力で知識を得るのではないしそうした能力は求められない。風に乗って飛行すれば良いだけ。
    それに対して、飛行機人間。自分で考えて、自分のエンジンを駆使して飛行する人間。
    人間の中には両方の能力が同居してるのに、学校を卒業するとグライダー人間が多すぎる。
    そして、現実にそういう人間が評価される社会に日本はなってしまってる。

    ホメテヤラネバ
    人の思考は揺れ動きやすい。しかも弱くて1人で悩んでいたりクヨクヨしてたり、自分はダメだと言っていると出来るものも出来なくなってしまう。
    自分に対しての言葉だけでも、自分の思考に影響を与えてしまうのだから人からの言葉はもっと影響を受けやすい。
    なので、人の考えに対して不用意な言葉を慎まなくてはならないと思うようになる。
    友には、褒めてくれる人を選ばないとダメ。これが中々難しい。人間は褒めるよりもけなす方がうまくできてるから。また頭のいい人ほど欠点を見つけるのが上手く、長所を発見するのが下手なようだと著者はいってました。

    ピグマリオン効果
    学力の同じグループを2つに分けてテストをする。Aチームには採点した答案を返すが、Bチームには答案は見もしないで、教師が一人一人生徒を呼んでテストの成績は良かった。と告げる。もちろんデタラメ。
    しばらくしてまた第二回のテストをする。また同じにAには答案を返して、Bチームには今度も良くできていた。と答案を見せず、返さず伝える。
    こういうのを何度か繰り返した後に、今度は全員の答案を採点。なんと褒めておいたBチームの方が点が高くなってるというもの。
    根拠はなくても肯定する言葉には人の思考に良い影響を与えるお話。

    他にも「考えることとは」について極力言語化した事例があって面白かったです。

  • 仕事術の教本といえるが、著者の語彙力・表現力がすばらしく含蓄があり、噛み締めながら読み進めるべき本。

    この本をよむべきだと思う人は、例えば
    「一つの仕事やテーマに没頭してしまっている人」
    「何かに没頭するあまり生活スタイルが定まらない人」「『考える』ことを人一倍必要とされるのに、『考える』ことを自己流に何となくやっている人」

    上記に当てはまると思った方は、今背負っている課題は一旦隅に追いやって、ゆったりした気持ちで本書を読むと良いと思う。

    革新的な成果は、それ自体とは無関係に思える他分野の仕事やアイデアとの融合となることが多い。
    如何にして広い視野を保ち、機会を逸せずに捕らえられるか。そのためにどのような事を日々積み重ねるべきか、そのヒントを、本書は提示してくれる。

  • テーマは、ものごとを考えるとは、どういうことか。どういうに、ものを考えたらいいだろうか。
    私がおもしろいと思った箇所をご紹介します。

    ・10世紀ごろの中国の言葉に「三上」という語がある。
     考え事が進むのは、鞍上(=馬の上)、枕上(ベッド)、厠上(トイレ)の3つだ。
     頭が緊張していないときに、アイディアは生まれる。思いついたことは、すぐにメモにとる。
     とにかく、メモに残す。しばらくはメモをみない。
     思いだした頃に、メモを読み返してみる。すると、とても陳腐なものに思える。完全に腐り、死に絶えている。
     だが、それでいい。考えは、寝かせることが必要。時の試練を与える。
     寝かせ、試練を乗り越えたネタは、まれに、「醸成」している。いい感じに「発酵」している。
     そんなネタは大切にすればよい。

    ・全く新しいことを考えることは難しい。例えば、新しい原子を発見することは至難の業だ。
     だが、物体AとBを混ぜ合わせて、化学反応を起こすことは、容易で、そして、おもしろいことが起きる。
     物事を考えるときもそうだ。組み合わせを新しくすると、おもしろい見え方になる。

    ・さきほど、化学反応の話を書いたが、これは、人でもそうだ。
     同じ専攻の人間と話していても、頭は凝り固まる。
     まったく異分野の人と話すことで、新しい発想が生まれる。

