思考の整理学 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
3.67
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  • (112)
本棚登録 : 20624
レビュー : 2144
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480020475

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    だいぶ昔から気になっていた本だが、最近ようやく読みました。
    要点を一言で言うなら、「覚える事より考える事を重視せよ」ということでしょう。
    (「考える」という行為の材料として、「覚える」行為そのものが必要不可欠であるのは当たり前として。)

    確かに情報過多である現代において、「覚える事」(=頭を倉庫化してしまう事)の重要性は少し下がってきている風に思える。
    イノベーションを生み出す事、またそれが出来る人材こそが、これからも生き残っていけるのだろう。
    グラーダーとしての能力も磨きつつ、飛行機型人間として自力飛行が出来るように自分を成長させないといけないなと感じた。
    インプットとアウトプットにも近い意味があるなと思ったな。

    この本自体が発刊されて30年以上という事に、非常に驚いた。
    今でも同じような内容の本が多数出版されている事から考えると、近年の日本人にとって未だ解決されていない大きなテーマなんでしょうね。
    こわいこわい・・・・


    【内容まとめ】
    1.人間にはグライダー能力と飛行機能力がある。
    学校はグライダー人間の訓練所で、飛行機人間は作らない。
    例外はあるが、一般に学校教育を受けた期間が長ければ長いほど、自力飛行の能力は低下する。

    2.受動的に知識を得るのが前者、自分で物事を発明、発見するのが後者。
    勿論グライダー能力を全く欠いていては基本的知識すら習得できず、どんなミスにつながるか分からないリスクもあるが、やはり飛行機能力は必要なのである!

    3.教育を受けようとする側の心構えも必須
    受け手も受動的なだけではなく、積極的な学習意欲、「多くの事を学びたい」という積極性が必要不可欠。

    4.朝飯前
    いかにして朝飯前の時間を長くするか?
    どんなことでも言葉通り朝飯前に、早朝にすれば、さっさと片付く。朝の頭はそれだけ能率がいい。
    朝の仕事が自然なのではないか。朝飯前の仕事こそ本道を行くもので、夜に灯をつけてする仕事は自然に逆らっているのだ。

    5.カクテル
    「ひとつだけでは多すぎる。ひとつでは、すべてを奪ってしまう」
    自分だけの考え、独創的な考えで、自信を持つのは良いが、行き過ぎればやはり危険である。
    一つだけを信じ込むと、ほかのものが見えなくなってしまう。

    自分だけを特別視するのは思い上がりである。他にも優れたものはいくらでもある。

    6.触媒説
    新しいことを考えるのに、すべて自分の頭から絞り出せると思ってはならない。
    無から有を生ずる思考など滅多に起こるものではなく、すでに存在するものを結びつける事で新しいものが生まれる。

    7.情報の「メタ」化
    第一次情報をふまえて、より高度な抽象を行うこと。
    ニュースや新聞など第一次的な情報を元に、その同種を集めて整理し相互に関連づけることで「メタ化」された第二次思考が生まれる。

    整理、抽象化を高めることで、高度の思考となる。普遍性も大きくなる。

    8.つんどく法
    →「積み重ねて置いておく」という意味ではなく、「同じテーマの本を積み上げて片っ端から読む」という意味。
    有効なのが、あるテーマに沿ったものを「つんどく」して、片っ端から読み進めること。
    そうしたら、綺麗さっぱりと忘れずある程度は頭に残る。

    全部が全部覚えておくことなど不可能だ。
    短期的に詰め込んでレポートを作成し、そして忘れる。
    このサイクルが大切である。

    9.「知って蓄積すること」よりも「考えること」に重点を置くこと。
    人間が、真に人間らしくあるためには、機械の手の出ない、あるいは出しにくいことができるようでなくてはならない。
    創造性こそ、その最たるものである。


