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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480021595
みんなの感想まとめ
波乱万丈な人生を歩んできた著者の自伝は、漫画界の革新をもたらした「ガロ」の編集長としての軌跡を描いています。若き日の夢を追い、満州での鉱山勤務や戦後の闇市商売を経て、結核との闘いを経て生まれた「ガロ」...
感想・レビュー・書評
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長井勝一(1921-1996)の自伝。博打うち、あるいは山師のような半生がおもしろい。
飄々としたイメージがあるが、そこに至るまでの道程。若い頃、本物の「山師」にあこがれ、満州に渡って鉱山に勤めるのだから、あとは推して知るべしか。
戦後、赤本漫画の出版で一儲け。しかし結核を発症。死の淵まで行きかけ、4年間の療養生活。1956年、日本漫画社を立ち上げ、貸本の漫画本で山を当てる。順風満帆だったが、突如廃業してバー経営に乗り出し、大失敗。再度貸本漫画の出版に賭けるべく、三洋社を立ち上げる。これもうまくゆくが、またもや結核。その後62年に青林堂を設立、64年に白土三平と月刊漫画誌『ガロ』を創刊。
漫画の流行はめまぐるしい。波に乗れた時には、飛ぶように売れる。しかし、波はすぐに去る。返品の山また山。まるでジェットコースターのようだ。しかし、博打うちにはこれがたまらない。
三洋社時代、持てるだけの札束を持って、見込みのありそうな漫画家のところに乗り込んでゆき、書いてもらえそうだと、即金で前払いしたというのが印象的。(青林堂の経営難の頃に、漫画家にノーギャラで描いてもらったのとは対照的だ。)
そのような試練を経るうちに、長井の漫画家(の卵)を見守る目が温かくなってゆくのが感じられる。
各章の扉には、水木しげる、赤瀬川原平、高信太郎、鈴木翁二、林静一、渡辺和博描くところの長井。表紙は南伸坊の長井。それぞれが味わい深い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
伝説の月刊漫画誌「ガロ」の編集長を務めた長井勝一さんの自伝である。満州での山師や戦後の闇市商売など驚きの体験を経て、貸本マンガ誌の発行に至る。そして、結核で死にかけたことから、自分の人生で何かを残したいという思いから、ついに「ガロ」の創刊に至る。その情熱に応えて、白土三平や水木しげる、滝田ゆう、真崎守、村野守美などのベテランの代表作を掲載し、林静一や佐々木マキ、安部慎一、鈴木翁二、古川益三、ひさうちみちお、鴨沢裕至、安西水丸などの個性あふれる新人を発掘した。私も愛読していた雑誌だけに、その舞台裏の苦労がしのばれた。
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どんな文化も
一番初めは
たった一人から産まれ出る
深山の泉の一滴が
こぼれて
川の源流になって
その泉が流れ出て
ちいさなせせらぎから
小川になり
だんだんと大きな流れに
なっていく
長井勝一さんが
編みだした
「ガロ」は
マンガ史という大河
の大きな源流の一つなのだ
白土三平さんを
始めとする
戦後の漫画家さんたちが
綺羅星の如く
登場してくるのも
また 興味深い -
ガロ創刊者の自伝。編集日誌みたいなものを想像していたら、戦前・戦中・戦後にかける長井勝一の人生が書かれていて、とても読み応えがあった。特に、戦後の混乱に乗じて商売の世界でのしあがっていく様がたくましい。クレイジー。偉大すぎる!
他にも語りたいところは色々ある。白土三平のイカれっぷり(カエルの話はヤバイでしょ笑) 長井さんが白土さんの才能に惚れ込んでる所、ガロというメディアがどのように生まれて、いかに特殊か。結核の怖さ。治療方法。戦後のデタラメ。
最後の章、ガロに載ったマンガ作品の四方山話も興味深く読んだ。こんな目で世界を見ている人がいる。その存在がポジティブな気持ちにさせてくれる。 -
『ガロ』を作った長井勝一のおはなし
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水木しげる先生の話を読みたくて手に取った。貸本時代にでたらめな版元が多い中、ガロを作ることになる長井氏はきちんと原稿料も渡し、作家たちの信頼を勝ち取っていっただろう。白土三平氏との心温まる交流など、漫画家を大事にしていたのだろう。
そんな青林堂も長井氏の死後、分裂騒動に巻き込まれ、ガロも今はもうない。古き良き時代をふと懐かしむ。 -
漫画も好きなものはたくさんありますが、1つに絞れと言われるととても難しいですね。
強いて挙げるなら、作品ではないのですが、「ガロ」という雑誌には影響を受けましたね。 つげ義春さんや、蛭子能収さん、水木しげるさんといった今も伝説的な方もいらっしゃるんですが、 基本的に非常にマイナーで、でもとても衝撃的でした。
他の漫画はただ楽しいし、面白いんですが、ガロに出ている漫画は何か「息吹」のようなものを感じたんです。 映画で言う、独立系のインディペンデントの映画を見ている感じですよね。 毎回、次はどんな人が出てくるんだろうととても楽しみでした。
あのような雑誌に出会って創作の場をもらった作家は幸せだなと思ってましたね。
映画も昔はATG(日本アート・シアター・ギルド)のように、マイナーででも良質の映画を作らせてくれるところもありましたが、 今は漫画も映画もそういうものがなくて、切磋琢磨する場所がもっとあったらいいとは思います。 -
魚喃キリコがデビューしたということで知ったコミック。売り上げの立たなくなった追い込まれ時期はギャラも出ないということで有名であったが、この漫画家たちはのびのびと描いていて、その独創性を重視して自由にさせた編集長もすばらしい。
コミックでは一番優れていた雑誌だと思っている。
もう廃盤なのが悲しい、。
なのでアックスをたまに買う、、。 -
ガロ出身作家のエピソードがつまってる。でも有名な人の話はどこでも聞ける。ここでしか読めないのは、一作だけで終わった名もないマンガ家たちのこと。創ることに足を踏み入れながらも、苦しむことだけ覚えて消えた作家たち。そんな人たちの話がひっそり書かれてる。(けー)
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