チェーホフ全集 (12) (ちくま文庫)

  • 筑摩書房 (1994年9月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480028129

感想・レビュー・書評

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  • 2010年12月7日読み始め 2010年12月15日読了。
    「1Q84」つながりで読み始めたのだけど、村上春樹が引用していた「かわいそうなギリヤーク人」は思ったほど出てこない。ギリヤーク人もかわいそうだけど、アイヌなど他の原住民もかわいそうだった…。
    サハリン島というと、日本では間宮林蔵ぐらいしか思い浮かばないけれど、ロシアでは「流刑地」であり、チェーホフは流刑地の現実をかなり冷静な視線で見ている。ソルジェニーツィンは自分も流刑させられた経験もあり、やはり「内側の視点」という感じだけど、チェーホフは冷静な観察者という感じが強い。
    笞刑や絞首刑の描写はかなりショッキング。女囚の扱いも、当時としてはよくあることだったと思うが、権力者が振り分けてたりして辛い。チェーホフは淡々と書いてるけど、まさにこの世の果てといった当時のサハリン島の現実だった。旅のロマンはほぼありません。
    しかし、退屈な内容といえばそうなんだけど、さすが文豪というか、なにかしら面白くて700p読んでしまった。初チェーホフがこれというのも、結構チャレンジャーだったとは思います。

  • ちまたはドストエフスキーブームですが

  • 村上春樹のエッセイで出てきたチェーホフの旅行記。ロシア文学ってちょっと難そう…と思っていたのですが、なかなかどうして!チェーホフにはまりそう…

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著者プロフィール

アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ(1860~1904)
1860年、南ロシアの町タガンローグで雑貨商の三男として生まれる。
1879年にモスクワ大学医学部に入学し、勉学のかたわら一家を養うためにユーモア小説を書く。
1888年に中篇小説『曠野』を書いたころから本格的な文学作品を書きはじめる。
1890年にサハリン島の流刑地の実情を調査し、その見聞を『サハリン島』にまとめる。『犬を連れた奥さん』『六号室』など短篇・中篇の名手であるが、1890年代末以降、スタニスラフスキー率いるモスクワ芸術座と繋がりをもち、『かもめ』『桜の園』など演劇界に革新をもたらした四大劇を発表する。持病の結核のため1904年、44歳の若さで亡くなるが、人間の無気力、矛盾、俗物性などを描き出す彼の作品はいまも世界じゅうで読まれ上演されている。

「2020年 『[新訳] 桜の園』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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