太宰治全集 9

  • 筑摩書房 (1989年5月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480022592

みんなの感想まとめ

多様な人間模様と深い内面描写が織り成す作品群は、読者に深い共感と考察を促します。特に「人間失格」や「斜陽」などの名作が収められており、主人公たちの苦悩や生きづらさがリアルに描かれています。登場人物たち...

感想・レビュー・書評

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  • 何作かは再読
    大好きな人間失格も斜陽も収録されてて最高

    自分の話以外もだいたい本人がモデルか?っていう感じの酒の誘惑に弱くちゃっかりしていてそんな自分に嫌悪感抱いてる外見はいいクズ男みたいなのが多くてふふってなっちゃう。
    そして晩年よりの作品集だからか登場人物が死んじゃう話が多い。

    ✳︎グッド・バイ(絶筆)
    編集社で働く傍ら、闇稼業で儲けている34歳の男の田島周二が、愛人15人との関係を解消しようと闇稼業で知り合った絶世の美人(ただし最低の鴉声、大食い、怪力)を連れて別離の行進をする。


    「人生足別離」の一句があり私の或る先輩はこれを「サヨナラ」ダケガ人生ダ、と訳した。まことに、相逢った時のよろこびは、つかのまに消えるものだけれども、別離の傷心は深く、私たちは常に惜別の情の中に生きているといっても過言ではあるまい。

  • 『グッドバイ』めちゃくちゃ面白くなりそうなとこで終わってた。『人間失格』あの生きづらさは少しリンクするようなところがあったり。やっと読めた。好きだなぁ。

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  • 無糖のホットチョコレートみたいな1冊。苦さに苦さを重ねる中にほろりと甘く感じる一瞬があり、すっと溶けていく文体の滑らかさになぜだかほっとする。

    マイチェホフの狂気を「斜陽」で思い出し、真の革命の意義を「おさん」で学び、「眉山」でやるせなさに涙して、待望の「人間失格」に取り掛かる。

    人を針金入りのモールだとする。人を取り巻く社会(世間?)は常に渦を巻いていて、モールの体をうまく曲げれば、別のモールとひっかかることを繰り返し、渦の中心でずっと回り続ける事ができる。だけど自分が曲がらない、もしくは曲げる方向を間違ってしまえば、渦の外側へと容易に弾き飛ばされてしまう、そんなもんだと思う。

    葉蔵は、道化を演じ自分を無理に曲げてまで渦の中心にいることを辞めて真っ直ぐになった結果、ひっかかりがどんどん外れ、すんでのところで渦の外に弾き飛ばされるのをひたすら耐えるような生活を送る。弾き飛ばされまいとなんとか新たに体を曲げてみるも、曲げる方向がわからず間違ってしまい、逆にひっかかりを外してしまう。弾き飛ばされる途中で何かにしがみつくことを繰り返しながら、苦しく陰惨な半生を葉蔵は生き抜いていったわけだけど、人間失格はその「自分を曲げる」ことへのアンチテーゼと、渦を巻く社会構造そのものを批判しているように感じる。

    自分を曲げることは間違いで、嘘で、虚栄で、だから人は間違いで、嘘で、虚栄だと。まあ確かになぁ……ひっかかってないと俺なんか不安で不安で仕方がないから延々と渦の中心にいたいけども、そんな自分は嘘なのかなぁ…うーむ

  • これまた数十年ぶりに
    人間失格と斜陽を読み直そうと思い。
    一冊に収められてるので便利。グッド・バイも。
    その他色々読んだ事の無い短編も読めてお得。
    「眉山」が良かった。

    やっぱり、斜陽は好きだし、人間失格にはあまりピンと来ない。

    斜陽のママの「ほんもの」さとか、
    人間失格の「世間じゃない、あなたが許さないのでしょう?」
    は、思春期にひっそりと読めば、自分こそが発見したような気分に
    なれるよなぁと、もう、ちょっとね手垢が付いたように感じてしまう哀しさよ。

  • 自分でお話を書き始めてから、周囲の書き手さんが読まれているらしいと気が付いた太宰治を、自分も読んでみたいと思って買った全集の9巻。

    この年になるまで、読んだことがなかったのもなかなか恥ずかしいことかもしれないけれど、この年にならないと読んでも分からなかっただろうから、いい時期に読んだのだろうと思う。