    ・忘却しなければならない。学校では、「覚えろ、忘れるな」と言われ続け、忘却は悪と教えられる。
     だが、人間が蓄えられる情報には限界がある。畑の収穫逓減と同じだ。
     本当に大事なことは、忘れない。忘却を恐れないでいい。
     そもそも、知っていても、考える力がなければ意味がない。

    ⇒読書も、「知識を蓄える」+「考える」ということをやるトレーニングだと「思います。」
    (余談ですが、本書によると、「と思う」をI thinkと訳してしまうと、
     海外の方は「日本人はなんて思索的なんだ」と感じるそうです。
     日本語の「と思う」は、おまけというか、トーンをボカす意味合いが強いので全然思索していないんですが、、、言葉って難しいですね)

    話がそれました。
    不思議なもので、本を読むことで(、、因果関係があるのか微妙ですが、)
    「次はこんな本を読んでみたい」「こんなことをやってみたい」と感じるようになりました。
    本書の最後に、「コンピューター」について、
    述べた箇所があり興味がでてきたので、
    そのうち、コンピューター関係の本を読んでみようかな。要約はこんな感じです。

    ・世の中にコンピューターが出てきた。(この本は30年前の本です。)
     こいつは、人間よりも膨大な知識を持つことができる。
     コンピューター時代において、人間の価値とは何か?
     それは、思考できるということ。

    ⇒コンピューターVS人間。30年前の本では、人間は知識では負けるが、考えることができるのだ、と。
     でも、今は・・・AIの登場で、考えることすら、コンピューターに敵わなくなってきています。
     たとえば、現状・課題のデータをコンピューターに与えれば、
     最も「合理的な」政策を提案してくれるのでは・・・
     では、人間の価値は?・・・コンピューターが捨て置く「非合理な」判断をできてしまうのが、人間の強み・・・?

  • 論文作成を軸に書かれている。
    麦(素材)と酵素(アイディア)があれば発酵し始めるが、寝させないとビールにはならない。
    騒ぎ立てない。忘れてしばらく放っておく時間が大切。

    過集中して結論を急ぐのが私の弱点だったけど、これを読んでからフレーズを思い出すたびに、少しずつ改善できていると、今振り返って思える。

    ‘見つめるナベは煮えない’

  • 1986年に初版以来、現在までに200万部以上売られているロングセラー。ジャカルタの古本屋で120円で買いました。個人的に自己啓発的な本は得意ではなく、この本も全く期待しないで読みましたが、面白い本でした。
    読書法やファイリングのハウツー論にも触れられていますが、本書は外山滋比古さんが「自らの体験に即し、独自の思考のエッセンスを明確に開陳する」、娯楽性に富んだエッセイです。

    本書は人間には「グライダー能力」と「飛行機能力」があり、授業中の生徒のように「受動的に知識を得るのが、前者、自分でものごとを発明、発見するのが後者」。「この本では、グライダー兼飛行機のような人間となるには、どういうことを心掛ければよいか」が本書で論じられます。
    −考えに詰まったら一晩寝ればよい。寝ている間に考えは醸造される
    –何か思いついたらメモに残す。読み直して脈がありそうなものがあったら他のノートに移植する。この移植でアイデアが新しい意味をおびるようになる
    –思考の整理には忘却が有効。何を忘れるかは、しっかりした価値観が必要。自分の中で古典的になった着想は消えない。メモを取っても自分に関心のないことは忘れる。メモは取りすぎないことだ
    –断面的な知識も関連あるもの同士をまとめておくと、会話のタネくらいにはなる

    繰り返しになりますが、本書はハウツー本ではなくエッセイです。考えすぎるといい結果が出ないことを「見つめる鍋は煮えない」と表現するなど豊富なメタファーで楽しく読めます。お勧めの★★★★。

  • 30年以上前から変わらない真理?を説いています。

    落ち着いたら大学に行き直したいなとずっと考えていた私には酷な内容(笑)

