河童の三平 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 277
レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (712ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480022387

感想・レビュー・書評

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  • 怪異妖怪冒険活劇の傑作。河童に間違えられてしまうところから既に普通では無いが死神や狸が現れたりと展開の予測ができないほど理不尽。そんな理不尽にもクヨクヨすんなよと三平が間の抜けた顔で語りかけてくるかのような感じがします。
    ラストも意外すぎですが狸の友情に泣けてきます。

  • 『河童の三平』が出てくる作品の総集編。コンテンツは『死神』『空中水泳』『ストトントノス七つの秘宝』『屁道』『猫の町』。全編をとおしてタナトスがシームに感じられ、ダンテの『神曲』を彷彿とさせる。ストトントノスはインディアナ・ジョーンズ型冒険活劇でそのままRPGゲームになりそうな。三平(先祖に河童の血がはいっている)、河童の三平は所謂あかん勇者キャラ(笑)なによりワキキャラがすばらしい、両三平の父と祖父、死神、小人達、タヌキと突き抜けててラブリー。屁、シリ、そして肥たんご、、特に屁道で屁音楽となるともう感涙にむせぶしかない(あはははは)。可笑しくて、そしてなんか寂しくて泣ける、背景画がやっぱりすばらしい水木マンガです。

  • やはりよい……笑えて泣ける。タナトスたっぷり、飄々と、淡々と、寂しくて、でも優しくて。
    貸本版で読んだときも感じたが、やはり水木作品の中では一番好きだ。

    貸本版との大きな違いは、「死神」「空中水泳」のあとに、長編「ストトントノス七つの秘宝」(冒険譚)と中編「屁道」が挟まった上で、「猫の町」と続くところ。

    絵的には、ストトントノスの地底がギュスターヴ・ドレ「神曲」挿絵っぽいな、と。
    また峠の茶店の妖女、水の精の少女がやけに色っぽい……というかたぶんというかほぼ確実につげ義春の筆なのだと思うが。
    つげが水木のアシスタントを務めたのは1964年以降。この少年サンデー版が連載されたのは1968-1969年。

    話的には、全体を一気読みして意外と人を化かすの動物オンパレードでもあるところ……河童、タヌキをはじめ、鳥、カワウソ、イタチ、猫。
    またお祖父さんの死後、三平の孤独に闖入したタヌキとの悪友ぶりに、以前から感じ入っていたが、小人やら死神やらを結構受け容れる……タヌキに言わせれば人が良すぎるという言い方になるのかもしれないが、あのだだっ広い部屋で横たわるという体験を一度してしまったら、どんな異形でも受け容れてドタバタしているほうがよい、と三平は感じているのかも(その次のページで、タヌキが勝手に入り込んでぐうぐう寝ている……ドタバタなのだが、寂しさを忘れさせてくれたという点では救いだったのかも)……その性質が結果的に異界へ踏み入り成長したり客死したりする遠因になっているのかも……などと考えた。
    巻き込まれた状況をすんなり受け入れ、けっこ頑張る健気さ、そして死すらも受容してしまうあたり、近代的自我以前の感じがある。
    あるいは水木しげるだからこその死生観とも。

    解説に石子順造が書いていたが、タヌキー鳥ー死神(≒ねずみ男)、という構図。

  • これを読もうと思ったのは、主人公の三平の家に居候していたタヌキが 死んでしまい透明になってしまった三平を(人間以外には見えるのだ) 風に吹かれながら見送る寂しい場面を偶然目にしたからだ。しかし全部読んでみると、七つの玉を探して冒険する『ストトントノス七つの秘宝』編や三平が屁の力で国体に出るというとんでもないエピソードがあり、バラエティに富みすぎているようでもある。しかもその間に祖父、父親は死んでいき、母親は東京に働きに出たが病気で床に伏してしまうという悲惨な状況が 繰り広げられる。それなのに最初から最後までなにか淡々とした感じ
    で物語は進んでいく。この「寂しくて淡々としている感じ」でかつとんでもないエピソードが繰り広げられるというのが、原作版の『ムーミン』と似ているように 感じられた(もちろん、『ムーミン』はもっと上品だが)。 
    余談だがこの中に登場する小人の家族が三平を助けようとミニサイズの まな板や包丁で炊事をしたり、野いちごを採ってきたりする場面を読むと なんだか自分も「働こう」という気持ちになれるので良いと思う。

  • 脱力した世界観にシビアな死生観。「ストトントノス編」から怒涛の最終回まで落差が激しい。まさかのタイトルの意味!(こらは後付?)ノンビリとした間合いだけど、間延びしない不思議さ。水木しげる先生らしい傑作ですね。

  • 屁へぇ

  • 良い

  • 世界観が奇抜過ぎた気がする(笑)

  • 生まれつき容姿が河童に似ているために、河童の国へと引きずり込まれるところからもう理不尽。たった1人の家族であるおじいさんを死神に連れていかれたり、水泳大会へ強制的に出場させられたり、やっと会えたお父さんをも死神に連れて行かれてしまったり。それでも、河童や小人たちやたぬきたちと一緒に前向きに暮らしていく三平のけなげさといったら。

  • ラストのタヌキがせつなすぎ。

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著者プロフィール

水木しげる(みずき しげる)
1922年3月8日 - 2015年11月30日
大阪で生まれ、鳥取県境港市で育つ。従軍経験で左腕を失いながらも生還。終戦後より紙芝居、貸本漫画などを執筆。1964年に『ガロ』にて商業誌デビュー。2007年、『のんのんばあとオレ』によりフランス・アングレーム国際漫画祭で日本人初の最優秀作品賞を受賞。2010年、文化功労者に選出される。代表作に『ゲゲゲの鬼太郎』『河童の三平』『悪魔くん』『劇画ヒットラー』『総員玉砕せよ!』『のんのんばあとオレ』『日本妖怪大全』など。

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