超芸術トマソン (ちくま文庫 あ 10-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (495ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480021892

感想・レビュー・書評

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  • 登り降りするだけの”純粋階段”
    なぜこんなトコロにドアが?!”高所ドア”
    通れない”無用門”
    製作者の意図しないところで芸術作品となってしまった
    無用の長物たち…路上観察って面白い!

  • いまのアークタワーの土地にあった天徳湯にまつわる話や写真が衝撃。人生の後半を巻き込まれた風呂屋のご主人、ゼネコンのやりかたって、どうなんでしょうと考える

  •  「新解さん」を読んで、赤瀬川原平といえばトマソンと思い出し、こんな文庫本が出ていたのにたどりついた。超芸術トマソンとは懐かしい。一時期はやったね、この意味不明の無用物たち。鉄の世界には純粋階段ならぬ純粋架線というのがあって、いなかの非電化区間のある駅の構内のはずれにそこだけ架線が張られているというもの。架線訓練用というオチなのだが、そんなのを思い出した。
     話がそれた。写真主体なのでざら紙の文庫本ではさすがに厳しい。もっときちんとした写真で見たいとは思うけれどしようがない。ただこの本の魅力はそれぞれの物件もさることながら、著者の語り口に負うところが大きい。とにかく文章におかしみがある。うまいなあ。さすが作家というべきか。文章だけ読んでも十分楽しめる。
     とはいうものの物件写真が主役であるのはもちろん確か。なんといっても表紙カバー写真。このとぼけた男が何しているのかは、103頁以降を読んでもらうしかないが、想像するだにおそろしい。背筋が凍るとはまさにこれをいうのだ。ぼくは読んでいて体中の毛が逆立つのを感じた。こんな怖ろしい写真は世界に2枚とないだろう。これぞ超芸術。さすがの軽妙洒脱な赤瀬川センセイがビビりまくっているし(笑)。

  • 赤瀬川ワールドが炸裂してます。手元に置いて、ページをパラパラさせるだけで心地よいトリップ感が味わえます。

  • この本が出た当時に友人のアパートで初めて読んで、トマソンのコンセプトに激しく共鳴しました。最近ではブラタモリがこの街モノのヒットですね。

  • 無用門、純粋階段、の震源地はここ。

    観ることに対してどれだけ自前の感性が使えるか?
    感じたら、他の人に、それをちゃんと手渡せますか?

    芸術に血道をあげるなんてほんとにばかばかしく、
    だから愛しく、尊い。

  • (欲しい!)/文庫

  • 面白く読んだ。久しぶりに考現学、路上観察学に触れた。豊富な写真、図版が親切。

  • 自分で考えてモノを見る事の大切さと面白さを教えてくれた本。トマソンは昭和と平成の間の建築物のうねりのような気がした。

  • 日頃歩きまわってて、
    「これ、どうしてこうなってんだろう?」
    っていう構造物に出会ったことないですか?

    階段の先に入口がない、ビルの高いところにドアがあるのに、足場が一切無い、庇はあるのに窓がない……
    そんな「使わないのに大事に残されているもの」などなどを紹介した本。

    この本を読んでから私もいろんなものを見つけましたよ。
    (幅30cm以下のシャッターとか)
    ただ街を歩くのもとても楽しくなります。

  • 【出会い】
    路上観察のバイブル

    【概要】
    トマソン興隆期の観察録。
    雑誌読者から投稿紹介とトマソン類型・考察。

    【感想】
    実に様々な、不可思議な物件があるものだと思う。
    単行本版あとがきの日付が自分の誕生日の翌日なので、本書とほぼ同じタイミングで生まれたということになる。
    最近興味を持つようになったのだけれど、それだけ時間が経ってることに驚くと同時に、本書掲載の物件の歴史性も感じる。
    森ビル開発前の麻布周辺や、木製電柱なんて、今から見ると新鮮なものだ。

  • 「世界は面白いもので満ち溢れている、自分の眼鏡次第では。」ということを教えてくれた本。

  • トマソニアンのバイブル。この本無くして、トマソンは語れない。

  • 現代社会にもふと気付いたらトマソンは潜んでいるのでしょうか。。
    その観察眼も勿論ですが、私は氏のネーミングセンスに頁をめくる度感嘆の思いでした。あと写真が面白い。

  • これが路上観察の元祖であるらしい。
    物件そのものの可笑しさもさることながら、赤瀬川氏や発見者のコメントがもう抱腹絶倒。
    私が好きなのは純粋階段です。なんだかマリオ的アクションゲームのステージみたいで無性にわくわくする。無用ドアも付いていればなお良し。

  • 今TVや雑誌でよくある『路上観察』の源流みたいな本。個人的に、挙げられているような年代の建物が好きなのでそれだけでも楽しめる。

  • 一時期流行った「BOW」の源流か。
    完全に無用なのになぜか保存されている
    不動産のアノマリーは「超芸術」なのではないか、
    という問いを立て真面目に言述した本。

    日本各地の「トマソン」を片っ端から紹介している。

    荒川修作とも活動をともにしたと言われる著者。

    http://www.st.rim.or.jp/~tokyo/thomalink/

  • 2008.3/7-8-
     初期のトマソン。「トマソン大図鑑」も読みたい。

  • 超芸術トマソンについて学ぶ人が最初に手に取るべき本。
    俺は小学生のころに手に取り、その後の人生を踏み誤ってしまった。

  • 街に出るのが、より楽しくなr一冊!芸術の定義とは何か、という自己への問いかけ、ただ単に街をブラつくだけ、どちらにしてもこの一冊を読むと単純な生活も楽しくなりますよ。
    随分昔に読んだが、いつ読んでも楽しめる。

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著者プロフィール

赤瀬川原平(あかせがわ・げんぺい)
1937年横浜生まれ。画家。作家。路上観察学会会員。武蔵野美術学校中退。前衛芸術家、千円札事件被告、イラストレーターなどを経て、1981年『父が消えた』(尾辻(★正字)克彦の筆名で発表)で第84回芥川賞を受賞。著書に『自分の謎(★正字)』『四角形の歴史』『新解さんの謎(★謎)』『超芸術トマソン』『ゼロ発信』『老人力』『赤瀬川原平の日本美術観察隊』『名画読本〈日本画編〉どう味わうか』。また、山下裕二氏との共著に『日本美術応援団』『日本美術観光団』『京都、オトナの修学旅行』などがある。2014年逝去。

「2022年 『ふしぎなお金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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