    【引用】
    思考の整理学


    p10
    ・学校はグライダー人間の訓練所で、飛行機人間は作らない。
    新しいことをするには、学校が一番。学ぶには、まず教えてくれる人が必要だ。
    これまで皆そう思ってきた。
    今の社会は、強い学校信仰ともいうべきものを持っている。そして学校の生徒は、先生と教科書に引っ張られて勉強する。自学自習という言葉こそあるが、独力で知識を得るのではない。
    いわばグライダーのようなもの、自力では飛び上がることはできない。


    p12
    いわゆる成績の良い学生ほど、この論文に手こずる。言われた通りのことをするのは得意だが、自分で考えてテーマを持てと言われるのは苦手である。
    例外はあるが、一般に学校教育を受けた期間が長ければ長いほど、自力飛行の能力は低下する。


    p13
    ・人間にはグライダー能力と飛行機能力がある。
    受動的に知識を得るのが前者、自分で物事を発明、発見するのが後者。
    勿論グライダー能力を全く欠いていては基本的知識すら習得できず、どんなミスにつながるか分からないリスクもあるが、やはり飛行機能力は必要なのである!


    p17
    教育はグライダー教育ではいけない。
    そして、教育を受けようとする側の心構えも必須である。なんとしても学問をしたいという積極性がなくては話にならない。

    昔の塾や道場はどうしたか?
    入門しても、すぐに教えるような事はしない。むしろ、教えるのを拒む。薪割りや水汲みなど、雑用をさせる。
    なぜ教えてくれないのか?と、当然不満を抱く。そしてこれが、実は学習意欲を高める役をするのである。
    教える際も一気に教えず、焦らして、学習意欲を高めて、少しずつ教える。
    陰湿のように見えるが、親切すぎないところに逆説的に相手の学習意欲を高める効果があり、ひいては飛行機能力を高める事につながる。


    p24
    ・朝飯前
    どんなことでも言葉通り朝飯前に、早朝にすれば、さっさと片付く。朝の頭はそれだけ能率がいい。
    朝の仕事が自然なのではないか。朝飯前の仕事こそ本道を行くもので、夜に灯をつけてする仕事は自然に逆らっているのだ。

    極端な話、朝食を抜けばいい。
    腹がふくれたら、どんなことをしても動くものではない。
    いかにして朝飯前の時間を長くするか?


    p42
    ・カクテル
    「ひとつだけでは多すぎる。ひとつでは、すべてを奪ってしまう」
    自分だけの考え、独創的な考えで、自信を持つのは良いが、行き過ぎればやはり危険である。
    一つだけを信じ込むと、ほかのものが見えなくなってしまう。

    自分だけを特別視するのは思い上がりである。他にも優れたものはいくらでもある。

    同じ問題について、AからDまでの説があるとする。自分が新しくX説を得たとして、これだけを尊しとして、他のすべてを削っては蛮勇に落しやすい。が、Xに最も近いB説だけを肯定しても、ただの我田引水である。
    AからDまでとXをすべて認めて、調和折衷させる事が重要である。


    p56
    ・触媒説
    新しいことを考えるのに、すべて自分の頭から絞り出せると思ってはならない。
    無から有を生ずる思考など滅多に起こるものではなく、すでに存在するものを結びつける事で新しいものが生まれる。


    p65
    ・アナロジー
    うまい説明や表現がないとき、「たとえて言えば、○○のようなものだ」といった形で、我々はたえずアナロジーの方法を用いる。

    「あの人の行動はまるでマッチポンプ」
    一方では火を付けて煽りながら、同時に他方では自分でそれを消火しようとすること。


    p74
    ・情報の「メタ」化
    第一次情報をふまえて、より高度な抽象を行うこと。
    ニュースや新聞など第一次的な情報を元に、その同種を集めて整理し相互に関連づけることで「メタ化」された第二次思考が生まれる。

    整理、抽象化を高めることで、高度の思考となる。普遍性も大きくなる。


    p91
    ・つんどく法
    →「積み重ねて置いておく」という意味ではなく、「同じテーマの本を積み上げて片っ端から読む」という意味。

    カードにしろノートにしろ、いちいち手書きにしなくてはならなく、時間も手間もかかる。
    また、せっかく書き留めたものも、全部が全部あとで使えるわけでもない。
    後々役に立つこともあるが、それは偶然に支配される。
    また、「記録した」という安心感が、忘却を促進するらしい。

