観光: 日本霊地巡礼 (ちくま文庫 な 8-1)

  • 筑摩書房
3.80
  • (21)
  • (13)
  • (26)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 172
感想 : 16
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480023803

作品紹介・あらすじ

現代は「大洪水の時代」だ。全ての価値は崩壊し流れ去っていった。そしていま、東欧から赤道地帯から、大変革の兆しが見えてきた。この大洪水のなか、音楽家と宗教学者は、箱舟を仕立て地球を観察する大遊覧の旅へ出た。地球的英知を感じるため、日本の代表的な霊地を旅して、現代の思想、宗教、物理学、美術、音楽など幅広く語り合う先鋭的でヴィジュアルな対談集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「共振」よりも「包摂」を。するとどうしても、希望よりも絶望が際立つ。
    この時代(80年代初頭)にこれだけ言っているのに、原発事故が起きたあとのこの為体。
    鶴見俊輔か養老孟司だかが、人類(あるいは日本)は一度滅亡してみるといい、というメッセ―ジが現実性を帯びてくる。

  • 初出は1985年。
    ここの本棚に追加するために読み直したんだけど、やっぱり面白いなあ。
    ぼくの心酔する中沢新一・細野晴臣という稀代の才人による日本の霊地を巡りながらの対談。

    ニュー・アカをリアルタイムで体験できなかったぼくには当時の雰囲気に浸れるというだけで非常に価値のある一冊。
    まあでもその頃に居ても頭が悪くてついていけなかったろうなあw

  • そもそもスピリチュアルなものを扱ったかなり怪しい本であることは前提として、二人の会話のチグハグさが胡散臭さを助長しているように思う。中沢新一氏のアカデミックなようで記号的で空疎な発言、細野晴臣氏と発言の意図や内容が反しているにもかかわらず双方肯定的な雰囲気のまま話がヌルッと進行するので、どこまていっても腹落ちしないままな印象。まとめた編集者の手腕の問題と言ったらそれまでではあるし、2020年の視点から見ても現代に通じる日本人の精神的病をじんわりと言い当てているというふうに読むこともできる。読みづらさはあるが、自分はまあまあ好きでした。

  • 観光 日本霊地巡礼

  • スピリチュアルなものは苦手だし、ニューアカは(今は)興味ないのだけど、こういう解体感は悪くないな。

  • 1980年代の対談集だが、当時は「細野、中沢」と「坂本龍一、村上龍」の2大対談集は、対立する価値観のはずだったが、21世紀になってから「中沢、坂本」で縄文史跡巡りをしているのは興味深い。いっそのこと4人で対談して欲しい。

  • 4〜3

  • フラクタルって調べたらなんのこっちゃムツカチイ。
    頭よくなりたし。
    カスタネダいよいよ読まなきゃだ。

  • 音楽家・細野晴臣と、民俗学者・中沢新一による巡礼本。何ヶ所か旅をしているが、会話の内容はずっと精神世界である。

    未だ悩める者同士の会話という匂いが始終漂っていて、当人の中での真理というよりは、脆弱な自己肯定に見えてくる。

    会話のイニシアチブをとる者はその内容を深化させること、行き先などを背負う。本書に感じたある種の厭世は中沢氏によるものに思えた。
    おそらく中沢氏は言葉に、細野氏は音楽に委ねたということだろうか。

  • パワースポットという
    言葉がない時代に、
    パワースポット巡りをしていた
    先端文化人の著作。

    細野さんはこの頃から
    アンビエントな方へ行ってしまいましたね。

    あとテンカワとか。

全16件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1950年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。京都大学特任教授、秋田公立美術大学客員教授。人類学者。著書に『増補改訂 アースダイバー』(桑原武夫賞)、『カイエ・ソバージュ』(小林秀雄賞)、『チベットのモーツァルト』(サントリー学芸賞)、『森のバロック』(読売文学賞)、『哲学の東北』(斎藤緑雨賞)など多数。

「2023年 『岡潔の教育論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中沢新一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×