ロミオとジュリエット (ちくま文庫)

  • 筑摩書房 (1996年1月1日発売)
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  • 本 ・本
  • / ISBN・EAN: 9784480033024

感想・レビュー・書評

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  • 英語の勉強のために多読用テキストを読んだことはありましたが、翻訳書をちゃんと読むのは初めてです。

    2人の主人公を取り巻く友人たちや乳母の会話が、思った以上に世俗的で卑猥であることに驚きました。
    パリスとの結婚を断ったジュリエットに対する、父キャピュレットの罵りようもひどい…。
    そういった猥雑さや、両家の対立が生む暴力の中に置かれるから、ロミオとジュリエットの悲恋がより際立つのですね。

    好きな相手と秘密の結婚をした直後、親の勝手に決めてきた縁談を断ったら両親からひどい言葉で責められた挙句「我が子とは認めない」と言われた。
    そんな状況におかれたら、現代ならさっさと駆け落ちするという選択もあるけれど、ジュリエットは謎めいた秘薬を飲んで仮死状態になることを選びます。
    当時はそれがあたりまえだったのかもしれませんが、彼らを縛っていた"家"の力をより強く印象づけられたエピソードで、当時の恋愛の不自由さにもどかしくなりました。

    余談ですが、ちくま文庫のシェイクスピア全集はカバー装画が安野光雅さんなのが嬉しいです。
    本書カバーの左側の人(ティボルトでしょうか?)の衣装が気になります。
    そでが魚になっていて、その口から手が出るようになってる…。
    じわじわ沁みてくるユニークさと描かれたシーンのシリアスさのギャップにくらくら。

  • 今までおおまかな流れは知っていたものの、ここまで悲劇的な物語だったとは、、、

  • ロミオは劇の始めからジュリエットに恋しているからと思っていたので、
    序盤で別の人への恋に憂いていて驚いた。

    賑やかな奴が死んでしまうと
    ギャップでものすごく深刻になる。
    コントラストが効いてると思う。

    ロレンス、神父なのに科学的な小細工を使うし
    采配もイマイチだし考察しがいがあるキャラ。

  • 松岡和子さん翻訳2冊目。うーん、またしても、これは悲劇か。下ネタが多すぎる。人があまりにも簡単に死ぬ。簡単に恋に落ちる。話の骨格はもちろん知っていた。中2のときに一通り読んでいるはずだ。文化祭で演じた。ジュリエット役で。しかし覚えているのは、バルコニーのシーンと短剣で自らの胸を指すシーンのみ。映画も観ているはず。オリヴィア・ハッセ―が演じていた。美しくも切ない物語。そんなイメージが強すぎた。もう、そういう先入観を一切すてて読むべきであった。コロナ禍の中、ペストのため大切な手紙が届かずに悲劇を生んだのだということを知った。乳母とジュリエットのやり取りやロミオと友人たちのやり取り、その辺をもっと気軽に楽しむといいのかもしれない。それにしても、最初にロミオが患っていたのは別の人との恋であったのか。それがいつの間にやらジュリエットとすり替わっている。そして、命をかけるほどに双方が愛し合う。まあ、お芝居だから、展開が早くなるのだろううなあ。行間をしっかりと読みとらないと、話がうまく自分の中に収まらない。それにしてもの下ネタ。「穴があったら入れたい。」これは学生時代の友人がいつも言っていたことばではないか。こんなことばを、この古典の中に見つけるとは・・・

  • 王道だが感動。レオナルド・ディカプリオ主演の映画も見て、この世界観に一時期嵌った。
    とても読みやすい文章で、ウィリアム・シェイクスピアの他作品も彼女の翻訳で読めば良かったと途轍もなく後悔している。私は外国文学が好きで、私にとってこれはその走りなのだが、翻訳家の重要性を知った。

  • 盛り上がる恋愛を2人の主観で見るだけではなく、周囲の人物の客観的な視点があることで冷静にも見ることができました。恋愛によって破滅する悲劇と、愛の力が両家の敵対感情を和解に導く展開、その両面が描かれるところが面白いです。

  • 当時は娯楽だったのだろう。エロス、素早い展開、女性役も少年だったとか。
    ロミオの節操の無さ、ジュリエットの無知加減。
    簡単な中に、変わらない人々の生活が表現されているからこそ、残っているのだろう。

  • はじめてロミオとジュリエットを読んだ こういう結末にもかかわらずなぜか清々しいのはなんなんだろうか、ふたりの愛にただ正直にいたいと思う それでいい

  • とても好きな翻訳

  • 有名な話だけどちゃんと読んだことなくて、宝塚で観る前に予習。
    おもしろいか、て言われたらどうだろう笑
    単純な話だな、て感じ。
    これが名作として何百年も受け継がれてきたのはなんでだろう。
    会話は猥雑で、展開が早くて、すぐ人が死んじゃうし、吉本新喜劇みたい。
    お芝居で観たら、感動的になってるのかな。

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著者プロフィール

イングランドの劇作家、詩人であり、イギリス・ルネサンス演劇を代表する人物。卓越した人間観察眼からなる内面の心理描写により、最も優れた英文学の作家とも言われている。また彼ののこした膨大な著作は、初期近代英語の実態を知る上での貴重な言語学的資料ともなっている。
出生地はストラトフォード・アポン・エイヴォンで、1585年前後にロンドンに進出し、1592年には新進の劇作家として活躍した。1612年ごろに引退するまでの約20年間に、四大悲劇「ハムレット」、「マクベス」、「オセロ」、「リア王」をはじめ、「ロミオとジュリエット」、「ヴェニスの商人」、「夏の夜の夢」、「ジュリアス・シーザー」など多くの傑作を残した。「ヴィーナスとアドーニス」のような物語詩もあり、特に「ソネット集」は今日でも最高の詩編の一つと見なされている。

「2016年 『マクベス MACBETH』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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