    その際に有効なのが、あるテーマに沿ったものを「つんどく」して、片っ端から読み進めること。
    そうしたら、綺麗さっぱりと忘れずある程度は頭に残る。

    そもそも、字を書いているとそちらに気を取られて、内容理解がお留守になりやすい。
    もっぱら耳を傾けていた方が、話は頭に入るものである。
    また、「関心」がものを言う。興味があることはそんなに簡単に忘れない。

    かといって、全部が全部覚えておくことなど不可能だ。
    短期的に詰め込んでレポートを作成し、そして忘れる。
    このサイクルが大切である。


    p112
    ・整理
    PCなど他デバイスの出現により、人間の頭脳は「倉庫」としての役割だけでなく、知的生産をする「工場」という役割が必要になってきた。
    その際、やたらと物が入っていては作業効率低下につながるため、余計なものは処分してスペース確保をする必要が生じる。

    工場内の整理に当たるのが、「忘却」である。
    工場としての作業効率を良くするためには、忘却が必要不可欠になってくる。
    (勿論ある程度の知的材料は必要だが)頭を倉庫のようにして喜んでいてはいけない!


    p204
    ・拡散と収斂(しゅうれん)
    我々には二つの相反する能力が備わっている。
    ひとつは、与えられた情報などを改変し、そこから脱出しようという拡散的作用。
    もうひとつは、バラバラになっているものを関係づけ、まとまりに整理しようとする収斂的作用である。


    p212
    産業革命によって工場の主役は人間から機械に移り、機械に仕事を奪われた人間は、機械には手の出ない事務所の中に主要な働き場所を見つけ、サラリーマンが生まれた。
    だが、コンピューターの登場で、この聖域もまたあえなく潰れようとしている。
    「機械的」人間は早晩コンピューターに席を明け渡すという社会的な自然淘汰の法則を受けないではいられない。

    これまでの学校教育は、記憶と再生を中心とした知的訓練を行なってきた。コンピューターがなかったから、コンピューター的人間が社会でも有用だった。
    しかしコンピューターの普及が始まるこの現代において、この教育観は根本から検討し直す必要がある。

    「知って蓄積すること」よりも「考えること」に重点を置くこと。
    人間が、真に人間らしくあるためには、機械の手の出ない、あるいは出しにくいことができるようでなくてはならない。
    創造性こそ、その最たるものである。

  • 読後最初の感想は、「大学時代に読んでおきたかった」でした。
    本書が文庫になったのは1986年、私の生まれた年です。
    しかし、この思考の整理法はインターネットで情報あふれる現代であるからこそ、色あせず多くの人に読まれているのでしょう。

    大切なのはインプットした知識を寝かせることと、いかにうまく忘れるかということ。
    自分の価値観をしっかり持って、必要ないことは忘れて、必要なことは整理して熟成させる。
    以前読んだ『天才科学者のひらめき36』(リチャード・ゴーガン/著、創元社)に、科学者の発明には「準備」と「チャンス」と「欲求」が必要と書いてありました。
    本書には、その「準備」の土壌を作るヒントがつまっています。

    情報のつめこみすぎは非効率だし、ブックマークして自分のものになったと思っていてはダメだなぁ…と反省。
    また、専門分野にとらわれず、他分野と接触することの大切さを改めて感じました。

  • 仕事術の教本といえるが、著者の語彙力・表現力がすばらしく含蓄があり、噛み締めながら読み進めるべき本。

    この本をよむべきだと思う人は、例えば
    「一つの仕事やテーマに没頭してしまっている人」
    「何かに没頭するあまり生活スタイルが定まらない人」「『考える』ことを人一倍必要とされるのに、『考える』ことを自己流に何となくやっている人」

