荒涼館 3 (ちくま文庫 て 2-3)

  • 筑摩書房
3.89
  • (7)
  • (12)
  • (7)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 127
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480022998

作品紹介・あらすじ

エスタは重い病気にかかり、長い間寝ついてしまう。回復したときには、美しさはすっかりそこなわれていた。そんなエスタに、ジャーンディス氏は「この家の主婦になってくれ」と言う。エスタはみちたりた心持ちになる。しかし一方、エスタとデッドロック夫人との間の秘密を知った人人が様々に動き始めて…。物語は次第にテンポを早めてその核心に近づく。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • やはりデッドロック夫人の過去が物語の大きなカギと感じた。しかもエスタとの繋がりに謎が。荒れ狂う天然痘・・そして少年を訪れた女性、看病したエスタ・・罹患する。癒えた彼女・・大きな変貌。その場面で告げたジャーンディス氏の言葉が温かい。背後で暗躍を続けるタルキングホーンから目を離せないが、ガッピ―も何やら。最後の事件は想定内とはいえ、衝撃だった。

    ガッピ―が目を奪われた壁画・・美しい容貌の夫人であろうそれと面影が似ているエスタも、美しかったろうと思われる・・だけに。

    2人の相続人~特にリチャードの軽さに、エスタに変わってハラハラする。彼がジャーンディス氏を煙たがる理由も然り。

  • 4へ

  • デットロック婦人の秘密を握る軍曹を追い詰めるタルキングホーン氏。病で容貌が変貌したエスタ。病気の回復後に対面したエスタとデットロック婦人。親子として会うのは今回で最後であるがいつまでも愛していると別れるデットロック婦人。かつてエスタに求婚した弁護士ガッピーの拒絶。ジャースディン氏からエスタに送られた手紙。ジャースディン氏からの求婚を受け入れるエスタ。デットロック婦人を脅迫するタルキングホーン氏。その夜に殺害されたタルキングホーン氏。

  • エスタは重い病気にかかり、長い間寝ついてしまいます。
    回復した時には美しさはすっかり損なわれてしまいます。
    そんなエスタにジャーンディス氏はこの家の主婦になってくれと言います。
    そして、エスタとデッドロック夫人との間の秘密を知った人々が様々に動き始めもします。
    物語は次第にテンポを早めてその核心に近づいていきます。

  • 荒涼館に引き取られた、出自不明の少女エスタ。彼女をめぐる物語、そしていつまでも決着がつかないジャーンディス対ジャーンディス訴訟事件の結末は・・・?

    さ、3巻凄すぎ・・・!!
    まさに山場につぐ山場(笑)。面白かった。エスタもなんとか==ネタバレのため割愛==だったし。**との再会も、**との再会もあって、まさに盛りだくさんのオールスター総出演。長編でしか出来ないエピソードがたっぷりだった。
    しかしそれと対照的なのがリチャードだ。彼の転落っぷりは、かなり大げさに書かれているが、とても共感できる。最初からリチャードの陽気すぎる性格はどこか危ういところがあると思っていたが、まさかここまでなるとは・・・。
    そして同じく、どうも怪しいと思っていたスキムポール氏の化けの皮がとうとう剥がれたか、という気が私にはしてならなかった。
    このスキムポール氏の書かれ方は、ある意味リチャードの転落よりも、よっぽど空恐ろしいと私は思う。子供というのは無邪気だから子供なのではないのだ。

    2巻に続き、この巻のラストの「引き」も凄まじい(笑)。
    さぁ、次はいよいよ最終巻。

  • ジョーーーーーー!!!!
    ジョーのボロボロの姿は風刺画などで時々見るボロ着の子供たちの姿を思い浮かべます。

    3巻の後半に入ると急に物語りがスピードアップします。
    サスペンス的要素も色濃くなります。火サツというか土曜ワイド劇場というか、、、もちろん2時間では終われませんが(笑)

    そして、巻を進めるごとにエスタの心の声が、綺麗な言葉使いでの毒づきのようで思わず笑ってしまいました。ちょっとブラック・エスタ。

    少しずつ謎解きも始まり、また、あれ?なんで?そうか!とか色々想像が膨らみます。
    最終巻への謎解きの期待と、読み終わる寂しさが募ってきましたわ。


    (H21.10 図)

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

Charles Dickens 1812-70
イギリスの国民的作家。24歳のときに書いた最初の長編小説『ピクウィック・クラブ』が大成功を収め、一躍流行作家になる。月刊分冊または月刊誌・週刊誌への連載で15編の長編小説を執筆する傍ら、雑誌の経営・編集、慈善事業への参加、アマチュア演劇の上演、自作の公開朗読など多面的・精力的に活動した。代表作に『オリヴァー・トゥイスト』、『クリスマス・キャロル』、『デイヴィッド・コパフィールド』、『荒涼館』、『二都物語』、『大いなる遺産』など。

「2019年 『ドクター・マリゴールド 朗読小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

チャールズ・ディケンズの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×