中島敦全集 (2) (ちくま文庫 な 14-2)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480027528

感想・レビュー・書評

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  • 悟浄出世
    悟浄が教えをこう妖怪たちの思想の下敷きが分かればより面白いのだろうが、生憎、教養~……
    「我」に疑問を抱き、それを知るため多くの妖怪のもとを訪ね歩くも、それが「執念深く自己の幸福を探していた」ことに気付き、失敗を恐れず試みようという想いに至る、これだけでも爽やかな気持ちになれる。

    悟浄嘆異
    悟浄が悟空を中心に三蔵一行を誉めちぎる。
    面映ゆい……
    出世に対して一人称なのもあるかもしれないがだいぶ読みやすい。

    日記
    パラオ滞在中の日記。
    現地で購入した石鹸で体を洗ったら魚臭くなって難儀した、というようなことも書かれていて面白い。

    手紙
    ・昭和11年、関西では男の日傘が流行っていた(敦的にはかっこ悪い)。
    ・宿の朝は番茶と梅干しの時代、長崎ではコーヒーとゆで卵。
    ・南洋からたかさんへのお手紙、家族の夕食の席でその日の出来事を話して聞かせるようであったかいな。

  • 【推薦者】A.A@上善如水教室
    『わが西遊記 悟浄出世・悟浄歎異』おすすめ

  • 「かめれおん日記」と「狼疾記」が身につまされ過ぎてつらい

  • パラオ周辺の出来事を描いた、南島譚や環礁からは暖かい光と風を感じる。
    「夫婦」からは、妻に頭の上がらない夫、ギラ・コシサンが、妻よりも善き美女リメイと添い遂げる話が描かれているが、分かりやすくて面白い。
    他部族の女が炊事女としてやって来て、気に入った男を持って帰るのもそうだし、恐妻エビルがある種の力を持つ女系一族であることも、文化って上手いことなってるなーと感心。

    「牛人」では、夢に見た救い人であるはずの豎牛に騙され、追い込まれてゆく叔孫が哀れ。
    珍しく筋書きが因果応報でないというか、急に黒い展開の話で、不穏。

    書簡については、妻へのあれやこれやとか、子供へのパパぶりが描かれているのだけど、いつも思うのは、小説家だからといって、どんな文章もこうしっかりと残されては敵わないのではないか、とか思ったりする。
    画家はどうか分からないが、超一流の俳優とか音楽家の書簡集と違って、文学者は大抵の場合、全集には入るように思う。まあ、それも全集が出るほどの人であれば、ということだけど。

  • 「南島譚」や「環礁」の平易でユーモアーに富んだ文章は、それまでの中島敦の印象を大きく変えてくれた。南洋の風物や人々の暮らしに触れた中島の驚きや好奇心が素直な筆致から伝わってくる。日記や書簡についても中島の意識の方向が感じられて興味深い。

    「わが西遊記」を読んだ後は、万城目学の「悟浄出立」も読むことをお薦めする。

  • ミクロネシヤ巡島記抄が読みたかったのでうれしい!
    夾竹桃の家の女の出だしなんか堪らない。
    「 午後。風がすっかり呼吸を停めた。」

    南の島の色彩の見事さをここまで正確に魅力的に描ける筆力。やはり天才。

    書簡がまたいい! たか夫人へ宛てた手紙がもう最高。昼はこどものことを思わないようにしているが、夜になると思ってしまうとか、心配しないでほしいとか、手紙ほしいとか、でも生活に差し障るほどは書かぬで良いとか、もう愛情がこれでもかってあふれてる手紙。あんな手紙書きたいもらいたい。文章家ですね。

  • 2012 1/13「盈虚」のみ読了。青空文庫で読んだ。
    青空文庫のデータをガラケーで表示しつつ読了。
    衛国の太子の興隆を描く話。
    ラストの戎人の台詞が決まっている。

  • 日記や書簡に触れると、その漢語朝の文体から伝わってくるとは違った中島敦さんが見えてきます。

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著者プロフィール

東京都生まれ。1926年、第一高等学校へ入学し、校友会雑誌に「下田の女」他習作を発表。1930年に東京帝国大学国文科に入学。卒業後、横浜高等女学校勤務を経て、南洋庁国語編修書記の職に就き、現地パラオへ赴く。1942年3月に日本へ帰国。その年の『文學界2月号』に「山月記」「文字禍」が掲載。そして、5月号に掲載された「光と風と夢」が芥川賞候補になる。同年、喘息発作が激しくなり、11月入院。12月に逝去。

「2021年 『かめれおん日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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