- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480024459
感想・レビュー・書評
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サム・シェパードを日本語で翻訳するとはつまり、英語だと「I」で(多分)統一されている一人称をそのまま「俺」とべったり訳すのではなく、この本で試みられているように時に「ぼく」という(一見すると似合わない?)一人称で訳すことなのかもしれない。むろん批判的に捉えたいわけではない。むしろこうして繊細に訳し分けられることによってサム・シェパードという男の内省とダンディズム(?)が膨らみを帯びてくると思う。荒っぽいようで繊細な筆致は幼年期や女性たちへの憧憬を叙情的に綴り、巧みに(凡庸な賛辞になるが)「酔わせる」1冊だ
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映画「パリ、テキサス」の元ネタだそうですが。
いかにも「ロードームービー」っぽい流れとポツポツした放り投げるような文体のかもし出す雰囲気が似ているだけで、ストーリーも登場人物も「違う」というか、そもそも、あんまり「ない」。
BGMにライ・クーダは似合いそうだけど。
結論としては;
この原作からあの映画を作っちゃうベンダースが偉い!
でもこれ、通勤電車で、人波に揉まれながら読んでいると、非常にバカバカしくなってきました・・・。
予定のない休日の昼下がりとかヴァカンスとか待ち合わせの手持ち無沙汰を持たせるとか向きね。
そうね、待ち合わせの相手がこれ読んで待っていたら、
ちょっと株上げるかな。いい感じかも。
だって、もし遅刻してって、相手がキングとか読んでいたら。
どんな報復を受けるかって、ひいちゃいません・・・? -
きれぎれの会話、きれぎれの人々、きれぎれの手触り、きれぎれの部屋また部屋。きれぎれの、おびただしい、なにか。バッドランズの背景のなかで、それはシークエンスの手前でとまっている。アトランダムな断章と詩で編まれたクロニクルは、時系列に並べられ、つなぎを足されて、物語となることを拒んだ、「記憶と時間」です。
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2009/9/24購入
2015/2/8読了