私の「漱石」と「龍之介」 (ちくま文庫)

  • 筑摩書房 (1993年1月1日発売)
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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784480027658

感想・レビュー・書評

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  • 百閒は、漱石の鼻毛の張り付いた原稿用紙を、大事に保管していた!
    師匠の崇拝ぶりには落涙。

  • 編纂者は平山三郎(ヒマラヤ山系)氏。百閒の随筆等の中から夏目漱石と芥川龍之介に触れた文章を集めたものだが、やはり漱石の分量が多い。芥川の先輩であり親友だったと思わる百閒。しかし、21世紀の諸氏は百閒をご存知であろうか? かく言う自分も鉄道という繋がりがなければ百閒を知らなかったであろう。稀代の借金王であった百閒。造り酒屋の坊ちゃんで、乳母日傘で育った彼だが、帝国大学に入学するほどの知能と文学の才能を持ったことから、漱石と龍之介との交流が生まれたことが羨ましくある。

  • 漱石を描く中に、漱石ではなく内田百けんの人柄がよくわかり楽しい。飄々とした人物だと思い込んでいたが、それは後の文体で、結構漱石に影響されていると感じられた。

  • 「亀鳴くや」の最後の文章がとても好き。
    『芥川君が自殺した夏は大変な暑さで、それが何日も続き、息が出来ない様であつた。餘 り暑いので死んでしまつたのだと考へ、又それでいいのだと思った。原因や理由は いろいろあつても、それはそれで矢つ張り非常な暑さであつたから、芥川は死んでしまつた。』
    「亀鳴くや」は春の季語。亀は実際には鳴かないが、。藤原為家の「川越のをちの田中の夕闇に何ぞと聞けば亀のなくなり」という和歌から採用されている。

  • 年賀に来るお客に同じ顔をしているといらいらするので、自分のほうからお客に日割りで日を指定し、その日以外に来てはいけないと通告、都合のわるい者は翌年来い、と。いいね、この方法。

    しかし結局都合のわるい者は1人しかおらず、何日もぶっ続けに同じ顔をすることに。
    実に実にヒャッケン先生らしい。

    • たたよんさん
      たなぞうにいたころ、読んだんですけど、ヒャッケン先生の見方っておもしろいですよね。この本を読んで、食わず嫌いだったリュウノスケをちょっと読ん...
      たなぞうにいたころ、読んだんですけど、ヒャッケン先生の見方っておもしろいですよね。この本を読んで、食わず嫌いだったリュウノスケをちょっと読んでみようと思いました。
      2012/04/30
  • 漱石先生大好き百閒。

    芥川との友情がコキンと失われて悲しみの百閒。

    ストレートに表される尊敬・愛情・友情
    こんな師や友に出逢えた幸せよ。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/763900

  • 金を借りた方はすぐ忘れると言うけど、相手が夏目漱石だと中々忘れられない出来事になるっていう話。

    色んな所に夏目漱石と芥川龍之介について書いた文章を纏めただけの本なので、同じ話が多くて辟易する所もあるけど、文豪達の日常を垣間見れて興味深い。

    「掻痒記」は読んでるこちらの頭まで痒くなってくる。

  • 内田百閒にハマっている。古本屋でたまたま見つけたので購入した。
    漱石の弟子で龍之介の先輩である内田百閒が、両氏との交友について記したり、語ったりした文章が集められている。動きがあり心がある漱石と龍之介に、僕も触れているような気になるし、やはりユーモアあふれる内田百閒の書き振りも素敵だ。
    近代文学ファン必読の書である。

    備忘録として付け加えたいのが、龍之介の口ぐせがどうやらこはいであるらしい。内田百閒の山高帽子や、気がふれた友人などにこはいよ、こはいよと言っていたらしい。興味深い。

  • 自ら死を選んだ人
    病死した人
    それを見ていた人
    こういう読み方もあるのかと思った

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