江戸川乱歩随筆選 (ちくま文庫)

  • 筑摩書房 (1994年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480029331

みんなの感想まとめ

多様なテーマを通じて、著者の個性と創作への情熱が伝わる随筆集です。人形や同性愛文学、孤独癖、さらには探偵小説に至るまで、さまざまな話題が織り交ぜられています。特に、ミステリに対する深い愛情や、江戸川乱...

感想・レビュー・書評

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  • この随筆集を読んで、江戸川乱歩がますます好きになった。乱歩の関心の広さ、率直な態度、ミステリに対する愛情に心を打たれる。文章も格調高くて、読み応えがあった。私もミステリが好きなので、乱歩がミステリへへの情熱を語った「枕頭風景」のような随筆を一番面白く感じた。同性愛の嗜好をあっけらかんと述べる随筆があることに驚いた。戦争中にそんな文章を発表するのは勇気を必要としたと思うが、乱歩はさらりと書いている。江戸時代に、自らの命を絶った少年の墓を、乱歩が訪ねたことを情感あふれる文章で記した「もずくの墓」が私のベスト。

  • 本書でも書かれているとおり、随筆の巨人でも有るという乱歩だけれども、乱歩の随筆は、えてして論文であって入り込めないと全く頭に入ってこないのが欠点。この本は最初と最後が探偵小説の着想に関したもの、途中が書評や著名作家の人生や同性愛などというものである。

    探偵小説の着想に関しては、大体の人は読みやすく、たとえば前半の項では「蟲」、後半では「パノラマ島奇譚」「盲獣」などのあっと驚く死体のかくし方など、乱歩を読んできた人にはわかるものになっている。ちくま文庫のサイトでも、そのあたりの表題が紹介されている。

    しかしこの本というまとまりで見たら、真ん中のJAシモンズやジイドに関する論文こそが主となるべきなのであろう。ところがこれが、それらの作家について特に読んでこなかったり思い入れがないと、全く頭に入ってこない。というのも、乱歩の随筆によくある、知識を披露するための固有名詞の絨毯爆撃で、それらが理解できない素人お断りというものだからである。

    とはいえ、夢野久作や坂口安吾との思い出話であったり、怪奇小説としてラブクラフトを紹介したりと、読書家はニヤリとさせられる文章も有り。資料的には大事なのだろう。読書家向けの本である。映画のフィルムが燃え始める恐怖の話、戦争の体験などは大変面白かった。

  • 人形について、同性愛文学、孤独癖、活字愛好、レンズや鏡、蒐集癖、そして探偵小説の話等、江戸川乱歩の随筆を集めた本。人形についての随筆は、『書物の王国 人形』に収録されているので再読。江戸川乱歩と稲垣足穂の歳を取った時の写真は、二人とも顔付きといい、頭の形や禿げ上がり具合といい、似ていると思っているのだが、その良く似た(とワタシが思ってる)二人が共に、中学時代は美少年で級友にモテたという話を少しばかり自慢げに書いているのが可笑しくて。

  • <pre><b>〈乱歩ワールド〉を、さらに深く味わうための、め
    くるめくオモチャ箱。初恋の話、人形の話、同性愛
    文学の話、孤独癖の話、ドストエフスキーの話、歌
    舞伎の話、トリックの話、ディケンズの話、蒐集癖
    の話などなど、作家にしてエンサイクロペディスト
    である乱歩、その素顔と創作の秘密が明かされる。</b>
    (「BOOK」データベース より)

    資料番号:010701134
    請求記号:F/エドガ/
    形態:図書</pre>

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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