山の音

  • 筑摩書房 (1993年1月1日発売)
3.53
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480027566

みんなの感想まとめ

テーマは、愛する人を追い求める主人公の旅と、その背後に潜む神話や伝説の世界です。作品は、九州の秘境を舞台に、巨人の血を引く山の民や古代の伝説を織り交ぜながら、主人公が恋人の行方を追う姿を描いています。...

感想・レビュー・書評

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  • 巻末にオリジナル版が1989年刊行と記されているので、
    恐らく1980年代に発表されたシリアスな中短編群。
    全編、画風が共通しているが、
    ほとんど黒ベタの塗り潰しもスクリーントーン貼りもない、
    偏執的カケアミ地獄の様相。
    しかし、それがストーリーを薄めずに
    マイルドに表現することに貢献していて見事。
    だが、お馴染みのポップな画風とは
    同じ作者が描いたとは思えないほど懸け離れていて面食らった。

    収録作は
     ①山の音
     ②カットバック
     ③羽根の塔
     ④憑かれた男
     ⑤砂浜のメリークリスマス

    で、①は諸星大二郎チックな民俗学ホラー。
    帰省したまま連絡を絶った恋人に会うため、
    九州の山間の僻地「裔村」を訪れた男が見たものは――
    というストーリー。
    架空の地名は末裔の「裔」の字だがルビがなく、
    何と読ませるのか不明。
    https://dictionary.goo.ne.jp/word/kanji/%E8%A3%94/
    恐らく読者が勝手に決めていいのだろう。
    「すえ」がしっくり来る気もするが、
    私は渡辺温のせいで脳内で「ちすじ」と変換していた(笑)。
    https://booklog.jp/users/fukagawanatsumi/archives/1/4488407110
    ②③⑤は叙情的SF短編。
    ④は妻に惚れ込み過ぎて常軌を逸した男と刑事の対決。
    捜査にやって来た刑事を迎える容疑者宅の扉が
    「いらっしゃい…坊や…」と言って開くコマ(p.204)、
    その玄関のビジュアルが女性器を表現しているのが
    エグイけれど象徴的で、上手い演出だなと感心。

    山上龍彦(たつひこ)の解説付き。

  • 諸星大二郎御大の「暗黒神話」の方で「ヤマトタケルのアレを襲う」ネタがさういへばあったが、個人的にアレへ「野蒜」を投げる「山の音」のアレがマントラのごとく頭に響いてをる。
    戦後マンガの中で、山上たつひこ大先生は異常な地位、
    「影響受けたマンガ家の名前がでない」
    ギャグマンガの世界で、時紡ぐ御名を讃へるごとくマンガ家が影響を受けたと叫ぶてふ、奇怪なポジに君臨する大先生が、シャレの効いた解説文を書いてをる。

  • 表題作は民俗系の不思議。『石神伝説』と同系統。他4編は抒情的SF。(石神の続きを含めてとり・みきのこういう系統の作品をもっと読みたいもの)

  • 他の書籍でも入手できるが、山上龍彦の解説は一読に値する。

  • 突然消息を断った恋人、英理の行方を追って彼女の郷里を訪れた忠。彼女の姿を求めて「入らずの山」へ入っていく。そこで目にした彼女の姿は・・。巨人の血をひくという山の民たち、英理の実家に伝わる巨人伝説、考古学者の祖父が持ち去った巨人の骨・・・。九州の秘境を舞台に謎は深まる(「山の音」)。他4篇収録。解説 山上龍彦

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    表題作もよいが、「カットバック」にはやられた。さすがは大林世代、外園昌也の「10月27日に...」に通ずるものがある。940916

    やはり「山の音」はよくできているなあ。あのとりみきがこのようなマンガを描くようになるとはね。「石神伝説」とか最近の作品も読みたい。思わずこの後「ヤマタイカ」を読み始めてしまった。980914

  • スペースコロニーの中の世界をアメリカ1950年代風に仕立てて,そこでボーイ・ミーツ・ガールのストーリをやってみせた「砂浜のメリークリスマス」所収.

    山の音 第1〜8話 完結/カットバック/羽根の塔/憑かれた男/砂浜のメリークリスマス

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