セックス神話解体新書

  • 筑摩書房 (1995年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480030856

みんなの感想まとめ

人間のジェンダーやセクシュアリティの本質に迫るこの作品は、性差が生物学的なものではなく、社会的・文化的な構造に由来することを明らかにしています。著者は、男性による女性の抑圧やセックスの強制についての極...

感想・レビュー・書評

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  • 【視野を広げるために価値はあるが、いかんせん時代が古い。ただそれでも共感できる世の中が嫌だね。】
    友達が送りつけてきたので読んだ。
    文章の面白さがすごい。
    こんな複雑で繊細な話題を、読みやすくズバズバ言ってくスタイル、読み物としても面白かったなぁ。

    野生児の章や、SEXによって男と女は調和させられているというあたり、面白かったし刺さった。
    生まれつき男には性的衝動があって自慰や性交をしないとだめなんだってそりゃ意味ワカンねぇよなって思ってたからありがとうという気持ち。

    あと、今後性交するのがやや躊躇われる。
    今わたしは丸め込まれる存在になろうとしたのではないかと、はっとしてしまう。

    現代的でない表現や極端に「男性性」を否定する論理が見られることは、まぁ仕方ないかなと。

  • 2019.5.3

    今となっては古くなってしまった考え方もあるが、人間のジェンダーが言語に由来するという考え方は面白かった
    ただ、男性が女性を抑圧して何もかも従えるというのは極端すぎるしセックスを女性は強制されているという見方しかしないのもどうかと思う この行為が人間が生まれてからずっと続いているわけで、性は強制だけでは語れないよと思う

  • 読んでおいて損はない

  • 齋藤美奈子中古典のススメ scripta 春2017

  • 「真実は、それがどれほど無残なものであっても、それを知った人間には勇気を与えるものなのですから。選び取ったつもりの性が、実は選び取らされていたということを知っても挫けることはありません。もっとタチの悪いのは、ハンパという名の病なのです。」p23

  • これを読んで初めてジェンダーというものがよくわかった。性差とは生物学的肉体的なものではなく、社会的文化的なものである。
    女性のルサンチマンと言う言葉があるが、もともと男女には越えがたい差があるので、女性は男性にルサンチマンを抱く理由がない。ルサンチマンとは実力が拮抗している場合もしくは何か汚いやり方で勝ちを奪われた場合である。むしろ弱者に少しでも自分の立場を揺るがされたときの抑圧者のルサンチマンは一層醜く危険なものだ。
    女はだまされやすさを演じている。愛が実質上の強制と言うことにベッドの中で気づいた女たちは、自らも公式としての愛を捨て、しかし生きるために体を開くのである。これは紛れもなく強姦だ。
    強姦と言うのは男性の女性に対する攻撃性の発露であり、決して性的飢餓感から起こるのではない。
    フェミニストのカウンセラーは病的状態に落ち込むことでようやく女性として、あるいは個人として自己主張をしようとしている彼女たちに対して、自分は心の奥底では共感しながらも、結局彼女たちを現実に適応させるために再度抑圧して、妻、母、嫁というアイデンティティーを持たせるしか方法がない。
    我々が男性である、女性であるというのは最初は大人に教えられたわけで、その言葉を聞かない前には我々はジェンダーを持ち得ないのではないか。とすればジェンダーとは言語なのだ。まず自分のジェンダーがないと、つまり自分が男であるか女であるかわからないと自分の性的対象もわからない。誰が異性であるかわからない。まさしくセクシュアリティーなどというものは言語の産物に他ならない。我々の多くがかつて考えていたようにセクシュアリティーは"本能"などではさらさらないと言うことだ。
    だから人間社会を離れて言語を知らなかった野生児は、1人の例外もなくセクシュアリティーを持たず性的行動を示さない。
    私たちは自分の置かれた状況を変革し戦うよりは、今の状況をそのまま受け入れてあきらめてしまう方がはるかに楽なのだ。だから女性たちは抑圧されているにもかかわらずその中に安住してしまう。

  • 性にまつわるさまざまな言説が、生物学的根拠に基づくものではなく、歴史的・社会的・文化的に形成されてきた「神話」であることを明らかにしています。

    とくに、ユング心理学におけるアニスムとアニマという元型の対立図式が「本質主義」であることを指摘し、そうした図式で語られる「女らしさ」は一つの文化的な形成物にすぎないことを論じています。

