こころの医者のフィールド・ノート (ちくま文庫 な 18-3)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480031563

感想・レビュー・書評

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  • ネットで話題になったので読んでみた。話題になったのはこの本の中のエピソードの一つ、実習のため偽の患者になり閉鎖病棟で過ごした医学生が狂いそうになったお話。でも本そのものはこの話から連想されるような恐ろしいものではなく、全編優しさにあふれている。病例を並べるのではなく、患者やその家族のドラマが描かれており、著者である中沢医師の人柄がいい。私が以前、鬱病でかかった何人かの医師は冷たく、ただ大量の薬を出す人々という印象しかなかった。結局治るキッカケは適度な距離感で接してくれた今の夫で、病気のことを根掘り葉掘り聞くのでもなく、ただ一緒に趣味等を楽しんでくれた人だ。中沢医師も焦らず患者個人の家庭環境を含めてじっくり付き合ってくれるところが「良いお医者さん」という印象。こういう人が近くにいるといいのにな、と遠く離れた実家の父がアル中になって暴れていると知った今、切実に思う。

  • まだ精神分裂病と呼ばれてたころの話。
    どれもひとつひとつあったかい話。
    じわじわとしみてくる。
    もう少し人のやさしさやあたたかさを信じようかなと。
    読んだあと、ほえーっと気持ちよくなりました。

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著者プロフィール

'1937年群馬県に生まれる。「心の病」治療の権威として、また地域・家族ぐるみの精神衛生活動の先駆者として知られる精神科医である。その活動で出会った人々を描いた本書は、「自分の人生の前半そのもの」と自ら言う。人生の後半は東京のど真ん中の病院で都会人の心の守り人となり、現在も臨床医として第一線にいる。私たちを取り巻く今の時代、この”治す職人”の慈愛に満ちた目と指針はますます貴重になった。

「2007年 『こころの医者のフィールド・ノート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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