夢野久作全集 (6) (ちくま文庫)

  • 筑摩書房 (1992年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480026767

感想・レビュー・書評

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  • 外国と戦争がテーマの全集だった。
    前者は好きだが、後者は苦手を超えて嫌いなので評価は星四つ。
    二者対立の構図が際立つ短編揃いだった。
    例えば、「氷の涯」だと一兵卒(逃走者)と国家(追跡者)等、どちらが勝つか負けるかの緊張感が漲る物語が収集されている。
    しかし、全体的に無実無根の笑話として語られる。
    私は遂語り手に同情してしまいそうになるが、殆どが一人称の為、信用は別として真実か否かは分からない。
    読了後には、人間の恐ろさを伝える本人までもが悪しき心に変わってしまっているのではないか、という疑念が湧き上がってくる。
    多くは語らない方が身の為、口から高野との言葉を彷彿とさせる。

  • 氷の涯
    本当に作者が体験した話なんじゃないかと思わせるくらい情景がまざまざと脳内に浮かび上がる。
    終わり方もロマンチック。

    死後の恋
    男の法螺話じゃなかったらすごいけど…どうなんだろう。
    銃殺された遺体の描写が恐ろしい。

    支那米の袋
    こういうことが実際にあった、のかな?
    こんな体験をしたらまず人を信じられなくなるだろうなあ。

    爆弾太平記
    主人公のおっちゃんの話を聞きに来た検事が悪い人じゃないことを切に願う。こういう話を夢野久作に書かせたら本当に天下一品。

    焦点を合わせる
    どんでん返しの回数が多くて最後は目が、もとい脳髄が回った。たしかにこの話は焦点が合わない。

    幽霊と推進機
    夢と現実がごっちゃになる辺りがちょっとドグラマグラっぽいけど、事故にあって意識が失っている間の夢だと思うとまあそういうこともあるかなあと。

    難船小僧
    かなり人が死んでいるのに、船長が思ったより畜生な性格でびっくり。

    人間腸詰
    正直に言うと話の内容よりタイトルのインパクトが強すぎる…。

    ココナットの実
    「妾」の小悪魔兼悪女兼殺人鬼っぷりは半端ない。

    戦場
    戦場も恐ろしいし、兵士を死んでもいいものとして扱っているのも恐ろしいし、なによりその兵士を死なせてwin-winの関係になってるっぽい兵士の家族と大佐がすごく怖い。

  • 2009/
    2009/

    氷の涯 死後の恋 支那米の袋 爆弾太平記 焦点を合せる 幽霊と推進機 難船小僧 人間腸詰 ココナットの実 戦場

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著者プロフィール

夢野 久作(ゆめの・きゅうさく):1889-1936。福岡県生まれ。本名杉山泰道。幼名直樹。政治結社玄洋社系の杉山茂丸を父にもつ。修猷館から近衛歩兵第一聯隊に入隊し満期除隊。慶應義塾中退。農園経営、僧侶、謡曲教授、新聞記者など様々な職業を経験。1926年、雑誌「新青年」に「あやかしの鼓」が入選し本格的な作家デビューとなる。日本探偵小説界の三大奇書『ドグラ・マグラ』他、「死後の恋」「瓶詰地獄」など、狂気で妖しい独自の世界観、1人称の独白体や書簡体形式の特徴的文体など、今もなお読者を魅了し続ける。筆名は「ぼんやりして夢ばかり追う間の抜けた人間」を指す博多地方の方言。

「2026年 『冗談に殺す』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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