    詰め込み教育の是非を問いています。
    知識を詰め込むことで自由な発想を阻害すること。

    どちらかというと優等生と言われがち(学校教育において)な私には耳が痛い話です…笑

    • QAZさん
      もうレジェンド級のロングセラーですよね。
      もうレジェンド級のロングセラーですよね。
      2018/04/22
    • あみさん
      思った以上に難しかったですが、考える力って大切です。
      思った以上に難しかったですが、考える力って大切です。
      2018/04/23
  • 「東大・京大で1番読まれた本」という煽りに『思考の整理学』なんて難しそうなタイトル。
    しかし、読んでみるとページをめくる手が止まらない。

    特に印象に残ったのが、"見つめるナベは煮えない"
    アイデアを一生懸命に膨らまそうとするのではなく、少しの間寝かせておく、月日が流れて思い出してアイデアを見つめ直す。当時とは違う自分がアイデアを新しい方向へ膨らませていく。これをビールで例えて行くから読んでいて面白いし分かりやすい。

    個性の発揮には何も新たに作り出す必要はない。何かと何かをくっつけるだけでも個性が現れる。この話が個人的には1番衝撃だった。なぜ気づかなかったのか分からないくらい当たり前の話なのに。

    1986年に出た本書がこれまでに売れ、盛大な煽りがされたのもうなづけるものだった。

  • 思考の整理法ではなく思考の整理"学"というタイトルから分かる通り考えるとはどういうことか について真っ向から論じていた。「考えはべらぼうに人に話すのではなく発酵させるべき」「いかに情報を捨てるかが重要である」といった著者独自の見解が興味深かった。

    この本によって自分が収斂的思考ばかり働かせていることに気づいた。今まで考えを素早くまとめることで組織に貢献することが少なくなかった。が、社会人として求められるのは飛行機人間であり、拡散的思考がなければ飛ぶことはできない。そのために新しい解釈を創る訓練をしていかなければと思った。

    その拡散的思考を鍛える訓練として適切な手段として、大学における卒業論文執筆と文学作品(特に洋書であればなおさらよい)の読解 は有効である と外山氏は述べていた。手始めに卒業論文に取り掛かろう。(宣言)

  • 科学的な方法論というより、むしろエッセイである。それほど、特別なことは書かれていない。自分も、なんとなく実践してきたことも幾つかある。以下、抜書き的メモ。

    ・記憶と忘れることについて.
    手帳にメモし、一旦忘れて「発酵」させる。ただし、ただ「忘れる」のでなく、ある「価値観」(原則・基準)のもとで忘れるのがよい。
     情報・記憶が自然に廃棄される(ただ忘れてしまう)のは、単なる「忘却」。一方、情報や記憶を意識的に捨てるのは「整理」。
     歩いているとき、思考は自由になりやすく、新しい考えが生まれ易い。→ということは「歩きスマホ」などせず、頭を自由にさせ、風を感じながら歩くのがよいに違いない。

    ・書くことについて.
     完成度を考えず、とにかく最後まで書き通す。一旦書き終えたという心の余裕で、次に俯瞰したとき、推敲すべきこと、新アイデアが生まれ易い。

    …上記、ペンで傍線をひいてあった箇所から、そのサマリー。それら傍線部のみ、目を通してみたところ、意外と「なるほど感」を得た。
    それこそ、無意識にやっていたことを、言語化されたことで、方法論として一段深化し始めたかも。

  •  著者も書かれていたが,この本はあくまで,著者の思考の整理方法(考える方法)について紹介されたものであり,ハウツー本ではない.もちろん著者の方法(朝飯を抜いてうんぬんなど)をそのままマネすることもできるが,それではグライダー人間になってしまう.飛行機人間になるためには,自分で思考し,それを整理する必要があると考えられる.
     この本で私が一番耳が痛かったのは,収斂性,拡散性の話である.私もご多分にもれず,小論文のような答えのない問題は苦手だ.これが正解だという自信が持てず,絶えず1つの答えを求めている.しかし,これでは収斂性しか鍛えられていない.思考は,収斂性だけではない.拡散性と収斂性の二つがある.今のままでは思考の半分の収斂性の思考しかしていない.しかもそれは受動的である.とは著者の言葉である.これはかなり耳が痛かった.拡散性の思考を少しでも身に付けるにはどうすればよいか,これから考えてみよう.そのためにはまず忘れる.記録をしてから,しばらく寝かせてみようと思う.忘れたままになってしまわぬように,ここにも記録を残しておく.

