夏目漱石全集 4

  • 筑摩書房 (1988年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480021649

みんなの感想まとめ

多様な人間関係や倫理観の葛藤を描いた作品で、特に三角関係や親子関係における言葉の応酬が魅力的です。登場人物たちの間に生じる緊張感や、時代背景に根ざした軽薄さの描写が印象的で、漱石の深い人間観が垣間見え...

感想・レビュー・書評

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  • ちくま文庫 夏目漱石 全集 「虞美人草」

    解説者曰く 勧善懲悪小説の失敗作 とのことだが、「すべての会話は戦争である」の言葉通り、三角関係や親子関係における言葉の応酬は面白かった

    「時計」は、お金や人間の軽薄さを象徴する存在?人間の軽薄さを「悪」と捉えているのは、時代背景か?漱石の倫理観か?


    藤尾の死の大義は「藤尾は〜人のためにする愛の存在し得るかを考えた事もない〜道義はない」に表現されている。時代の違いや倫理観の違いを感じる


    小野は、文学や詩の象徴なのだと思う。この作品では、漱石は 文学や詩を批判的に捉えている

    「過去を棄てたのに、過去が近づいてくる」は名言


    藤尾、小夜子、糸子の順で序列がついた
    糸子は古い女として書かれている〜男性に運命を左右される女性像
    小夜子は新しい女になりたいという葛藤がある
    藤尾は自分から死を選ぶ主体性は一貫している〜良妻賢母を越えた新しい女性





    ちくま文庫 夏目漱石 全集 「坑夫」
    一人称形式の小説。「虞美人草」のように登場人物が多くなくて読みやすい


    解説者の評価は低いが、階級意識が残った明治時代の社会 や 鉱山作業における 過酷な生 を描く写生力は 凄いと思う

    「堕落の底に死んで活きている〜堕落したと自覚しながら、生きて働いている〜生きて、自分を救おうとしている〜自分も死んではならない。死ぬのは弱い」というセリフは名言

    「人形」というキーワードは気になる。「虞美人草」にも出てきた。「自分もただの人間である」という漱石の人間観か?



















  • 918.68||N58

  • 漱石も未読作品がだいぶ減ってきた。ちくま文庫版の全集をすべて読むという目標を達成するまであと1歩である。さて、本作には「虞美人草」および「坑夫」が収録されている。まず前者は、おもに三角関係について描いた作品であるが、このような悲劇的な結末が待っているとはつゆ知らず、衝撃を受けた。著者みずからも認めるように、甲野藤尾が「悪女」であることは言うまでもないが、このような結末をどうにかして回避する方法はなかったのかについて考えると、どうにも困ってしまう。登場人物の誰もがけっして間違った行動は取っていない気がするし、あるいは逆に、誰もが間違いだらけのような気もする。要は、微妙なバランスの上に人間関係は成立しており、ほんのちょっとのボタンのかけ違いで、自殺者が出るような事態に至ってしまうのだ。そういう人間の本質を描いた作品だと思う。いっぽう、「坑夫」についてはだいぶ「マイナー」な作品だが、それもそのはず、たいした中身らしい中身もない小説で、専門家の評価も高くない。主人公が家を飛び出したところ道中でポン引きに逢い、坑夫になる決心をして案内を受けるも、けっきょく病気が発覚して就労できずという物語で、さすがにこれをどうこう論じろと言われても困る。坑夫たちに対する主人公の罵詈雑言や、逆に主人公が坑夫たちから受けるさまざまな仕打ちは眼につくが、当時の価値観からしてそれが特別なこととは思われない。実話をもとにしているらしいので、じっさい「ネタ元」の経験上ではそのようなことがあったのであろう。それを長長と続けられても、まあそうなのであろうのひとことでおしまいである。ただ、最後のオチだけはすこし考えさせられる部分もあった。現代日本においては坑夫という職業はほとんど絶滅危惧種であるが、ほかの局面においても、このように相手の出方によって態度を変えるということがありふれてはいないだろうか。そう考えると、本作はたんに坑夫の世界を描いたわけではなく、日本社会が、そして人間が抱えているひとつの問題について、坑夫という特殊な世界を使って映し出したものであるともいえるかもしれない。

  • 坑夫、だけ読みたくて借りる。
    (きっかけは、「海辺のカフカ」)

    いろいろ言われている作品であるようだが、出会えてよかった。

  • 『虞美人草』

    『坑夫』

  • 虞美人草は、昼ドラのような展開で内容は比較的シンプルなのですが、華美な表現が読みすすめるのに、支障だった印象です。幕切れはあっけなく納得できず。
    坑夫は、主人公の心境に同調できなかった。そのため他人の旅行記を読んでいるような引いた感覚になってしまう。鉱山体験記のような印象。

  • 「虞美人草」「坑夫」収録。ソープドラマの好きな人ならきっと「虞美人草」を面白く読めるはずです。

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著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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