武士の娘 (ちくま文庫)

  • 筑摩書房
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レビュー : 48
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480027825

感想・レビュー・書評

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  • 素晴らしかった。武家社会の残り香をかぐことができるのはもちろん、筆者の新しい文化に対する謙虚で公正な姿勢は現代人でもなかなか得難いもの。これからますます読まれていくべき作品。

  • 戊辰戦争の傷も残る明治6年に、長岡藩主の国家老の家に生まれた「武士の娘」の物語。当時としては当然に武家の礼儀や女性としての作法を仕込まれ育っていくが、兄の友人でアメリカで事業を行なっている日本人の元へ嫁ぐこととなる。2女を儲けるが夫を病で亡くし、帰国。その後娘が成長し、再びアメリカに移住する。この本は、米国での生活のために寄稿したものが本になったもので、日米の大きな違いに戸惑う様子などが生き生きと描写されている。特に興味深いのは当時の礼儀作法や先祖を敬う態度、冠婚葬祭の段取りなど、今では全く消えてしまったことが詳細に記述されいて新鮮。日米の違いだけでなく共通点も見いだすことができるが、当時と現代の違いや共通点も発見できてとても興味深い。

  • 明治期にアメリカへ渡った一人の女性の手記。異国に暮らすことで、かえって日本という国を考え、見返すようになったとの記述がある。日米両国の良さ、特徴を鋭く捉える感性は非常にスマートで、文章もみずみずしい。著者の生き抜く力、賢さを感じる。
    (2019.2)

  • 【文章】
     少し読み辛い
    【気付き】
     ★★★・・
    【ハマり】
     ★★★・・
    【共感度】
     ★★・・・

  • これもずいぶん昔に読んだ本、折々に思い出します。
    日本の教育のすごさをみた想いです。

  • 父親が武士出身で、明治時代武士という職業・階級が無くなってからの家族の生活を書いた自伝的小説。アメリカの雑誌に連載されたのが反響を呼び、大正時代に7か国語に翻訳されたという。著者は日本人だが、本書は英語で書かれ、日本語に逆翻訳されている。
    当時の上流の生活を知る、とても貴重な資料と呼ばれているそうだ。侍としての特権階級が無くなった後も、ある程度いい生活を送った著者。古き良き時代を懐かしむ前半と、家族に決められた結婚で、夫の仕事に同伴しアメリカに住むことになり、そこでの子育てを書いた後半から成る。
    今の価値観からすると、やはり家族が決めた人と顔も見ないで結婚することを受け入れるのがすごいと思う。そういうものだと子どものころから思っているので、ホームシックにもならないそうだ。アメリカに渡り、カルチャーショックを受けつつも現地での生活に順応し、帰国後アメリカに帰りたがる子どもたちを連れて再びアメリカに移り住み自分で稼ぐところに女性の強さが見える。
    すごいな、とは思ったが、冗長で読み終わるのに時間がかかった。

  • 明治維新から間もなく新潟の長岡藩家老の家に生まれた著者。貿易商に嫁いだことがきっかけでアメリカに長く住み何を思うのか。
    島崎藤村の夜明け前と同時代でも、家柄の違いが見えて面白い。江戸260年の泰平で蓄えた、あるいは煮詰めたものってすごい。

  • 女優杏さんの『杏のふむふむ』で、この本に触れられており、興味を持って、購入。

    読んでいて、とても新鮮だった、

    幕末の武家の精神、教養の高さが出ており、また、躾の厳しさとそれに答える幼い作者の人格も素晴らしい。

    ひとつひとつの文章が、読者に何か語りかけているようで、目の前に、作者がいるようで、ありありと感情が伝わってきた。

    読み終わって知ったのだが、著者が渡米中に、新聞社に寄稿してまとめたのが、原著『A Daughter of Samurai』として、出版されたこと。

    自分が読んだ本は、日本人による翻訳されたもの。

    その翻訳された方は、大正時代の生まれの方で、辛うじて(?)江戸末期〜明治時代の激動の時代を肌で感じている人だろう。

    そのためか、英語から日本語訳されたものであるにもかかわらず、原著者の言葉に近いものに感じる、

    「武士の娘」として生きた筆者(杉本鉞子)の心持ち、姿勢、気品の高さがうかがえる一冊。

  • 激動の時代に、じたばたすることなく、ただ静かに自分の運命を受け入れる姿が描かれている。
    家族のエピソード、一家の歴史などがところどころにあらわれているけれど、それはちょっと現代の想像を超えたオソロシイ状況だったりする。
    それでも淡々とみえるように、心のひだに、自分の感情をうまく隠しながら、語っている。

  • とても興味深かった。日本人の武士の娘として、厳しい躾を受け、そして海外での生活、そしてご主人を亡くされての生活。色々な立場に立たされながらも、悩み誇り高く生きられてるすがたがとても気持ちがよく読めた。また日本の伝統、歴史なども興味深い事がたくさん書かれていて私自身励まされることも!臍の尾が首に(著書では頭だけど)巻きついて生まれたものは、仏さまからのじきじきの御しめしを受けている…のくだりは、今読んだからこそ、とてもご縁を感じたり。出会えて嬉しい本でした!2016/4/7完読

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著者プロフィール

旧越後長岡藩筆頭家老の娘

「2016年 『[新訳]武士の娘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

杉本鉞子の作品

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