悪魔くん千年王国

  • 筑摩書房 (1988年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (592ページ) / ISBN・EAN: 9784480022370

作品紹介・あらすじ

途方もない頭脳の悪魔君が、この地上に人類のユートピア「千年王国」を実現すべく、知力と魔力の限りを尽して闘う壮大な戦いの物語。 【解説: 佐々木マキ 】

みんなの感想まとめ

壮大な戦いを描いた物語は、途方もない頭脳を持つ天才少年が「千年王国」を築こうと奮闘する姿を追っています。主人公は悪魔を召喚し、争いや貧困のない理想の世界を目指しますが、その理想を追求する中で、現実の厳...

感想・レビュー・書評

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  • 100分de名著「水木しげる」を読んで、手を出す気になった。子供の頃、テレビの実写版を夏休みの再放送でチラッとを見た記憶がある。エロエロエッサイムと呪文を説いたり、笛を吹いたらメフィストの頭から煙が出て、暑いとジタバタしているのは覚えているが、全体は覚えていない。
    ウィキペディアで調べると「ハリスの旋風」が裏番組とあるから、そちらを見てたんだろうな。

    本書はそのメフィストは出てこない。貧困も争いもない千年の王国をつくるという意思に貫かれている。
    水木さんの絵は上手いんだか、下手なんだか、よく判らない。ファウスト博士や八仙人とかも登場。NHK読本にも怪奇幻想に詳しいとあったな。
    当時の売れ行きが悪く、途中で無理やり終了とのこと。しかし、描くべきものは描き切っているようにも感じる。

    最後に。表紙の悪魔くんの顔は、本文の漫画の顔と違うんじゃない。

  • 悪魔くんはいくつかバージョンがあるのですが、これは松下一郎(小学校2年生)が主人公。「千年王国」とあるとおり、天才少年の「悪魔くん」が、悪魔を召喚して争いや不正のないユートピアを建設しようとするお話。

    かなりシビアなお話で驚きました。
    主人公の理想を純粋で美しいものとして描きつつ、一方で「千年王国」に対する疑問がヤモリビト(になりすました家庭教師=一般人)によって提示されます。

    ラストはこれ以上は無いな、と思うような終わり方でした。

    描いてあることは悪魔やらなんやらファンタジックですが、ストーリー展開は現実的でした。

    面白かった。

    2010/6/28 読了

  • wikipediaによれば、

    ・1963-1964 貸本版 悪魔くん……「松下一郎」版
    ・1966-1967 少年マガジン版 悪魔くん……「山田真吾」版……テレビドラマの原作というかメディアミックス
    ・1970      少年ジャンプ版 悪魔くん復活千年王国……「松下一郎」版……貸本版のリメイク
    ・1987-1988 コミックBE! 悪魔くん世紀末対戦……「松下一郎」版……貸本版の続編
    ・1988-1990 コミックボンボン版(最新版)悪魔くん……「埋れ木真吾」版……アニメ版と並行
    ・1993-1994 ノストラダムス大予言……「山田真吾」版

    ・救世主(メシヤ)悪魔くん……「松下一郎」版
    ・戦うヒーロー悪魔くん……「山田真吾」版および「埋れ木真吾」版

    ・「松下一郎」版……理想社会樹立を目指す、社会問題を扱う作風 小学2年生。精神的異能児。見た目は変。
    ・「山田真吾」版……妖怪退治が主題。見た目はいい。
    ・「埋れ木真吾」版……小学5年生。山田版の流れを汲む。実は2代目だと最終話で判明。

    ということらしい。
    自分が子供のころに見ていたアニメは主に「埋れ木真吾」版だったんだな。
    またメシヤはシリアス、ヒーローはワクワクと考えることもできそう。
    んで今回読んだ「千年王国」は少年ジャンプ版=「松下一郎」版。
    2016年に同じちくま文庫で読んだのはおそらく少年マガジン版=「山田真吾」版。
    断然今回のほうが前のめりになった。
    いわば「ゲゲゲ」よりも「墓場」のほうがイイッというニュアンス。

    けっこう陰鬱な筋書きで、画も重く垂れこめている。(たぶん、というかほぼ確実につげ義春が描いている……。)
    大人の愚かさを、父親をはじめとするおじさんたちが代弁している。
    カメラはかなり悪魔くんを離れて、大人たちに向く。
    視点人物の佐藤が、第3使徒ヤモリビトを演じ、結局は悪魔にそそのかされて悪魔くんを売り、後悔する、イスカリオテのユダと同じ行動をとる。
    思惑と裏切りと騙し合いと。
    悪魔くん自身が革命なんだかクーデターなんだかスレスレのことをしているのだから、もう正義と悪という構図から逸れていく。
    救世主を話の中で描くとき、必ずそばにいて疑義を呈する人物がいる……聖書もそうだし、ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」や大江健三郎「燃えあがる緑の木」もそうだし。
    こりゃ相当深みのある話だ。

