- Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480022219
感想・レビュー・書評
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今は、結構みんな知っていることだとおもうけど昔々、といっても30年くらい前は“ふつうのおかあさん”がものを考えているってことはあまり知られていなかった。
こどもがいる、ものを考えている女性。というのはいたけど、有名なとこだとニコとか。その例もあんまりだけど他に出て来ないので。
とてもじゃないけどふつうのおかあさんとは言えない。
映画にもドラマにもまんがにも小説にも、おかあさんは出て来てたけどおかあさんわりとしゃべってることがすべてで、おかあさんにモノローグって必要なかった気がするよ。
おかあさんのモノローグ。の、まんが。
まんがの世界はとくにおかあさん、おかあさんだったとおもうんでこの時代にこれを描いたのもすごいけど。
今初めて読む若い子たちはあまり、抵抗も衝撃もなく読めるんじゃないかとおもうんだけど、自分が初めて読んだ、中学生だったか高校生だったか、の頃はなかなか読み下せないというか、衝撃的な作品だった。
自分だけがなにかをわかってる感じてる、わけではないけど少なくともおかあさんにはわからないとおもっていたから。
自分の母、だけでなく世界の、“おかあさん”としか言いようがないひとたちは、べつに“おかあさん”じゃない。自分とは別の次元でべつの世界に生きてるなにかではなくて、自分と地続きの、この世界にいる女性たちなだけなのか?という、ちょっと恐怖に近いきもち。
世界が違ってみえるような。
それでも今でも結構びっくりする子も、いるかもしれない。
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“自分の昔をなぞっているような気がする
そうして よく考えると
子供は自分と同じだと
思い込んでしまうのが
まちがいに気付く”
“何を言ってるんだ この人は
自己満足でも してなかったら
子育てなんて できやしない
遠くで頬づえついて
その場しのぎを言わないでよ” -
聡明さと行動力を兼ね備えたヒーロー像が痛快。染み入るような娘たちへ向ける愛の描写がとんでもなく素晴らしい。これが初版1988年。最初の夜の描きかたからもうえげつなくて、腰を据えて読んだ。
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素晴らしい!
「破滅」を描くのは簡単だ。破滅へと静かに向かいながらも寄り添い合う、現実はそうした微妙な均衡状態にあるだろう。
●子供達が寝ると/部屋の空気ごと/深く大きく深呼吸ー/あとは しーんと夜になる/これ全部わたしのヨル
●夫婦は/夫婦ーというのは/なんてあさましい関係だろう/「平和」が/こんなふうにころがっている!
●夫婦が/長く平和にー/という望みは/「ささやか」な望みなんかじゃなかった/こんなに激しい夢って/なかったんだ/夢からさめて どうしましょうかね わたしたち・・・ -
日々の
喜び というより 歓び
日々の
悲しさ ではなく 哀しさ
日々の
淋しさ よりも 寂しさ
やまだ紫さんの漫画から
いつも 感じてしまうことです
時々 読みかえすたびに
これが なかなか 良いのです -
4-480-02221-x 353p 1995・7・5 8刷
◯夫婦間の妻側から見た日常です 読んでいる方の
環境、時代、考えや性別などでおもしろさや共感できるか
分かれるかも
著書はなるほど鋭く見てるなあと思いました -
二人のお子様をもつ奥様のお話です。男性には書けないだろうなという、日常のちょっとしたすれ違いや、子供とのほっこりするような細かなやりとりなどが描かれています。
今は、子育てしていても、働いたり、自由な女性って多いから、この奥様に共感する人は一部の方かもしれません。ただ、専業主婦にもイロイロあるのよということを男性に理解してもらうのは、なかなかいつの時代も難しいのかもしるません。 -
専業主婦の主人公。夫と娘ふたり。ちょっと古風な感もするけど、今でもあることなのだろうか。ちょっとずつの齟齬が埋められなく広がっていくのかと思いつつ。最後の、わたし自由だったんだ、という一文が染み入る。
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私は自由なことに気付かなかった。日本の女性って私も含めてこういう人が多いと思う。枠にあてはめたり、天井が見えるからと諦めたり…自分らしく生きて行けたら良いなと改めて思った。
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2009年11月読了。