泉鏡花集成 9

  • 筑摩書房 (1996年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480031792

感想・レビュー・書評

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  • 「燈明之巻」、「神鷺之巻」の連作から、「開扉一妖帖」が現れて「三枚続」と「式部小路」の連作に続き、「雪柳」ときて最後を「縷紅新草」が締める。震災後の作品が多いのか、人間の生々しさが、鏡花のかねてからの『おばけ』をやや上回って感じられるけれど、どれも筆の冴えがある。絶筆となった「縷紅新草」においては人と妖(奇異のこと、おばけ)とが違和感なく調和し、むしろ読み手がきよめられる趣がある。種村季弘の解説はーーわたしはつい途中で助けにしようと読んで却って後悔したーーまた一つの捉え方であるが読んでも読まなくても差し支えないだろう。

  • 『三枚続』『式部小路』

    「あれ緋の袴が動くんだよ」
    ヒロインがお雛様をみて叫ぶ、この場面を探して探して、(タイトルは忘れてしまい)あれはどの物語だつたかと実家に置きっぱなしだった鏡花集成を引っばり出しひっくり返し、やっと見つけたときのカンドー。
    余白に2002/2/9読了の日付が書きこんである。なんと20数年ぶりの再読で、そしてまたもや取り憑かれている。
    没落の令嬢と火の玉ヤンキーの恋模様がいじらしい。元婚約者がからみ物語は三角関係の様相を呈するけど、このお嬢様&ヤンキーの組み合わせは鏡花作品には珍しく、筆ものって二人の無邪気なやりとりが生き生きと描写されている。ヒロインの名前はお夏。大店の娘がかなわぬ恋に身をやつすところなど「お夏狂乱」のイメージが投影されているのかもしれない。

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著者プロフィール

泉 鏡花(いずみ きょうか)
1873年(明治6年)-1939年(昭和14年)。石川県金沢市生まれ。明治後期から昭和初期にかけて活躍した小説家。
尾崎紅葉に師事しており、小説のほか戯曲や俳句も手掛ける。
代表作は『高野聖』『夜行巡査』『外科室』『夜叉ヶ池』など。

「2026年 『大活字本シリーズ 日本の怪談傑作選 ③ 泉鏡花 高野聖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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