悪魔くん千年王国 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 363
レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (579ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480022370

感想・レビュー・書評

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  • 悪魔くんはいくつかバージョンがあるのですが、これは松下一郎(小学校2年生)が主人公。「千年王国」とあるとおり、天才少年の「悪魔くん」が、悪魔を召喚して争いや不正のないユートピアを建設しようとするお話。

    かなりシビアなお話で驚きました。
    主人公の理想を純粋で美しいものとして描きつつ、一方で「千年王国」に対する疑問がヤモリビト(になりすました家庭教師=一般人)によって提示されます。

    ラストはこれ以上は無いな、と思うような終わり方でした。

    描いてあることは悪魔やらなんやらファンタジックですが、ストーリー展開は現実的でした。

    面白かった。

    2010/6/28 読了

  • wikipediaによれば、

    ・1963-1964 貸本版 悪魔くん……「松下一郎」版
    ・1966-1967 少年マガジン版 悪魔くん……「山田真吾」版……テレビドラマの原作というかメディアミックス
    ・1970      少年ジャンプ版 悪魔くん復活千年王国……「松下一郎」版……貸本版のリメイク
    ・1987-1988 コミックBE! 悪魔くん世紀末対戦……「松下一郎」版……貸本版の続編
    ・1988-1990 コミックボンボン版(最新版)悪魔くん……「埋れ木真吾」版……アニメ版と並行
    ・1993-1994 ノストラダムス大予言……「山田真吾」版

    ・救世主(メシヤ)悪魔くん……「松下一郎」版
    ・戦うヒーロー悪魔くん……「山田真吾」版および「埋れ木真吾」版

    ・「松下一郎」版……理想社会樹立を目指す、社会問題を扱う作風 小学2年生。精神的異能児。見た目は変。
    ・「山田真吾」版……妖怪退治が主題。見た目はいい。
    ・「埋れ木真吾」版……小学5年生。山田版の流れを汲む。実は2代目だと最終話で判明。

    ということらしい。
    自分が子供のころに見ていたアニメは主に「埋れ木真吾」版だったんだな。
    またメシヤはシリアス、ヒーローはワクワクと考えることもできそう。
    んで今回読んだ「千年王国」は少年ジャンプ版=「松下一郎」版。
    2016年に同じちくま文庫で読んだのはおそらく少年マガジン版=「山田真吾」版。
    断然今回のほうが前のめりになった。
    いわば「ゲゲゲ」よりも「墓場」のほうがイイッというニュアンス。

    けっこう陰鬱な筋書きで、画も重く垂れこめている。(たぶん、というかほぼ確実につげ義春が描いている……。)
    大人の愚かさを、父親をはじめとするおじさんたちが代弁している。
    カメラはかなり悪魔くんを離れて、大人たちに向く。
    視点人物の佐藤が、第3使徒ヤモリビトを演じ、結局は悪魔にそそのかされて悪魔くんを売り、後悔する、イスカリオテのユダと同じ行動をとる。
    思惑と裏切りと騙し合いと。
    悪魔くん自身が革命なんだかクーデターなんだかスレスレのことをしているのだから、もう正義と悪という構図から逸れていく。
    救世主を話の中で描くとき、必ずそばにいて疑義を呈する人物がいる……聖書もそうだし、ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」や大江健三郎「燃えあがる緑の木」もそうだし。
    こりゃ相当深みのある話だ。

  • 社会風刺で ぐ

  • この悪魔君は貸本版のリライトらしい。だとしたら当時オンタイムで読んでいたと思うのだが、新鮮で面白かった。他のバージョンも手に入れたくなったなぁ。

  • エロイムエッサイム
    我は求め訴えり

    エロイムエッサイム

  • 初代悪魔くん。松下最高だ!あんなに鬼畜な小学二年生なのに、最後には「松下男前!」と叫びだしたくなる。水木先生は本当にすごいものを描いてくださった。

  • 水木しげる氏が描く悪魔くんっていう名前の漫画(乃至、主人公)は何種類かあるのだけれども、私はあえてこの千年王国に出てくる悪魔くんを一押しする!
    ここに出てくる悪魔くんは「松下一郎」。いわゆる「一代目悪魔くん」。
    彼は、一言で語り尽くせないほど色々なものを背負って生まれ、生きた。
    その生涯は短いのだけれども、ものすごく私の心に食い込む。
    12使徒が登場したり、「エマ エマ ラマ サバクタニ(神よ 神よ なぜ 私を見捨てたのですか)」というセリフがあったり、最後にはその使徒の一人に裏切られ殺されてしまったり。ものすごくキリストをなぞった描かれかたをされていて、「定本(貸し本版)」よりもまとまっているので読みやすいです。

  • ブクログ作りを勧めてきた友人がここを見て「頭良さそうでつまらん。もっとえろいのを!」と言ってきたので、とりあえず文庫棚にある本でえろそうなのを上げてみる。佐藤の松下に対する態度ってえろいよね…?

  • 5年くらい放置してあったのをようやく読み終わった。すっとぼけた感じの十二使徒と悪魔くんたちのやりとりと、思想性が不思議なバランスで同居しているのが面白い。

  • 水木作品を読むのは初めて。ところどころ冗長であったり、エピソード同士の繋がり方が荒かったりしたが、個々のエピソードは非常に面白いものが多かった。特に導入エピソードは、これから何が始まるのかとワクワクさせられた。

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著者プロフィール

水木しげる(みずき しげる)
1922年3月8日 - 2015年11月30日
大阪で生まれ、鳥取県境港市で育つ。従軍経験で左腕を失いながらも生還。終戦後より紙芝居、貸本漫画などを執筆。1964年に『ガロ』にて商業誌デビュー。2007年、『のんのんばあとオレ』によりフランス・アングレーム国際漫画祭で日本人初の最優秀作品賞を受賞。2010年、文化功労者に選出される。代表作に『ゲゲゲの鬼太郎』『河童の三平』『悪魔くん』『劇画ヒットラー』『総員玉砕せよ!』『のんのんばあとオレ』『日本妖怪大全』など。

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