妖怪ワンダーランド 1 ねずみ男の冒険

  • 筑摩書房 (1995年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480030610

みんなの感想まとめ

独特のユーモアと風刺が織り交ぜられた短編集で、ねずみ男の活躍を通じて人間社会の滑稽さや反骨精神が描かれています。鬼太郎やその仲間たちの登場はなく、ねずみ男が主役として生き生きとした姿を見せることで、彼...

感想・レビュー・書評

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  • 鬼太郎とその仲間たちについては、キャラクターだけはなんとなく知っているけど漫画はおろか、アニメもちゃんと見たことはなく、初の鬼太郎関連作品(そして初の水木しげる作品)体験でした(昔ファミコンの鬼太郎はちょびっとだけやったことがあるけど)。
    予備知識ゼロ先入観ゼロで読みはじめて、1話目がいきなり「勲章なんて持ってるやつにはろくなやつがいない」と村の少年が呟いて終わる話。こういう社会批判的な反骨精神的なことを、照れずに正面から、でもどこか気の抜けたタッチで、謳う世界なのね、とちょっとびっくりしつつも理解。
    戦争を経験した世代の方の作品は、わりとそうなのだろうなあ、と思う。最近は私も手塚治虫に慣れ親しんで来たので驚かないが、ちびまるこちゃんとかママレードボーイとかドクタースランプ(これはリアルタイムじゃないけど)とかしか漫画を知らなかったときにこの手のアツい主張をする漫画を読んだときには度肝を抜かれたものだ。
    鬼太郎本編も読んでみたいけど、この力の抜け具合は、ネズミ男シリーズならではの味わいなんだろうか。

  • 恥ずかしながら、水木しげるさんのマンガ、ちゃんと読んだことなかったんです。
    で、いつかは読みたいな、と思っていて、この本を古本屋さんで衝動買い。
    「ちくま文庫」さんへのリスペクトもあって。
    読んでみて、なかなか面白かったです。やっぱりスゴイ。

    これまでなんとなく読まなかったのは、恥ずかしながら、妖怪とかそういうのが、ちょっとビジュアルに怖かったからなんです(笑)。
    でも読んでみると、妖怪関係はちょっとコワイけど(怖がりなんで)、ほかはそうでもない。
    むしろ、つげ義春さんの絵柄に愛嬌が加わったような感じ。

    この本の内容は、
    「勲章」「合格」「はかない夢」「神変方丈記」「ああ無情」
    「不老不死の術」「夢の食料」「幸福の甘き香り」「空想石」「空のサイフ」
    「錬金術」「マンモス・フラワー」「『幸福』と言う名の怪物」「仙人酒」「心配屋」
    「悪魔の使者」「海じじい」「子どもの国」。
    全部で18編。(「子どもの国」は確か3話くらいからなる、連作ですが)

    つまりは短編集で、当然ながら、「ねずみ男が出る」という共通点があります。
    中には物凄く、あっけなく終わる掌篇もあれば、連作的な、そこそこ長いものもあります。

    惜しむらくは、それぞれの短編の初出が知りたかったですね(どこかに書いてあったのかな?)。
    恐らくは、「ガロ」とか、あるいはそれ以前の貸本漫画雑誌?なのか、そういうところだと思うんですが。
    (かなり「ガロ」なんじゃないかなって気もします。ぜーんぜん商業的な娯楽性は、少ないから)
    そういう作品群から選択編集した、ちくま文庫の担当者の方、楽しそうだなあ、というか。素敵な仕事だと思います。ちくま文庫、好きです。

    内容で、印象に残っているのは、「空想石」「空のサイフ」「錬金術」「心配屋」「マンモス・フラワー」とかでしょうか。
    いずれも、時代劇だったり、(執筆当時の)現代劇だったりします。

    ●貧しくて恵まれない人が、「世の中不公平だなあ、どうにか幸福になりたいなあ」、と思うけど、上手く行かない。

    ●富んで恵まれている人は、当然のように汚いことをして、それを恥もせず、当たり前として生きていく。

    みたいなことが、とっても、とぼけた諧謔と、皮肉、そして独特の脱力感。でもって、描かれています。
    そして、「ねずみ男」は、どの話にも、ニヒルでクールで悪い知恵者として、出てきます。でも、ちょっととぼけてて、カワイイの。

