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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480031938
みんなの感想まとめ
現実と幻想が交錯する物語が展開される本作は、読者の心に静かな動揺をもたらします。主人公たちが自らの世界に抱く思いが、予期せぬ変化によって揺さぶられる様子が描かれ、読者もその余波を感じることでしょう。物...
感想・レビュー・書評
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おとぎ話風と言ってもいいような現実感の薄い話ばかりなのに、おなかの中をさっと刷毛でなでられたようにどきりとするフレーズがどれにも含まれていて、困った。感動っていうのとはちょっと違う。動揺した。
実生活と、そこから2センチぐらい浮いている自分と、その自分がこっそりしまいこんでいるストーリーの関係をぐらつかせる何かがこの本にはある。どの話でも、主人公が「これが自分の世界」って思っていた場所がどうしようもなく変化してしまうから、その余震が読み手のわたしにも起きてしまう。「こういうことにしておきましょう」というお約束の無効性を突き付けられる。
誰かが・自分が作った物語に頭を突っ込みつつ、足だけは地に付けておこうとふらふらしている、すべての本読みにおすすめ。ひとによっては危険な本。
メモ:本書はブリクセンの生前最後の短編集。出版時「バベットの晩餐会」はすでに既訳があったため、日本語版からは除外されている。
注:裏表紙のあらすじはわりとネタバレ気味なので、薄目で読みましょう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
カレン・ブリクセン=イサク・ディーネセンの晩年の作品集。
映画化で有名になった「バベットの晩餐会」は実はこの作品集のなかに入っている1つだが、別に訳があるので、この本には含まれない。「運命綺譚」(Anecdotes of Destiny)を全体として体験するためには、最初の短編「水くぐる人」を読んだあと、「バベットの晩餐会」を読み、その次にまたこの本にもどって、「あらし」を読む必要がある。(同じ出版社から文庫本が出ているんだから、あわせて1冊にしてほしかった)
ブリクセン=ディーネセンの作品は、素晴らしいストーリーテリングが味わえるのだが、この作品集の特徴は、ストーリーをストーリーテリングすることをさらにメタレベルでストーリーテリングするということが実に巧みに構造化されていること。
もともと、ブリクセン=ディーネセンの作品は、単純なストーリーには収まらない、「夢」と「挫折」、「物語」と「現実」を対比する、そしてその対比自体を物語化する、そして、さらにそれを多様な解釈に開かれた余韻をもったクロージングにつなげるという感じのものが多い。
この晩年の「運命綺譚」は、それをさらに突き進めて、メタレベルで複雑化している感じ。
でも、話しとしては、とっても面白くて、難解なものにはならない。本人によると、これはやや「軽い」作品を集めたもの、らしい。
個人的には、これが、ディーネセンの作品で一番入り易いんじゃないかな、と思った。(そういう意味でも、「バベットの晩餐会」も入れて1冊にしてほしかった) -
『冬物語』(1942)では、読んでみてよくできた話、でもちょっと出来過ぎたようなお話が揃っていた。締めくくりで冒頭の台詞に戻ってヒネるとか、「この物語の出来事はやがて人々に忘れられ、今では誰も憶えていない」――だとか。結末に既にリアルでなくなり、ファンシー世界に片足踏むという……。本作品集(1958)では、訳者あとがきにありますが、今度はまたそれとも少し色が違う。一方ではまたエーレンガートやバベットにと、作者の作品世界には今ながら思いめぐらします。わたしはこのたび、十年ほど置いて再読です。
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何だか不思議な物語集。
物語の中に物語がある入子細工みたいな感覚で読めた。
登場人物は作中の物語に没頭するわけでもなく、ちゃんと現実に足を付けて作中で動いているので余計に入子感がするのかも。
とある出来事で運命が変わった人々の物語。
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