本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480020901
みんなの感想まとめ
テーマは、タクシードライバーとしての経験を通じて描かれる過酷な業界の実情と、そこに潜む人間ドラマです。著者の筆致はドライでありながらも、冷静な観察眼と人間の無力さを深く掘り下げることで、読者に強い印象...
感想・レビュー・書評
-
タクシードライバーの悲哀
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
8月5日は「タクシーの日」であります。日本で最初に運賃メーターを装着したタクシーが登場したのが、大正元年のこの日ださうです。案外古い話ですな。
で、かういふ書籍を取り出してみたのですが、既に3日が経過してゐました。わたくしもやることが一一にすいので、自分でも厭になりますな。
梁石日氏といへば、『夜を賭けて』『血と骨』といつた作品で名の知られた作家でありますが、デビュウ前にタクシー運転手を十年間も勤めたのださうです。
事業に失敗した著者は負債を抱へ、家族を残し単身東京へ出るのですが、再起のきつかけを掴めません。あまつさへ三日間水だけの生活が続いた時に、偶然目にしたタクシー乗務員の募集広告に応募したといふことです。
募集の問合せの電話代や履歴書を買ふお金すらなく、着てゐたオーヴァーを強引に質に入れて金を作つたといふ有様でした。中中壮絶な話であります。
都内の中小タクシー会社の運転手になつた著者。給与体系や労働環境など、業界の内幕を教へてくれます。長時間勤務、不安定な収入、横暴かつ傍若無人な客のあしらひ、交通事故の恐怖...30年ほども前の話ですが、現在でも劇的に改善されたといふ話は聞きません。
昨今「ブラック会社」なる存在が盛んに喧伝されますが、タクシー会社といふのは業界丸ごと問題の「ブラック業界」とも申せませう。
ただ、一説には現役ドライバーは同業者が増えるのを嫌ふので、必要以上にタクシードライバーのマイナス点をアピールしてゐるとも。まあ会社の規模の大小や、勤務地が大都市であるか地方都市なのかで待遇や勤務形態は違ふやうですがね。
...ううむ。せつかくの「タクシーの日」に因んだ本でしたが、何かと後向きになつてしまふ本書は相応しくなかつたかも知れません。少なくとも本書を読んで「よし、俺も一丁タクシー乗務員に転身したる!」と叫ぶ人は少ないだらうなあ。
タクシーは社会そのもの。矛盾だらけの現代社会のしわ寄せを受けてゐるのがこの業界なのでせうか。
しかし読み物としてはすこぶる面白い。入手の機会があれば一読をお勧めするものであります。
http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-189.html -
唸らされる。もっと情念でどろどろした「臭み」さえともなう筆致が炸裂するのかと勝手に思っていたのだけど、いざ読んでみると(けっこう洒落にならない「裏事情」も暴露されているとはいえ)著者の筆致はドライに徹しており、いかなる同情をも寄せ付けないクールさとその奥にかすかに残るホットさがいい塩梅で共存していると思う。事態を冷静に見つめる知性と、その事態の中で翻弄されざるをえない無力な主体が持つ観察眼のバランスの良さともリンクするその筆致。その見事さに舌を巻き、この著者の書くものをもっと読み込んでいきたいと思わされた
-
文字通り、梁石日が自身のタクシードライバーの経験を綴った一冊。
30年前のタクシー業界や世相がよく分かった。 -
タクシー業務がこれほど過酷で、低賃金。長時間労働の割に、社会的評価が低いとは。
-
やっぱこの人の文体好きだ~。けどタクシー狂躁曲のほうがおもしろかったかな。
-
事業に失敗し多額の借金を抱えた作者がホームレス生活からタクシードライバーとなり、東京を50万キロ走る中で生きた日々とはどんなものだったのか。
一言でいうならほんと壮絶。 -
タクシードライバーの過酷さや危険さを書いている本で興味深かった。
-
読み助2008年10月7日(火)を参照のこと。
http://yomisuke.tea-nifty.com/yomisuke/2008/10/ -
うーん
ドロドロ -
以前、父親が無職なったとき、「タクシー運転手でもやれよ!」と言った自分は浅はかだったと思った
-
タクシー乗務員という職業がいかに過酷な商売なのかを著者の経験を通じて書いている日誌的本。
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
梁石日の作品
本棚登録 :
感想 :