  • * 師匠の教えようとしないものを奪い取ろうと心掛けた門人はいつのまにか自分で新しい知識,情報を習得する力をもつようになっている
    * 朝食を食べず仕事をし,朝食と注釈を兼ねてブランチ,さらに昼寝すれば朝飯前が2回になる
    * 何かを思いついたらすぐ書き留めておこう
    * 気にかかることがあって,本を読んでも脱線しがち,というときは思い切って散歩に出る.歩くのも足早に歩く.すると気分が変化し,もやもやがはれていく.
    * 書こうとしてみると自分の頭がいかに混乱しているかがわかったりすることもある.とにかく書いてみる.最後まで書ききる.
    * その第一稿をかきなおし,第二稿,...として書き直しの余地がなくなるまでやる

  • 帯びの「東大・京大」で4年連続1位!なんて大々的に書いてあったから手にとってみたけど、「スゴイ!」「目からウロコがああああ!」なんて風にはなりませんでした。
    内容は、思考の整理とは?ということについて書かれています。ですので、著者が言うように思考の整理をするには?というようなHow to本ではないので、そこらへんを期待して読んでしまうとちょっとゲンナリします。いや、それって俺のことなんですけどね(笑)
    そんななかでも、グライダーとしての優秀さと、飛行機としての優秀さは違う。ということは、「確かに・・・」と記憶に残る内容でした。

  • 工場と倉庫。人間の脳とコンピュータを言い表した表現。何かを産み出す工場としての脳、多くのものを整理するための倉庫としてのコンピュータ。記憶と再生能力でコンピュータに劣る人間としては、前者のような知的創造力が必要であるにもかかわらず欠如している現代に対しての警告と、知的創造を産み出すための思考の整理方法について書かれた一冊。この本を読んだからといって急にアイデアが湯水のように溢れ湧いてくるという訳ではないが、情報の取り扱いなど参考となるものは多々あり。また、使い古された考えではあるが、新たなアイデアを考える時、0から1を産み出すことに執着するのではなく、1と2から3を産み出すことに着目すべきとの考えがこの本にも記されていた。過去から存在しているアイデアは時の風化作用をくぐり抜け、強固なものであるが故、積極的に利用すべきとのこと。
    この本は一読で終わらず、繰り返し読み知的創造を膨らます思考の整理学に対して、著書と対話して始めて有意義なものとなるであろう。

  • 情報や考えたことをどうやってなににストックしておくか、ここ数年の悩みどころだったのだけれど、この本を読んでそのこつが少しわかった気がする。

    切り取ってスクラップし、どんどんノートに考えを書き足していくという、一見今の時代とはそぐわないような手法だけど、電子化しているかしていないかの違いだけで、根本は同じである。

    一番印象的だったのは、「本当に頭に残しておきたいものはあえてメモらない」ということ。メモると安心して忘れてしまうから。

    大学時代に読んでおきたかった。これを読んでいたら少しはまともな卒論が書けただろうなあ…

  • 喩えを多く使用し、抽象的な話をわかりやすくしてくれている。
    現代社会で、新入社員が指示したことしかやらないだとか自主性に関する問題はよく聞くが、それがなぜそうなったのか理解できる。
    そしてそのような引っ張ってもらわなければ飛べない“グライダー人間”でなく、エンジンを持ち自分で自由に飛ぶことができる飛行機人間になるための思考訓練を頭の体操のように紹介してくれる。