  • 社会風刺で ぐ

  • この悪魔君は貸本版のリライトらしい。だとしたら当時オンタイムで読んでいたと思うのだが、新鮮で面白かった。他のバージョンも手に入れたくなったなぁ。

  • エロイムエッサイム
    我は求め訴えり

    エロイムエッサイム

  • 初代悪魔くん。松下最高だ!あんなに鬼畜な小学二年生なのに、最後には「松下男前!」と叫びだしたくなる。水木先生は本当にすごいものを描いてくださった。

  • 水木しげる氏が描く悪魔くんっていう名前の漫画(乃至、主人公)は何種類かあるのだけれども、私はあえてこの千年王国に出てくる悪魔くんを一押しする!
    ここに出てくる悪魔くんは「松下一郎」。いわゆる「一代目悪魔くん」。
    彼は、一言で語り尽くせないほど色々なものを背負って生まれ、生きた。
    その生涯は短いのだけれども、ものすごく私の心に食い込む。
    12使徒が登場したり、「エマ エマ ラマ サバクタニ(神よ 神よ なぜ 私を見捨てたのですか)」というセリフがあったり、最後にはその使徒の一人に裏切られ殺されてしまったり。ものすごくキリストをなぞった描かれかたをされていて、「定本(貸し本版)」よりもまとまっているので読みやすいです。

  • ブクログ作りを勧めてきた友人がここを見て「頭良さそうでつまらん。もっとえろいのを!」と言ってきたので、とりあえず文庫棚にある本でえろそうなのを上げてみる。佐藤の松下に対する態度ってえろいよね…?

  • 佐賀大学附属図書館OPACはこちら↓
    https://opac.lib.saga-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BN0951963X

  • 貸本期から続く“旧”と、メフィストが導く“新”をまとめてレビュー。子ども向けの勧善懲悪だけではない、千年王国編に宿る社会批評とスケールに震えました。まずは新→旧(千年王国)の順で読むと、世界観のつながりと差がクリアに見えます。

    版が多く入口で迷いがちなシリーズですが、本文ではそれぞれの見どころと選び方を具体的に整理。水木しげるの“黒さ”を味わいたい方に強くおすすめです。

    もっと詳しいエピソード解説や画像つきの感想はブログでまとめています:
    https://mangadake.hatenablog.jp/entry/767

  • テレビシリーズの勧善懲悪ものではなく理想郷を作る為に革命を起こす物語
    ゲ謎をきっかけに過去の水木アニメや漫画を読みはじめた訳だが、この作品はネットでの評判の高さから以前から気にはなっていた
    今回はじめて読み進めたが、思っていたよりも革命をテーマにした重厚感は薄く昭和的な緩い感じに受け取れたのは少し拍子抜けした
    明らかに詐欺っぽい商法なのにだまされる一郎父ちゃんは経営者としてどうよ?と思いもしたがそれも時代故の緩さなのか?
    確かに物語としては面白い事は否定しないが、気高き理想を持ち革命を起こした先のほとんど末路が全体主義の社会主義国家であると思えばそのメッセージ性は若干色褪せた題材なのかも?と思ったりもする
    やはりどんなに不景気になって物価が上がっても貨幣主義から別の価値に移行するのは中々難しい事だからね
    社会情勢をよく知らなかった若い時に読んだら少し衝撃を受けたかも?
    また他の読者は悪魔くんは鬼畜だと評価してる人もチラホラいるが、ゲ謎の黒幕と比べたら大分マシに思えるからか余りそういった部分は気にならず読めた
    自分の感覚が麻痺してるのかな?

  • ちょっと難しすぎるというのもあるけど、悪魔くんが性格悪くて、ホント『悪魔』くん、て感じだった。
    で、悪魔くんなのに、ホントの悪魔は他にいるとか。
    本物の悪魔は他にいるのに、『悪魔くん』ていうあだ名は笑うしかない。

  • 水木しげるの「悪魔くん」シリーズの中での最高傑作。

  • 5年くらい放置してあったのをようやく読み終わった。すっとぼけた感じの十二使徒と悪魔くんたちのやりとりと、思想性が不思議なバランスで同居しているのが面白い。

  • 水木作品を読むのは初めて。ところどころ冗長であったり、エピソード同士の繋がり方が荒かったりしたが、個々のエピソードは非常に面白いものが多かった。特に導入エピソードは、これから何が始まるのかとワクワクさせられた。

  • 松下版悪魔くん。友人に勧められて。読み始めた当初はここまではまるとは思ってなかったです。読めば読むほどおもしろくなるタイプの本。貸本版よりとっつきやすい印象。

  • 一万年に一人の天才児悪魔くんが、この世に革命を起こし、万民が平和に暮らせる千年王国を築こうとする話。
    目的のために手段を選ばない主人公のキャラが好き。
    やたらと金の話が出るのは、作者が金に困っていた頃に原案を練った作品だからだろうか。

  • アニメ版とかけ離れた性格悪い悪魔くんがここにいました。でもこっちの悪魔くんの方がそれらしくていい。

  • 随分と主張してる。

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著者プロフィール

水木 しげる(みずき・しげる):1922年鳥取県境港市出身。太平洋戦争に従軍し、戦地で左腕を失う。戦後、魚屋、輪タク屋、アパート経営などを経て紙芝居を描き始めたのち漫画家に転じる。講談社児童まんが賞、日本漫画家協会賞文部大臣賞、仏アングレーム国際漫画祭最優秀作品賞ほか受賞歴多数。91年紫綬褒章、2010年文化功労者。代表作に『ゲゲゲの鬼太郎』『悪魔くん』『河童の三平』『総員玉砕せよ!』『日本妖怪大全』などがある。15年逝去。

「2024年 『水木しげる厳選集 虚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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