    著者について、「こんなに芸のあるフェミニストはいなかった」と上野千鶴子が語ったとのことですが、本書の内容にはそれほどのインパクトを感じませんでした。もっとも、本書刊行時には内容も文章もインパクトがあったのかもしれませんが、現在では、たとえば斎藤美奈子など、フェミニズムに足場を置く才能のある批評家も多いし、またフェミニズム論壇自体が活況を呈した結果多くのスターが登場したので、本書のインパクトもかなり薄れてしまったのかもしれない、と思います。

  • 20年前の著者の講演をまとめた一冊。
    ジェンダーが男性中心の社会・文化によって作られたものであることを徹底的に暴く本。
    性差の科学的裏付けがどれほど嘘にまみれたものか、日本の性教育のひどさ、当時のジェンダー批判などなど、社会が作り出す性を心理学者の視点から根本的に批判していく。
    引用などに対する批判はあれど(僕が読んでもツッコミ処はある)、論旨は20年たった今も生き続けている(そして無視されている)。
    ジェンダーにかんする著作は色々読んできた上で思うのは、これはジェンダーに関するあらゆる言説をもう一段高いところから俯瞰して批判することができるようになる一冊。こういうことにアンテナの高い人が読めば、ぐっと視野が広がること間違いなし。

  • ジェンダー論・女性学での有名なトピックについてよくまとめられている(っぽい。自分はフェミニストじゃないので何とも言えないが、大学の授業でも似たようなことを聞いた気がするので、メジャーな話なのだと思う)。でも本としてオチが無いような印象を受けた。
    ジェンダー論をかじるとかなり不自然なものの見方が出来るようになるので、ちょっと楽しい。

    個人的にはこの本を買って一番役に立ったことは、amazonに小谷野敦が実名でレビューを書いているのを知ることが出来たことだったりする。トンデモ本とか書いてる人は半分小谷野さんに乗っかってるでしょ。素人が一読して「これは無いだろ〜」って感じになるほどの本ではないし。

    要するにこの本に書いてあることはウソだらけらしいので、気をつけてください。暇つぶしにはなるけど、資料的価値はかなり低そう。


    100円。

  • 切れのいいフェミニズム

  • コレもやおいにも腐女子にも関係ないけど、すべての……特に女性には一回は読んで欲しい本。セックスについて考えてみよう! この本に書いてあることが、すべてでもなけりゃ絶対の真実でもない。でもきっとセックスに対する思い込みに風穴を開けてくれるハズ。入ってきた風に何を思うかはその人しだい。

  • 初読で呆然、今ふた回り目。まだ思考体系が幼い状態で読んだら、影響をまともに受けて、世の中の全ての仕組みに女性抑圧装置という猜疑心を抱き、非常に生きにくくなりそうな一冊。でも一生読まないとどでかい損失だ。
    筆者は「性」を三つに分解する。「セックス」:生物学的性別、「ジェンダー」:身体的性差に直接因果関係のない性別、「セクシュアリティー」:相手の性別に基づいて抱く欲望とそれに関わる全ての行動。一般に流布する言説では、セックスとジェンダーの意味が混同していると思った。
    この小気味いい演説風の文章を読んでいると、記憶に思い当たるようなわだかまりが思い出される。ライバル視している同年輩の男の子にとってはわたしなど土俵にも上れてない存在だと気づいた時や、男なら「モテない男」というある意味おいしいキャラ作りが簡単にできる割に、「モテない女」のキャラは受け入れられないと気づいた時など。これは例として支離滅裂かもしれないけど、「女である」という意味について、意識下では非常にこだわっていたのが、何でそう感じてきたのか、その理由がわかった。すっきり。

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著者プロフィール

1952年、大阪生まれ。早稲田大学大学院文学研究科心理学専攻博士課程修了。大阪成蹊女子短期大学、愛知淑徳大学文化創造学部教授をへて、執筆・講演活動に入る。本業のジェンダー・セクシュアリティ論からテレビドラマ、日本の晩婚化・少子化現象まで、幅広く分析を続けている。現在は認定こども園を運営し、幼稚園と保育所の連携についても関心を深めている。
主な著書に『醬油と薔薇の日々』『シュレーディンガーの猫』(いそっぷ社)、『増補版・松田聖子論』『結婚の条件』(朝日文庫)など。

「2020年 『草むらにハイヒール──内から外への欲求』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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