    上記に当てはまると思った方は、今背負っている課題は一旦隅に追いやって、ゆったりした気持ちで本書を読むと良いと思う。

    革新的な成果は、それ自体とは無関係に思える他分野の仕事やアイデアとの融合となることが多い。
    如何にして広い視野を保ち、機会を逸せずに捕らえられるか。そのためにどのような事を日々積み重ねるべきか、そのヒントを、本書は提示してくれる。

  • 帯にも書いてあった。
    もっと若いときに読んでいれば、そう思わずにはいられませんでした。
    書名の通り、思考を整理させるためには、とても良い本である。思考そのものにも参考となるが、整理、ひらめきのアイデアもある。多くのアイデアに関する本と似ている記載は、アイデア⇒すぐ消える、アイデア⇒ねかせるなど。朝飯前、三上、寝かせる、忘却。
    既知と未知の開設は、難しいが、良く分かるように書いてある。また、これの理解は、読書の醍醐味かもしれない。
    著者の情報、アイデア整理法は、ノートを使う。ノートの使い方は面白い、メタ化という。

  • 「東大・京大で1番読まれた本」という煽りに『思考の整理学』なんて難しそうなタイトル。
    しかし、読んでみるとページをめくる手が止まらない。

    特に印象に残ったのが、"見つめるナベは煮えない"
    アイデアを一生懸命に膨らまそうとするのではなく、少しの間寝かせておく、月日が流れて思い出してアイデアを見つめ直す。当時とは違う自分がアイデアを新しい方向へ膨らませていく。これをビールで例えて行くから読んでいて面白いし分かりやすい。

    個性の発揮には何も新たに作り出す必要はない。何かと何かをくっつけるだけでも個性が現れる。この話が個人的には1番衝撃だった。なぜ気づかなかったのか分からないくらい当たり前の話なのに。

    1986年に出た本書がこれまでに売れ、盛大な煽りがされたのもうなづけるものだった。

  • 面白かった!
    ベストセラー!という肩書きだけで手に取ったけど、つらつらと体験や考えが書いてあり、個人的にはエッセイを読む感覚で読めました。「わかるわ〜」って思いながら。
    自分の言いたいことが上手くまとまらず、伝わらず、どうしたらいいのかと思っていた時だったので、何かヒントを得た感じがしました。

  • 受動的に知識を得る姿勢。(グラインダーではなく飛行機)
    頭の中は倉庫ではなく工場。整理整頓が第一。不要な事は忘れる。
    とにかく書いてみて推敲。(不要な事を忘れる作用もあると思う)
    思考の基本を教えてもらったと思います。

  • SNSで、ときたま「物事はこれこれこういう風に考えよう」というライフハック的な発言が、おおいに拡散されバズることがある。そういう類の発想は、発言者が思い至るより前に、おおよそ全て本書に記されていると言ってよかろう。初出が1983年なのだから驚きだ。ネットで阿呆なことを書いて炎上した経験のある人は、本書を読んで参考にした方がよい。

  • グライダーは遠目からは飛行機よりも優雅に飛んでいるように見えるが、自力では飛べない。日本の教育はグライダー人間を作り続けている。

    という冒頭の問題提起が痛いほど響いた。

    本の主旨としては学生の論文執筆を念頭に書かれているが、日々の「考えること」に応用できることが多い。

    一番印象的だったのは、「思考の整理とは、いかにうまく忘れることである。」という言葉。

    たくさんインプットしても適切に忘却し、大切なことだけ、記憶するようにしないと知恵にはならない。

    深い。

  • 再読すべき本。帯にも書いてあるが、現代にも通用する箇所が多くある。
    本書を読んでいると、その表現量と語彙、考えの深さを垣間見ることができ、著者の思考量に圧倒される。
    都度必要な箇所を読んで、自分なりにグライダー人間として振る舞うためにも、思考を深めていく必要がある。
    本書の内容を真似るのも一つであるが、内容をヒントとして、自分の行動に変換していく作業が必要な本。超良書。

  • 思考に関する様々なトピックが
    さらさら書かれている。
    ごちゃごちゃ言わず、
    頭の中がクリアになるような語り口。
    興味深く読めた。

