夢野久作全集〈9〉 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 193
レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (669ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480026798

感想・レビュー・書評

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  • ドグラ・マグラ。

    文系は行きすぎると自殺するけど、理系は行きすぎると人を殺す。

  • 読んでいて全く先が読めなかった。
    長大な原稿の文章が続いた所から集中力が切れてきたと同時に、アンポンタン・ポカン氏の演説辺りから狂気性が増してきた。
    この大作が描かれた100年以上前から精神科学が存在していたと言う事実に感慨深くなった。
    禍々しい運命を辿った呉一郎(だと思われる主人公)が可哀想になった。
    隣室のモヨ子らしき女性?も似た様な境遇にあるのか。
    冒頭歌の「胎児の夢」が物語の深層を表している様に感じられてならない。
    構造が複雑で虚構の層によって混乱させられている気分になった。
    実際何が真実なのか分からない。
    誰かの詳細に読み解かれた解説を読みたい。

  • 読んだのはkindle版(底本が本書で、元は青空文庫)。なかなかに読みごたえがあってよかった。

  • ドグラマグラ
    1935年(昭和10年)

    福岡の誇る作家、夢野久作の代表作。
    完成までに20年費やしたというだけあって、構想の緻密壮大さ、自在に変化する文体の絢爛豪華さ、縦横無尽の饒舌ぶりと膨大な知識量、予断を許さないストーリーの奇怪な屈折ぶりなど、どれひとつとっても傑作、あるいは怪作の名にふさわしい。

    舞台は明治後半の福岡市。
    ところどころ出てくる福岡市の地名がまた懐かしい。

    数十年ぶりに二度目を読むわけだが、訳が分からなくなって、頭が痛くなってきた。

    いやはや。
    凄い作品だということを再認識させられた。

  • 合い言葉は「ちゃかぽこちゃかぽこ」

    それにしても栞を挟む場所に困ってしまう本でした。
    作者にしてやられた感があります。

  • 空前絶後の遺言書を越えれば、後はジェットコースターの如くクライマックスまで読み進めることができます。キチガイ地獄外道祭文で挫折せず頑張っていただきたい作品。

    果たして「私」は呉一郎なのか、それとも単なる精神異常者の一人なのか。読むごとに印象の変わる、まさに奇書の名に恥じない作品です。
    「私」が呉一郎であるかどうかはともかく、結末は夢野久作節ここに極まれり!と言えます。
    あれやこれやと考察する私達を、久作先生は草葉の陰から呵呵大笑しつつご覧になっているのではないでしょうか?

  • だいぶ前に読了していたものの登録してなかった…。

    いやぁ…途中何回も挫折しそうにりながらなんとか読み終えた。
    夢野久作を知らずにこれから入ると私みたいに苦労するのじゃないかと思う。とりあえず読みやすい短編から入って、それが好きだったらこっちを読むって方がまだとっかかりやすいのかもしれない。

    読むと精神に異常をきたすと言われてる本書ですが、確かにこれを完全にもし理解できたとするなら…少し違う次元にいけるのかもしれません…。

  • 高校生の時に読んで、あーなんかすごい話だったなーとは思ったものの、よく分からない部分の方が多かった。
    で、その後夢野久作全集を読んで、ドグラマグラは一番最後に読んだ。

    そうすると夢野久作の考え方や文章の癖や雰囲気が脳髄に馴染んだおかげか、祭文のところもスラスラ読めたし、何より本編の複雑さに惑わされず読むことができた。

    自分なりに考えた推論は、主人公の言ったままの出来事(母を殺され、暗示によって人を殺し、記憶を失い、離魂病によって時間の感覚も掴みきれないまま同じ実験を繰り返している)がそのままのドグラマグラという話の結末(無限ループとも言えるが)という説と、あとは普通の精神病院に入れられているただの青年が、自分には許嫁がいて心理遺伝によって人を殺すように暗示されて二人の教授の実験材料にされていると思い込んでいるだけで、実際には隣の部屋に許嫁はいないし、二人の教授なんていうのも実は存在していなくて、ただひとり檻の中でそんな妄言を吐き散らしているだけ……という説。

    これまで読んできた夢野久作の短編を反芻すると、精神病を患っている主人公の話はうかつに信用しちゃいけないなあと思い、そうするとどこまでが事実かは分からないにしても、どっかしらドグラマグラの主人公も自分の作り上げた世界と真実がごっちゃになっているのではないかと。

    作中に出てくるドグラマグラという小説と、最後の最後、主人公が教授室から飛び出して意識朦朧となって、また教授室に戻ってくるところは(主人公の推理通りのストーリーだとしたら)どう解釈すればいいのか判断できていないけど、夢野久作が言うように五回読めば五回それぞれ違った解釈、読後感になるというのは本当にそうだなあと思った。

    できれば彼のように記憶を失ってもう一度ドグラマグラを一から読みたい。

  • とある病院で目覚めた主人公。何故こうなったのか思い返しているうちに、もう何が正しいのか、訳がわからなくなってきます。その過程が面白いですし、昔の漢字の使い方も読んでいて面白いです。

  • 収録作品は「ドグラ・マグラ」!再読になるけど、初見の時みたいに、訳も分からずも興奮するみたいな気持ちの高まりは無かったなぁ・・・。雰囲気とか構造が複雑になってるところは良いけど、なんだか暗いし、回りくどいんだもんなぁ・・・。

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著者プロフィール

明治22 (1889)年1月4日福岡に生まれる。本名杉山泰道。幼名直樹。法号萠圓。父杉山茂丸は近代における政界の黒幕といわれた。旧制修猷館中学を卒業後、近衛歩兵連隊に入隊。慶応義塾大学に入学後、大正2(1913)年に中退。放浪生活ののちに出家し、僧侶となる。大正6(1917)年に還俗し、父の出資による農園を経営する傍ら執筆を開始。結婚し、喜多流の謡曲教授となる。大正8(1919)年に九州日報に入社、記者となる。大正15 (1926)年に「あやかしの鼓」を発表し作家活動を始める。昭和10(1935)年「ドグラ・マグラ」を出版。昭和11年(1936)3月11日逝去、享年47歳。

「2019年 『定本 夢野久作全集 第6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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