    圧巻だったのは、「子どもの国」ですね。
    これ、時代劇で、そして子供の世界に置き換えて、国家なり支配なり権力なりという大きな題材に、ひょうひょうと挑んでいて、
    その考察と皮肉はとても面白い。わくわくします。
    ある意味、「1984年」とか「素晴らしき新世界」とか、手塚治虫さんや小松左京さんや筒井康隆さんのような、
    「未来の、SF的な悪夢社会物語」なんですね。(まあ、時代劇だから過去なんですけど)。
    そういうジャンル分けされるものを書いている、ということよりも、
    それを凄く淡々と楽しげに、実に「水木さんでしかできなさそうな味わい」で、描いていらっしゃる。
    その代りに、「え~」みたいな脱力感だったり、唐突感だったり、腰抜け感がある訳ですが、
    そんなことが全然、欠点に思えない。実にオリジナル感満載。
    その上、理屈や論理や理想を描いている、という感じじゃないんです。どうみても、「マンガ」を描いています。
    省略、テンポ、キャラクター、設定、すべての部分で、「これは漫画らしいマンガだなあ」と、僕は思います。
    テレビドラマでもアニメでも小説も映画でもラジオでも、この味わいは出せないなあ、と。脱帽。

    考えたら、「劇画ヒットラー」とか「マンガ昭和史」は読んだことがあったんですが。
    これは、水木しげるさんの、いわゆる代表作のマンガ群を、ちゃんと愉しみたいなあ、と思わせてくれました。
    うーん さすが、ちくま文庫さん。

  • 佐賀大学附属図書館OPACはこちら↓
    https://opac.lib.saga-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BN14688308

  • 新たま屋さんリリース

  • 圧倒的に面白い。背景の描き込みが凄い。四方田さんの解説も好き。

  • 「幸せとは何か」を時代を越えてねずみ男が問いかける哲学短編集。
    偽善者が辿り着けない境地がここにはあります。

  • 2010年は一大ゲゲゲブームで、人間としての水木センセイにスポットライトが当たった良き一年でした。この一冊を読めば哲学者としての水木センセイに出会えますよ!ということで非常にオススメです。金銭欲や幸福についての寓話的アプローチはねずみ男まんがならでわ。
    強いてゆえば作品の発表年数を記載して欲しかった、ということで4つ星です。

  • 生まれ変わるならこの漫画に出てくるねずみ男みたいなのになりたいです。

  • 「勲章」「合格」「はかない夢」「神変方丈記」「ああ無情」「不老不死の術」「夢の食糧」「幸福の甘き香り」「空想石」「空のサイフ」「錬金術」他。

  • 読み始めて既読なことに気がついたが、また最後まで楽しく読んでしまった。戦争とその後の貧乏でひどい目にあった水木先生ならではの作品群。

  • 一冊丸ごとねずみ男が主役
    (カルダン氏は除く?)

    人生の教訓めいた内容が
    特に鼻につくことが無く
    楽しく読めるのはねずみ男の人徳であろう

    作品内の【幸福の甘き香り】は珠玉の名作


  • ねずみ男先生、と言いたくなる。半妖怪に人生を考えさせられるとは。

  • ちくま文庫発売の「妖怪ワンダーランド」の第一巻。
    子供の頃からアニメのゲゲゲの鬼太郎が大好きだった。大人になって原作のゲゲゲの鬼太郎を読んだ。正義の味方だったはずの鬼太郎が美女の前でだらしなく鼻の下をのばしていたり、裸の美女にセックスしようと襲ったり、最後には南の島で美女と結婚して沢山の子供を作っていたのに衝撃を隠せなかった。鬼太郎は煙草をふかし、バイクに乗って飄々と生きていた。そんな衝撃の中ねずみ男はやはりねずみ男だった。過去も未来も何百年生きながらも何一つ変わらぬ生き様は人間そのものにも思えてくる。

  • 怪奇研究家、詐欺師、幸せ研究家、腰巻きデザイナー…。さまざまな立場で、人間模様の周辺にたたずむ我らがねずみ男氏。どうせいろんなものにぶち当たる勢いも気概もないなら、かの男のごときしぶとさが欲しい。

  • 「人生はそれでいいんだ‥‥」

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著者プロフィール

水木 しげる(みずき・しげる):1922年鳥取県境港市出身。太平洋戦争に従軍し、戦地で左腕を失う。戦後、魚屋、輪タク屋、アパート経営などを経て紙芝居を描き始めたのち漫画家に転じる。講談社児童まんが賞、日本漫画家協会賞文部大臣賞、仏アングレーム国際漫画祭最優秀作品賞ほか受賞歴多数。91年紫綬褒章、2010年文化功労者。代表作に『ゲゲゲの鬼太郎』『悪魔くん』『河童の三平』『総員玉砕せよ!』『日本妖怪大全』などがある。15年逝去。

「2024年 『水木しげる厳選集 虚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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