    飛行機を目指し創造的思考を養って
    人間らしく生きていこうと思う。

  • ふらりと立ち寄った書店で手に取ると 「東大生が一番読んだ・・・」 「もっと前に読んでおけば・・・」との帯つき。早速図書館で検索すると、随分昔に書かれた本であることがわかり、(予約待ちもほとんどなく)読んでみた。最初のグライダー訓練所というのも、すごいインパクトだった。外山先生ご自身のやり方を紹介していた箇所などは、 うんうんとうなづけるところ、 私は違うなと思うところがあったけれど、着眼点が面白く、最後加筆された部分まで含めて、興味深く読み進められた。今回は借りてすましちゃったけど、他にもあるらしい整理学。一度読みとおして、いくつか再読のために手元におきたいなぁと思った。

  • 衝撃。雷に撃たれる、とあう表現が一番近い。
    初めて考えた、自分がグライダーか飛行機か。
    まさしく、グライダー。
    学生の時も社会人になってからも。
    それに違和感を感じていた頃に、目に入ったのがこの本。
    私が子供の頃に発行されたのに、未だ本屋に平積みされているのに、驚くが読めば納得である。

    気がつくのが、遅かったかも知れないが、私は飛行機になりたいと読み終わった時に強く思った。

  • 久しぶりに良書、この時代でも色褪せない、考えることの大切さを学んだ

  • この著作が、なんでここまでロングセラーなのか?
    それはモノゴトの結果は、知識の総量に左右されるのではなく、
    吸収した知識を使って、自ら問題提起をし、思考をすることが、
    「価値」を生むということを喝破している点です。

    知識の量は、「価値」を生むための、
    単なる道具に過ぎません。

    そして、その「価値あるもの」を適切な形で編集して、
    アウトプットすることが、最も大切だと語っています。

    つまり

    結果の8割(ほとんど)は、
    知識<思考量+アウトプット量に起因するということです。

    「そんなの当たり前だよ、知識なんて、たくさんあっても、役に立たないよ!」と、
    「知っている」かもしれませんが、実践している人は、少ないと思います。
     多くの人は、未だに、「知る」ことばかりして、
    「考えること」を拒否しています。

    国、社会、企業、組織、個人に関わらず、
    今の世の中、問題だらけです。
    特に日本は、バブル崩壊から今に至るまで、
    経済的には、何もうまくいっていません。
    また、多くの社会問題が噴出しています。

    GDPはこの20年あまり変わっていませんし、
    個人の労働生産性も、
    先進国最下位です。

    家計所得は、この20年で、20%以上減少し、
    労働形態も正規、非正規と、
    まるで、日本社会は、階級社会になっているかのようです。

    すでに日本は、人口減少社会へ突入しています。
    これから生産年齢人口に入る人と、
    高齢者になる人の人数は、
    毎年80万人に上っています。
    もちろん、この数字は、労働者が減っていることを意味しています。

    この80万人という規模は、愛知県の人口に匹敵しています。
    この「現象」がこれから、半世紀以上、日本で続きます。

    社会保障負担費は毎年増え、
    年金額の切り下げや消費税の増税など、
    毎年のように議論になっています。

    これらの問題は、根本的には、解決できません。
    仮説を立てて、解決にいたる着地点が、
    どこかを、行動をともなって見つけないといけません。

    しかし、実際は、議論さえまともにしていない状況です。
    なぜなら、「こういった問題」は、誰も考えたくないからです。
    実は「考えたくない問題」を考えるのが、一番のアウトプットを生む方法です。

    不幸が生まれる問題を解決しようとするのではなく、
    どうしもない問題に、感心がいっています。
    まさに、著者が言う「思考の整理」とは、
    程遠いことを行っています。

    日本全体は、この先かなりの確率で、崩壊へと向かいますが、
    これは、比喩的な表現ですが、以前、当たり前だったことが、
    当たり前じゃなくなることを意味しています。

