陰者の告白 (ちくま文庫 ひ 2-4)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480028389

感想・レビュー・書評

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  • 私がこの本を吉祥寺の古本屋で見つけたとき、友達に引かれるほど喜んだのは、前々から平野威馬雄さんを幽霊本や、横尾忠則のUFO本で知っていて、自伝だと思っていたこの本を読みたいと思ってずっと探していたからだった。1900年生まれでハーフ、英・独・仏文学者であり幽霊やUFOにも興味津々なこの人をタダモノではないと思っていたし、世代的にトライセラトップスを通ってきた私には興味が抑えられない人だった。(平野レミさんのお父さんなんですね、この方は。)
    読んでみると、自伝ではなくて薬物中毒レポート。重い内容ではあるが、私はまったく感心してしまった。かっこもつけないし、いいも悪いもないっていうか、世の中的に「悪い」ことだらけのことを、きっちり書ききる姿勢が、すばらしい。世の中的に「悪い」ことを反省した人が書く文章というのは、世の中の価値観を内面化して、うそ臭かったり説教くさい文章になってしまいそうだが、そんな文章ではない。
    薬物中毒からぬけだした人
    それって別に、だからその人がすごいとか、偉いとかそういうことではなく、総合としてその人が面白いかどうかっていうことが大事なのであって、そう考えると、薬物中毒を経験して、文学研究者でUFOも研究するこの人はすごく面白い、魅力的な人だと思うのだ。

  • 2010年11月8日(月)、読了。

  • 予想していたよりも激しい内容だった。こんな人生ってあるのかよ。見たくなかった。

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著者プロフィール

平野威馬雄(ひらの・いまお)
1900年、北カリフォルニアジャパン・ソサエティ(Japan Society of Northern California)初代会長のヘンリー・パイク・ブイと日本人の母との間に生まれる。東京都出身、上智大学卒業。仏文学者、詩人。ルーツによって差別を受けた自身の経験から第二次世界大戦後に「レミの会」を結成、「混血児救済」の活動に献身する。著書に『青火事』『くまぐす外伝』『平賀源内の生涯』、訳書に『ファーブルの昆虫記』『モーパッサン戯曲集』ほか多数。本作『レミは生きている』は第6回産経児童出版文化賞を受賞。料理愛好家・シャンソン歌手の平野レミは長女。1986年没。

「2022年 『新版 レミは生きている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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