迷信博覧会 (ちくま文庫 た 1-9)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480025739

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  • 過ぎし時代の迷信あれこれ……と共に、
    クスッと笑える、ちょっとおかしなこぼれ話を蒐集した、
    雑誌連載エッセイを纏めた本。
    迷信とは「原因と結果が科学的因果関係で一筋につながっていない」(p.226)
    ものの由、とか。

    ■杉浦日向子『百物語』其ノ五「狸の僧の話」の元ネタも登場。
     松浦静山『甲子夜話』だった。
    ■トイレが鬼門に当たっていては困ると頑なに信ずる人に一言、
     昔の和式はいざ知らず、今時は洋式なんだから、
     座ったら鬼門に背を向ける格好になるんだし――には笑った。
    ■エイプリル・フールの本来の趣旨について。
     嘘によって他者に「無駄足を踏ませる」のが胆(きも)だった、
     とは知らなんだ。
     viva 無駄知識(笑)!

  • 迷信を信じるか信じないかではなく、せっかく迷信という不思議なものがあるのだから楽しんだらいいよ、という筆者の言い様はとてもよくわかる。

    書いてある内容は「くだらない」と言ってしまえばそれまでの妄信を文化的に解釈したもの。


    解説者が言う、普段の思考を覆すことは脳に快楽をもたらすという発想がおもろい。

    脳の引き出しを作るのではなく、ニューロンの繋がりに新たな道を作ること、そのために読むとおもろい本のひとつ。

著者プロフィール

種村 季弘(たねむら・すえひろ):1933-2004年。東京都生まれ。東京大学文学部卒業。ドイツ文学者。該博な知識人として文学、美術、映画から魔術、神秘学にいたるまで多彩なジャンルにわたり執筆活動を展開した。著書に『ビンゲンのヒルデガルトの世界』(芸術選奨文部大臣賞、斎藤緑雨賞受賞)、『書国探検記』、『魔術的リアリズム』など、訳書に『パニッツァ全集』(全3巻)などがある。

「2024年 『種村季弘コレクション 驚異の函』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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