    これから、より社会は、豊かになる人と貧しい人の、
    極端な格差社会になると思います。その格差を生むのが、
    知的アウトプットを産出できるか、できないかの違いだと思います。
    どこに勤めていようが、それは、個人の安定と関係なくなっています。
    個人が、社会、企業、組織に対して、必然的に何ができるかを、
    厳しく問われる社会において、
    改めて、この著作は有益な視点を与えてくれます。

  • <学びのエッセンス>
    ・自分から学びに行く姿勢・好奇心から探究心へ。
    ・夜型から朝型へ。
    ・食前に仕事に集中し、食後は休憩をとる
    ・多面的に見つつ、自分の独創を太い幹として育てる(時には寝かせることも重要)
    ・持っている知識を組み合わせ、どう並べていくか
    ・大事なことのみを書く もしくは あえて書かない
    ・声にだす・ノートに書く・人に話を聞いてもらうことで思考の整理を

  • 昔読んだ物の読み直しです。

    気に入った所の列挙だけ。
    グライダー。朝飯前。発酵。寝させる。カクテル。エディターシップ。スクラップ。整理。すてる。とにかく書いてみる。ホメテヤラネバ。しゃべる。ことわざの世界。既知・未知。コンピュータ。

  • 大学一年の時に読んで衝撃を受けました。確か著者も英文科卒というのもあるかもしれませんが、それからこの本で得た知識は論文、卒論の構成を考えるのに非常に役に立ちました。今でも仕事の現場にもアイディアを上手くまとめるのに活きていると思います。もし自分に子供がいて、大学が決まったら、必ずオススメしたいと思います。

  • 1980年代に、将来コンピュータに多くの仕事が取って代わられることを書いていて、すごい。
    幾冊かアイデアの出し方、考え方のまとめ方とかのビジネス書を読んだが、
    結局30年前のこの本に書いていることと同じ。

  • 高校3年生位から何度か読み返しているお気に入りの一冊です。頭の柔らかい若い人に是非読んでほしいです。
    日々の生活が楽しくなる、様々な気づきを得られる本。
    読んでいるだけで頭が冴えてくるような気持ちの良い文章なのは、書かれている内容により一層説得力を与えています。
    方法論も具体的に書かれているから、今時に言うとライフハックが沢山詰まった一冊ともいえるのだけど、でも不思議と具体的でありつつ抽象的。それはこの作品自体、作者の言うところのメタノートの産物だからなのかな、と思います。

  • 長い間積読になっていた本。飛行機型人間とグライダー型人間で、他にやることあったのについ読んでしまった。メモをとる習慣はあるのだけれど、いまいち効果を見いだせてなかったのは、その整理をしていなかったから。
    2016.6.26

  • 過去の経験と照らし合わせながら読むと、「なるほど」と思う点がいくつかあり、読んでいて気持ち良いです。
    何度も繰り返し読みたい本です。
    特に悩みがないときにこそ読んでおいて悩みができたときにこの本のことを思い出せるようにしておきたいと思いました。

  •  知識の蓄積は多い方がよいが、それだけでは人間はコンピュータに勝てない。知識を蓄えたうえで情報を整理し、そこに独創性や創造性を加えることで人間らしさがでると著者はいう。
     思考整理ための具体的なノートの取り方、カードの作り方も書かれていて、すっかり感化され、久々にメモを取りながら読んだ。読んだものはこうやって自分の中で体系化していけばよいのか!と、学生時代を思い出し、非常に充実した気分。

  • すごすぎて、一気読み。
    今更感があるけれど、すいません……。

    思考をすっかり寝かすということ。
    忘れることを意識しておくこと。
    考えたことは、書く&読むこと。

    うーん。シンプルに挙げると、そうじゃない感。
    とにかく、考えるというのは、こういうことでしょう!という述べ方がストーンと落ちるのです。

    そして、教えられた知識をどう生かすかという姿勢を何度も何度も投げかける。
    今言われるアクティブラーニングは、きっと、ここが中心になっているのだと思う。

    考えること、整理すること、表現すること。
    私たちがこれから担っていかなくてはならない役割について。
    モヤモヤとしているところに光を差してもらった気分。とにかく、どこも面白かった一冊。

  • これは絶対に読んで損のない一冊。私の力になりました!

