- Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480025951
作品紹介・あらすじ
自分で自分がわからない、つかまえどころのない自分の心。知りたくてたまらない他人の心。動物の心と人間の心はどうちがう?身近で遠い、なぞにみちた心の中をわかりやすく案内し、無意識の世界へ誘う。若い人のための心の名著。
感想・レビュー・書評
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逃げる衝動を価値の低いものだとするのは、人間界にしかない価値、社会的価値といえる。
かっこよすぎ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中学生くらいの人達に向けた本のように思える。
疑問を投げ掛けはするがそれに対する答えが書かれていない。何事も答えを求めるなと言われそうだが、私は著者の考えが知りたくて本を読んでいるので、疑問を投げられたままだと本を読んだ気になれないのです。若者にわかりやすく書かれているのもあって、物足りなかった。
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本能と理性について、わかりやすい言葉で書かれてて読みやすい。
社会で生きていく上で本能に従うことに恥を感じがちで、
つい理性で抑制してる、そうやって生き延びてる気がしてるけど、
本当に生き延びたかったら
怖いときは感じ恥ずかしがらずに逃げよと。
「友情とか社交性とかは、人間が自分の本能的に持っている攻撃性をおさえるために、強められていくものだ。」 -
45年も前に書かれた著作にもかかわらず、内容は、今もまったく色あせることのない名著だと思った。人のこころのしくみは、時代では変わらないので今でも十分通じる内容。
”研究者も研究室も、ぼくたちの中にある”。学者や研究者でなくても、こころの研究はできるという言葉にもなるほど、と思った。こころは、一人ひとり違っていて、見えなくて、それぞれの中にあるものだから、それぞれが研究者になっても良いのだと。
こころを、数値や図などで、明確に調べることは難しいけれど、優れた詩人や作家は、こころのことをたくみに表現できる。
なださん自身が専門家であるにも関わらず、このスタンスでお話しは始まる。
不安や、こわい、といった心理はどういうしくみで起こるのか動物と比較しながら、ていねいに、わかりやすくストーリー仕立てで説明されていく。
どんな人にも共通するこころの動きを、心理学というのかもしれません。 -
よかった
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初出は「ちくま少年図書館12」(1971)、中学校の図書室などにあったけれど、当時手に取ることはなかった。ただ「なだいなだ」というふしぎな名前が印象に残った。文庫化された大学生のころも、手に取ることはなかったけれど、一方で「ちくま」の巻頭エッセイの愛読者にはなっていた。本業というべき精神医療、心理学関連を読んでもっと早く読めばよかったと思ったのは、子どもが生まれてから。
この文庫は「なだいなだ全集」第十巻に収められたときの著者あとがき、それに文庫化にあたっての香山リカの解説付き。 -
なだいなだの著作コーナーに並んでゐたところから。
別に香山リカさんが嫌いといふわけではないが、今いちどこかぴんとこない。一度はためらつたものの、解説は読まなければいいだけの話だから読んでみることに。
心がどこにあるかといふ議論の前に心が「在る」とはどういふことなのかそれが問はれねばならない。それは飜れば心が「ない」とはどういふことなのかといふことも同時に問はれねばならない。
心にわきあがる恐怖・不安といふベースの考察から、無意識へと降りてゆき、発達・自我構造、精神分析の考察へとたどり着く。何かと批判の多い精神分析であるが、やはりひとの心の存在を問ふたといふ点において、精神分析を越ゑるパラダイムはないのだと思ふ。
社会とは、何かを見なすことで概念を統合し、安定をしやうとする。しかし、さうすることで何かがそぎ落とされ、忘れ去られていくとするなら、社会はその代償を払はねばならい。
社会に合はない者の排除、社会に不都合なものの排除。ますます社会は脳化を辿り、脳のシステムから漏れるものはどんどん追放されていく。
もしも、さうした彼が現在の心理学の理論、精神医学の状況を見てどのやうに感じるのか。みなしの物差しを変へることに躍起になつてゐるが、そのものさしそのものを問はねばならないときつと言ふのではないか。そんな気がしてならない。 -
少年少女向けの心理学入門。心の中を一緒に見て行こうというもの。こわいとはなにか?どういうことか?を出発点にして心の中をなださんと一緒に歩んでいく。そして意識の向こうに広大な無意識の世界があることを教えてくれる。大人が読んでも面白い。
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SCGレコメン
心の底をのぞいたら
なだいなだ 著 / 筑摩書房 583円
推薦理由
自分で自分がわからない、つかまえどころのない自分の心。知りたくてたまらない他人の心。なぞにみちた心の中をわかりやすく案内した若い人のための心の名著。