女たちの遠い夏 (ちくま文庫)

制作 : Kazuo Ishiguro  小野寺 健 
  • 筑摩書房
3.17
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本棚登録 : 77
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480028730

感想・レビュー・書評

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  •  硬質な文章で淡々と綴られる物語は大きな盛り上がりもなく、強い印象を受けずに私もさらりとと読んでいたが、最後の最後に別の女性の人生を語ることでその実語り手自身の人生を語っていたことに気付いた。
     慌ててもう一度読み返すと、別々の筈のイメージがいくつも重なり合って、境界が分からなくなる。万里子と景子、悦子と佐知子、猫殺しと子殺し。どこまでが現実で、どこからが記憶なのか。
     しっかりした文体なのにどこか幻想的な小説だった。

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著者プロフィール

カズオ・イシグロ
1954年11月8日、長崎県長崎市生まれ。5歳のときに父の仕事の関係で日本を離れて帰化、現在は日系イギリス人としてロンドンに住む(日本語は聴き取ることはある程度可能だが、ほとんど話すことができない)。
ケント大学卒業後、イースト・アングリア大学大学院創作学科に進学。批評家・作家のマルカム・ブラッドリの指導を受ける。
1982年のデビュー作『遠い山なみの光』で王立文学協会賞を、1986年『浮世の画家』でウィットブレッド賞、1989年『日の名残り』でブッカー賞を受賞し、これが代表作に挙げられる。映画化もされたもう一つの代表作、2005年『わたしを離さないで』は、Time誌において文学史上のオールタイムベスト100に選ばれ、日本では「キノベス!」1位を受賞。2015年発行の『忘れられた巨人』が最新作。
2017年、ノーベル文学賞を受賞。受賞理由は、「偉大な感情の力をもつ諸小説作において、世界と繋がっているわたしたちの感覚が幻想的なものでしかないという、その奥底を明らかにした」。

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