  • 『乱読のセレンディピティ』を読んだ時は、正直「なんだコリャ?」と思っていたのですが、外山先生の本ならば、こちらの『思考の整理学』を是非読んで欲しいと何人もの方がレビューで書かれていたので、素直にこちらを読んでみました次第。

    うん☆腑に落ちるとはこう言う事!

    という本ですね。ベッドルームでダラダラ読むのに丁度良いです!モヤモヤにスパっと言語がハマる気持ち良さ《思考の整理?》を体感したい方は是非。

    カバー挿画が安野光雅さんである。
    洒落たエッセイだ。☆4から☆5に格上げ。

  • 外山滋比古のベストセラー書。
    学生時代に、もっと若い時期に出会いたかったと悔やまれてならない逸書。

    学校教育で大量生産される、自力で飛ぶことができない「グライダー型」人間と、教育からははみ出るが独創的な、しかしやや基本をおそろかにしがちな「飛行機型」人間。人格の陶冶にはこの両タイプを兼ね合わせた教育が必要である。そのための心がけを説く。

    ノート術だのカード術だのでの情報整理法は今となってはやや古いのだろう。

    読んだり、聞いたりの知識的な「第二次現実」ではなく、働いたり、感じたうえでの知恵としての「第一次現実」を大切にしなさい、というのはそのとおり。行動を思考になじませた「第一次現実」が飛行機型人間を生む。

    インターネットが発達するとリアルとの区別がうんたらかんたらって言われるけど、ネットがなくても本ばかり読んでも現実性がうんたらかんたらって文句言われていた人はいたんだろうな。

  • 東大の生協で売れている本ということで購入したものの、しばらく”積読”状態になっていた。が、いざ読み始めると、すごく面白い!各章のタイトルもいい!まるでエッセイのようにスラスラと読み進めることができた。平易な文章でわかりやすく、事例が豊富で、そして最後には「なるほど〜」と納得できる構成になっている。
    特にこの中に書かれている”つんどく法”は参考になった。頭の中に文字を”積んで”、”読む”勉強法。是非、実行してみようと思う。
    『思考』が『整理』できる本。まさに、この本のタイトルにぴったりの内容だ。

  • 理路整然とした文章の中にも著者の熱意が感じられ、読後は思いの外爽やかな余韻が残った。書くことで頭の中を整理して、どうでもいいことはさっぱりと忘れることができたら、人生はもう少し軽快に目的地まで邁進できるものなんじゃないかとも思う。本書の執筆当時にはなかったブログというスペースとその機能は、著者の提案するノート作り同様、使い方によっては普段から思考を整理するツールとしてまさにうってつけなものに思えた。朝採りの思考も言われてみれば確かに核心を突いていたことが多かったような。


    「何か考えたら書いてみる。その過程において考えたことが It seems to me から、すこしずつI think へ向かっていく。われわれはだれでも、こういう意味でのエッセイストになることができる。思考の整理学はめいめいがこういうエッセイストになることで成果をあげるはずである」

  •  本書は外山滋比古が大学生に差し向けたリトマス試験誌。研究できる人間もできない人間も最終的に神になれる神みたいな本だと思う、というか神ですもはや。研究できない人間が読むと「勉強」的読書に陥る可能性MAXだけど、人間的限界を受容するためのヒントは詰まっている。研究できる人間が読むと即座に約一年かけて神になれる。こればっかりは人間向けのレビュー書けないわ。神になりたいすべての人間はこれ読んで神になろう、以上!

    (蛇足)本書では思考の整理には「忘れる」「捨てる」ことが欠かせないと繰返し主張される。たしかに、レビューを書くときは最終的な分量の2~3倍の文章を書いてから冗長な表現を削ぎ落として文章構造を整理している。その結果が上記のレビューである、許せ。

著者プロフィール

お茶の水女子大学名誉教授

「2019年 『やわらかく、考える。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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