    巻を進むにつれて、「生きることのつらさ」が実感として痛みに変わっていく。9巻はそれが特に強くて、ついに「死んでいく人は美しい」がはっきりと現れてきた印象がした。

    人間失格は有名で、その一文にある、
    (それは世間がゆるさない)
    (せけんじゃない。あなたが、ゆるさないのでしょう?)
    が、とても私には衝撃的だった。今も昔も、そしてこれからも、世間とは個人なのだ。

    死が美しいといったのちに、「いまは自分には、幸福も不幸もありません。ただ、一さいは過ぎていきます」
    これが真理だと、彼にとって自殺は革命だったのだろうか。

    なんて、小難しいことは私には分からない。
    生きづらさはあるのだけれど、私のそれは今のところ、太宰とは違うものだから。
    でもいずれ行きつく先は一緒なのか?
    行きつくのかどうかも分からないんだけれど。

    とりあえずお気に入りの文を。

    (それは世間が、ゆるさない)
    (世間じゃない。あなたが、ゆるさないのでしょう?)
    (そんな事をすると、世間からひどいめに逢うぞ)
    (世間じゃない。あなたでしょう?)
    (いまに世間から葬られる)
    (世間じゃない。葬るのはあなたでしょう?)

  • 母、父、女神、フォスフォレッスセンス、朝、斜陽、おさん、犯人、饗応夫人、酒の追憶、美男子と煙草、眉山、女類、渡り鳥、桜桃、家庭の幸福、人間失格、グッドバイ

  • 2015.09.05 再読

  • うつくしい文章。こころのど真ん中に突き刺さる。たまらなく、すきだ。

  • 思春期に読んでいたら、ちょっと大変なことになっていたかも。好き。

  • あぁ!「グッド・バイ」の続きが読みたい…!!

  • 「傑作を書きます。大傑作を書きます。日本の『桜の園』を書くつもりです。没落階級の悲劇です。もう題名は決めてある。『斜陽』。斜めの陽。『斜陽』です。どうです、いい題名でしょう。」

    この言葉の通り、『斜陽』は大傑作となり「斜陽族」という流行語を生み、太宰治は一躍流行作家になりました。美しい滅亡に向けたかず子、お母さま、直治、上原二郎4人の力強くもはかない物語。気持ち悪いほど完成された作品のように思います。発表されて60年以上たった今でもまったく色褪せません。

  • 母、父、女神、フォスフォレッスセンス、朝、斜陽、おさん、犯人、饗応夫人、酒の追憶、美男子と煙草、眉山、女類、渡り鳥、桜桃、家庭の幸福、人間失格、グッド・バイ収録。
    斜陽、犯人、饗応夫人、眉山、桜桃、家庭の幸福、人間失格が好き。
    人間失格は中学校の頃読んだと思ったが、全く内容を覚えていなかった。
    この記憶力の無さ!
    しかし、最後に出てきた「ただ、一さいは過ぎて行きます。」の一文は妙に心に残っていたらしく、これまで頭をよぎることしばしば。
    そうか、人間失格の一文やったか、とメカラウロコでした。

  • 太宰文学が最高に精錬された終期の作品集。
    「人間失格」「斜陽」はもちろん、短編の完成度は「眩しい」とさえ感じるわ。
    とくに「おさん」と「フォスフォレッスセンス」は神!
    07.12.17

  • 素晴らしい小説家の、だいすきなお話ばかりつまった全集。
    太宰氏のお話は鬱々としていたり、明るかったり哲学的だったりギャグだったり、シリアスだったりとヴァリエーションが豊富。そしてそのどれもがきちんと完成されていてすごいと思う。
    だいすきだ太宰さんっ…!!!

  • 無頼。斜陽。恥のおおい生涯。
    もはや幸も不幸もありません。

  • 道化師

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著者プロフィール

太宰 治(だざい・おさむ):1909年、青森県北津軽郡金木村生まれ。中学の頃より同人誌に習作を発表。旧制弘前高校から東京帝国大学仏文科へ進学、中退。1933年、太宰治の筆名で「列車」を発表。「二十世紀旗手」「女生徒」「富嶽百景」「お伽草子」「ヴィヨンの妻」「斜陽」ほか代表作多数。1948年、筑摩書房の雑誌「展望」にて「人間失格」連載。同年6月、同作最終回の掲載をみることなく、玉川上水に投身。

「2025年 『人間失格』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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