- 本 ・本
- / ISBN・EAN: 9784480022974
感想・レビュー・書評
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名前覚えらんねー!
なのにおもしろい!
エイダはリチャードのどこがよいのかさっぱりわかりません詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
荒涼館に引き取られた、出自不明の少女エスタ。彼女をめぐる物語、そしていつまでも決着がつかないジャーンディス対ジャーンディス訴訟事件の結末は・・・?
ディケンズの作品は、大学の図書館で見るたびに、いつか読みたい読みたいと思いつつ、なかなか手に取ることができなかった。中でも私がいたく題名に引かれていたのが、この『荒涼館』。しかし各400ページの文庫が4冊となると、読み始めるのにも気合いがいる。
とはいえ、もう私も4年生である。ごちゃごちゃ言ってたら、きっとあっという間に卒業してしまうに違いない・・・と思い、読むなら今しかない! と、えいやっと勇気を出して、いよいよ荒涼館に挑むことにした。
なのに、最初の2章がかなり硬い調子で始まり、ディケンズ特有の視点のマクロさにすっかり怖気づいてしまう始末。なんだかあまり文章の意味もわからないし、どうしよー、やっぱ読むの早かったかなぁ・・・と何度もあきらめかけたのだが、それでも根性と持ち前の貧乏性(?)で粘ったところ、3章から語り手が主人公エスタの一人称になり、ぐっと親しみやすくなった。
1巻はまだまだ物語の序章というかんじ。とにかく大勢の人物が出てくる上に、いろいろな伏線が張られまくっているので、読んでいるうちに頭が混乱してくるが、それでも魅力的な登場人物たちとにぎやかな話の進み具合にわくわくする。
しかし1巻を読み終わった時点で、とても登場人物の整理ができなかったので、これを返却して次巻がわかるだろうか・・・と心配になった。そこで、私の読書人生で初めて本の登場人物相関図を作成してみた。すると、主要と思われる登場人物だけでも30人近く名前が挙がり、びっくり。こりゃ混乱するのは当たり前だ、と思った次第だった。 -
ジャーンデス対ジャーンデス事件の裁判は永遠に続きそうな様子である。後見人のジャーンデスに引き取られたエスタ・サマソンは同じく事件の後見人であるエバとリチャードと一緒に荒涼館で暮らし始めた。ジャーンデス叔父さんは優しく、三人に愛情をかける。エスタは館の鍵を全て預かり家政を取り仕切る役目を果たしている。ジャーンデス対ジャーンデス事件の周りにさまざまの人々が現れ、さまざまな出来事が起こっている。全四巻だから、まだまだこの巻は序章であろう。
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一体全体どういう話が始まっているのか、さっぱりわからないままに、ずるずる読んでしまう不思議な物語。
当時の上流社会が「善」であり「徳」であり「立派な行為」としていた「慈善事業」に対して「強引な慈善」と言うすばらしい表現を当てはめていたことが印象的。
形式だけの空疎な慈善、つまり偽善に対する作者の怒り、不快が繰り返し述べられている。
たぶんこの小説のベースである裁判も、これと同様に形式の上に形式が重ねられた偽善に他ならないのだろうと思われる。
起承転結の早い小説に慣れている読者にはたぶん、読み終えるのが非常にきつい小説ではありそう。 -
4へ
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130810 中央図書館
ナボコフの「文学講義」を先に読んでしまうと、まるでこの長大な物語を既読したかのような気分になってしまった。また、縁があれば。 -
ミステリの要素もあるディケンズの作品です。
この物語は訴訟事件であるジャーンディス対ジャーンディス事件とレスタ卿夫人の過去を巡る事件の2つの事件の中で進行します。
法廷事件、遺産相続、出生の秘密、ロマンス等のドラマに加え、魅力的なキャラクターが多く登場します。
天使のようなエスタやダメ男、過去を背負った貴婦人、その他たくさんです。
エスタの語りによるエピソードは生き生きとして面白く、これから物語がどうなっていくのか楽しみです。 -
延々と続く訴訟があり、その中に語り手のエスタの物語や貴族、慈善事業家、弁護士、代書屋、商店などが包含されている枠物語。社会風刺たっぷり。
著者プロフィール
チャールズ・ディケンズの作品





