失われた時を求めて (1) (ちくま文庫)

  • 筑摩書房
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784480027214

感想・レビュー・書評

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  • 退屈を持て余した末、ついに手を出してしまった沼。

    物語の進行上の必然性などとはほぼ無関係に、語り手の目に留まったものについて突然考察が始まるという、、、。

    普通の小説とは勝手が違って、読み始めて数日は全然ページが進まなかったが、ある日を境にぐっとよめるようになった。

    自分の頭の中で、ほかの誰かが思考しているような感覚におちいる不思議な小説。思考過程をすべて文字に起こしている感じ。

    まだあと9冊も残っている。大学復旧がはやいか読了がはやいか、、、。

  • あるきっかけがあって、これは死ぬまでに読んでおかねばと思って慌てて読み始めた。ら、面白いのなんの。

    記憶を思い出すがままに綴られた小説だと思いきや違った。読み手を引っ張っていこうという企みに満ちた、サスペンス満載の構成だった。本作の紙数の大半はスワン氏とオデットとの恋愛に割かれているが、それが「私」の、スワン氏の娘ジルベルトへの愛に、時を隔てて繋がっていく……
    本作の大きなテーマと感じたのは、「時が永遠に流れてさえいれば、私たちはいつか何かを成就することができるのか」ということ。しかし残酷なことに、本作が一方で克明に描き出すのは、時は不可逆であるがゆえに変更がきかず、幸福な記憶は幸福として、後悔は後悔として定着するしかなく、そのどちらを思い出すのか、その引き金を引くのは、現在の私たちの心の状態でしかないという、生きているということの現実。

  • 以前古書街で購入した、失われた時を求めて。
    裏表紙に、心惹かれる文章が手書きで書いてあったので、ここに投下。

    今、何故プルーストか…
     学生時代、若さの中でふと見落としていた人生の:人の心の、自分の心のその多くの初分。
    上すみだけの仏文学を、私はどれ程わかっていただろうか…… 40才をこえて、今生活人として、妻として、母としての多少の経験に裏はけされたより高い感性をもって…
      今、もう1度プルースト、を。
     そして今度は、10巻全部を読み通そう、と思う。
                     ('92.Dec.)
    …そして、タイミング良く、文庫本が出版されて、

  • 20年以上前にゲルマントのほうあたりで挫折した失時を読むプロジェクトを始める。

    コンブレーは光文社の新訳(AmazonプライムのKindle版)で読んだのでスワンの恋から井上究一郎訳で読む。
    スワンは遠くから離れて見ると単にキモい金持ちのオッさんにしか見えないし、オデットもそれが職業と言ってしまえばそれまでだけど男の誑かしぶりがひどい。だけどスワンのイジイジした心の動きは、誰もが経験したことのある誰かを好きになる気持ち、気がつくとその人のことを考えている気持ち、何かを体験すればその人と一緒に体験したいと思う気持ち、の様な本当の恋の心情を言葉にするとこうなってしまうものであるのが間違いないので、読んでいると情けなさと共感で胸が痛くなる。
    土地の名ー名
    イタリアへの旅の憧れをその土地土地の名前で盛り上げるも、気持ちが盛り上がり過ぎて体調を崩して旅は取りやめになるのは如何にもプルーストっぽい。その結果行くことになったシャンゼリゼの公園でスワンの娘ジルベルトと近づく。スワンの妻となったオデットも主人公にとっては神の様に憧れる存在だった。
    末尾で急に時代は作者の現代に移り、良き時代を憧憬する。

    翻訳は光文社や岩波の新しい方がわかりやすいかも。少なくとも文字のサイズや行間はちくま文庫版が一番小さい。

  • とりあえず、第一章コンブレーは読んだ。第二章のスワンの恋、第三章土地の名、ーー名、 はまた機会を改めて。

    描写が、細かくてすごい。知識が足りなくて、うまく想像できないのがもどかしい。

    有名なマドレーヌのシーンって、第一章で出てくるのね。結構あっさり見つけられて驚いた。

    第一章の後編で、いきなりレズビアンのカップルが出てきたのにはたまげたわ。同性愛の要素がある小説と小耳に挟んだことはあるけれど、せいぜいほんの少し匂わす程度だと思ってた。

    それにしても、どんなに美しい土地だろうと、知り合いとしか顔を合わせる機会がない田舎は恐怖だわ。

    また読もう。

  • 東大京大教授が薦めるリスト100選抜

    No.25

  • 6巻あたりで挫折。

  • 井上訳のニョロニョロ文は、ひっじょうに読みにくい。意識を集中させ、ほかのことを排除し、没頭しないと、意味がわからずおなじところを何度も読む羽目になる。

    そんなで、読み終わるのに2か月もかかってしまった。
    じゃあつまらないかというとそんなことはなくて、スワンの嫉妬のところなんて、恐るべき観察眼で圧倒的、超面白い(でも400ページもやらなくても…)。


    計算上だと、全巻読破には20か月かかることになるが、いつ終わるだろう。

  • 紅茶に浸したマドレーヌを食べた瞬間に感じた幸福感から始まる長い物語の第一巻。年内に最後まで読みたいと思っています。

    第一部「コンブレー」は読むのにとても時間がかかったが、さすがに文章の比喩表現がとても素晴らしく読み応えは凄くあります。これと言ったストーリーがあるわけではなく主人公の思考の流れが描かれている。
    第二部「スワンの恋」では、主人公は登場せずにスワン氏とその奥様との恋愛が描かれていて、ここからストーリーらしきものが始まる。
    第三部「土地の名、-----名」では、土地の名に関する主人公の妄想が凄い。そして、いよいよ主人公とスワンの娘であるジルベルトの恋愛模様が描かれる。

    時間をかけてゆっくり読破したいと思います。

  • どうして綺麗なものしか追い求めてないこの主人公は、誰にでも好かれるのか。彼が主人公たる所以は何だろう。

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