  • ものを考えるとは何か、という、学問への姿勢を説いた本。細かい章に分かれていてとても読みやすい。
    論理的な思考が苦手なので参考になるかと思い読んでみましたが、テーマは少し違うよう。ですが勉強になりました。
    何かに興味を持って、知識を得るに留まらず、拡張的・創造的な思考を持ちたい。

  • 受動的に知識を得る姿勢。(グラインダーではなく飛行機)
    頭の中は倉庫ではなく工場。整理整頓が第一。不要な事は忘れる。
    とにかく書いてみて推敲。(不要な事を忘れる作用もあると思う)
    思考の基本を教えてもらったと思います。


  • 目標がはっきりしているところでは、グライダー(自力で飛べない)能力が高く評価される。
    ー 「コンピュータ」の出現により、創造的な能力が求められてきている。

    ※ 新しい文化の創造には想像的な能力が必須。
    すぐには教えず、「教え惜しみ」をする。
    → 学習意欲を高める

    <メモ>
    問題作成能力があり、“なぜ” を問うこと。
    朝考えることと夜考えることはかなり違う。現実的な知恵を使う。
    人間は意志を働かせ、無理をする。自然の理に忠実にする。

    思考の整理とは?
     考えをあたため、寝かせること。忘れる時間をつくること。
     ー 主観や個性を抑えて、頭の中で自由な化合が起こる状態を準備する。無心の境。
     ー 立体的、質的な統合。
     ー 究極は名詞を主とした表題

    <メモ>
    無意識の思考が大変優れている。
    ものを考える人間は、自信を持ちながら、あくまで謙虚である必要がある。
    調和折衷
     諸説を照合し、新しい調和を考える。「全体は部分の総和にあらず」
    知のエディターシップ
     知識をいかなる組み合わせで、どういう順序に並べるか?
    セレンディピティ
     目的としていない副次的に得られる発見
    持続的な価値
     ー 時の試練、忘却のふるいを超える
     時間の持つ風化作用をくぐること
    ピグマリオン効果
     ー 根をもったほめ言葉でうまく行く様

    収穫逓減の法則
     資本と労力の増加につれて生産高は上がるが、ある限界に達すると
    生産が伸びなくなっていく現象を支配する法則

    <言葉の流れ>
    言葉は静止しているのに、文章を読むと、意味に流れが生じる。
    切れ目のある言葉と言葉が合わされているのに、ひとつらなりのものとして理解される疑問。
     ヒント: 残像作用、慣性の法則
    ⇒ 文章の不連続の連続を支えている修辞的残像。
    「忘却」の重要性
     ー 新しいことを考える能率をよくする

    <メモ>
    一瀉千里に終わりまで書き、全体を読み返し、推敲する。ゆとりを持って、工夫を凝らせる
    専門に囚われない。インブリーディング(近親結婚)は、新しい思考には向かない。
    対策例: スコットランドの月光会
    知識とは、心掛け次第で、自然にまとまるもの。 “従僕に英雄なし”
    中国の「科挙」文章を綴る能力が試験
    拡散的作用と収斂的作用

    <三上>
    1. 馬上 : 通勤電車の中
    2. 枕上 : 床の中
    3. 厠上 : トイレの中
    第一次的現実: 物理的現実
    第二次的現実: 頭の中の現実

    <知的活動の3つの種類>
    1. 既知のことを確認する
    2. 未知のことを理解する
    3. まったく新しい世界に挑戦する
    <思考的読書のすすめ>
     想像力、直感力、知識を限界まで総動員して“自分の解釈”に至ること
     ー 想像力と直観の飛翔によってのみ捉えられる“発見” 

  • SNSで、ときたま「物事はこれこれこういう風に考えよう」というライフハック的な発言が、おおいに拡散されバズることがある。そういう類の発想は、発言者が思い至るより前に、おおよそ全て本書に記されていると言ってよかろう。初出が1983年なのだから驚きだ。ネットで阿呆なことを書いて炎上した経験のある人は、本書を読んで参考にした方がよい。

  • 目新しいことはないが、情報の取捨選択方法や物事を考えるヒントが詰まった良書だった。

    最後のコンピューターについての見解は、現代ではAIと人類との関係に置き換えられるだろう。
    人は、決められたレールの上で考える仕事ではもはやAIには敵わない。
    これから先、社会人として生き残っていくためには、傾聴や人を感動させる提案ができるなど、人ならではの能力を伸ばしていかなければならないだろう。

  • 考えが凝り固まったときに読むと広くヒントを与えてくれる本。
    ひとつひとつのテーマは4〜5ページ程度とさくっと読める反面、深掘りするわけではないので物足りない気持ちにもさせられるが、それがもっと考えを深めたいという興味を湧き立たせ関連書へ注意が向くきっかけとなっている。

    セレンディピティ、当初は目的としていなかった予想外の発見に至るという無数の前例は、とにかくやってみればなにがしか得るものがあるという気楽な好奇心を奮起させられる。やる前からこれは有益か否かと悩むことに時間を費やすことこそ無駄なのかもしれない。

    大抵のおもしろいアイデアというのは既存のものたちで、なにも歴史を塗りかえる世紀の発見ばかりではない。
    既存だが異質なアイデア同士の結合がときに新鮮なアイデアへ化けることがある。

  • グライダーは遠目からは飛行機よりも優雅に飛んでいるように見えるが、自力では飛べない。日本の教育はグライダー人間を作り続けている。

    という冒頭の問題提起が痛いほど響いた。

    本の主旨としては学生の論文執筆を念頭に書かれているが、日々の「考えること」に応用できることが多い。

    一番印象的だったのは、「思考の整理とは、いかにうまく忘れることである。」という言葉。

    たくさんインプットしても適切に忘却し、大切なことだけ、記憶するようにしないと知恵にはならない。

    深い。

  • 再読すべき本。帯にも書いてあるが、現代にも通用する箇所が多くある。
    本書を読んでいると、その表現量と語彙、考えの深さを垣間見ることができ、著者の思考量に圧倒される。
    都度必要な箇所を読んで、自分なりにグライダー人間として振る舞うためにも、思考を深めていく必要がある。
    本書の内容を真似るのも一つであるが、内容をヒントとして、自分の行動に変換していく作業が必要な本。超良書。

  • 書店の入り口にたしか積んであって、なんとなく買ってきて半年かそれ以上本棚に積んでいた本。とりあえず読んでみたけど、期待以上ではなく、熱心に読む本ではなかった。
    本が私に合わなかったということが言いたいのではなく、ビジネス書とかSNSやネット上でこれに類似した意見やノウハウは簡単に手が届く(というか、意識しなくても入ってくる)から新鮮味がなかっただけなのかもなぁという印象。
    帯に書いてある通り、「もっと早く出会っていれば」損はなかったかもしれない。

    著者の思考プロセスをテーマにたエッセイ本で、「こういう方法もあるんだ」くらいに持ち帰れば満足かな。読んだことがないけど、ずっと前に流行った「東大式ノート術」みたいなタイトルの本に近しいんじゃないかと思う。

    ポイントになるのは、
    1. 多方面から知識(情報)を仕入れて
    2. ノート、メモを取る
    3. 1,2を繰り返してくうちに、まとめる時期がやって来る
    という感じ。

    終盤くらいから思ったのが、
    現代とか、社会人になって仕事をしていくうちに私たちのワークスってコピペなんだろうと。
    どっかのお手本を自分に役立つように仕入れて、一部を編集しつつも大部分がコピペで仕事が完成する。このコピペのスピードがどんどん早くなやって来るってくるのが今なんだろうと。
    だとすれば、「アンテナ貼った人」と「仕入れるモノが何であるべきなのかが理解できてる人」が優勢なんだなと。

    私がこの本を読んで納得度が大きかったのはそれくらい。

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著者プロフィール

お茶の水女子大学名誉教授

「2018年 『「考える頭」のつくり方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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