恋の骨折り損 シェイクスピア全集 16 (ちくま文庫 し 10-16)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480033161

作品紹介・あらすじ

ナヴァール王国(現在のスペイン東北部)の若き王ファーディナンドは、宮廷を学問芸術の華たるアカデミーにしようと決意し、3人の青年貴族とともに女性との交際を絶ち学問に励む誓約を立てる。ところがその直後、フランス王女が3人の美しい侍女を引き連れて外交使節として到着する。4人の若者は4人の美女にそれぞれ恋心を抱くのだが…。小気味よい恋愛劇。

感想・レビュー・書評

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  • ちくま文庫版シェイクスピア全集第16巻。学問のため女性と関わりを断つと誓った4人の若者が恋をしてしまい……

    シェイクスピア初期の喜劇。強烈なインパクトのある物語が多い印象のあるシェイクスピアだが、本作は恋愛を取り扱っていながら、恋愛感情の機微や人間関係の葛藤があまり見られない。王族や貴族に関わる内紛などもなく、物語性に欠ける印象のある作品である。そのかわりに、全編が、シェイクスピアのもう一つの特徴である「言葉遊び」に徹した内容になっているようだ。登場人物たちのドタバタしたセリフの掛け合いは、一見ではわかりにくいが、わかってくると面白い。この作品は他タイトル以上に、舞台で繰り返し観ることに適している感じがする。そういった意味で独特の魅力はあっても、読書家が優れたストーリーを期待して読むと、これはまさに「骨折り損」になりかねない。

  • 「ナヴァール王国(現在のスペイン東北部)の若き王ファーディナンドは、宮廷を学問芸術の華たるアカデミーにしようと決意し、3人の青年貴族とともに女性との交際を絶ち学問に励む誓約を立てる。ところがその直後、フランス王女が3人の美しい侍女を引き連れて外交使節として到着する。4人の若者は4人の美女にそれぞれ恋心を抱くのだが…。小気味よい恋愛劇。]

  • 粗筋には「小気味よい恋愛劇」とあって、
    実際登場人物たちが終始言葉遊びをしているにも関わらず、
    色々なことが中途半端に終わり不気味さも感じられる作品。

    王女たちにやりこめられすごすごと退場した王と貴族たちが
    芝居を見る側になると一変、
    野次をとばしまくり役者たちを参らせてしまうのも
    馬鹿馬鹿しさを助長している気がする。

    毎度のことながら訳者あとがきと解説がありがたい。
    作品が作られた時代背景、先行する作品、
    演じた役者たち、演じられた場所を踏まえて読み返すと
    単純に愉快・表層的というのは憚られる。
    男女のペアがハッキリしていて筋は追いやすかった。

  • 恋の骨折り損 シェイクスピア全集 16 (ちくま文庫 し 10-16)
    (和書)2009年09月28日 21:47
    W. シェイクスピア 筑摩書房 2008年5月8日


    「恋の骨折り損」は初めて読んだけどなかなか面白かった。特に勉学に勤しもうとした途端に恋をしてしまい、その学業とはなんなのか、恋・異性がなければそんなの意味がないというようなところが良かった。

  • 原書名:Love's Labour's Lost

    著者:ウィリアム・シェイクスピア(Shakespeare, William, 1564-1616、イングランド、劇作家)
    訳者:松岡和子(1942-、中国・長春、翻訳家)

  • 読書日:2017年6月20日-6月21日.
    Original title:Love's Labour's Lost.
    Author:William Shakespeare.
    Reino de Navarraが舞台。
    この国の王であるFerdinandは臣下達と、三年間は以下を行うと誓いを立てます。

    1.女性を遠ざける
    2.週に一日は断食を行う
    3.一日の睡眠は三時間

    誓いを立てた途端に、
    France王女と会わねばならない問題が発生します。

    どの様に王女と話をするのか、
    王様の機転と物語の展開がどの様に転がるのか、
    Russia人に変装して王女に会いに行く等々
    楽しみながら読み終えました。
    又終わり方も良かったです。
    王女が求婚者である王様達に一年間の禁欲生活を課して
    婚約をお預けにしFranceへ発って行ったので…。

    とても利発な王女様なので、もし王様とこのまま結婚したら、王様はきっと尻に敷かれるでしょう。

  • シェークスピアにしては珍しくあまり面白くない話だった。
    男性4人とフランス女性4人の恋の掛け合い。
    そこに周辺の何人かが絡む。

  • 実際に俳優さんのしゃべっているのを聞けば 楽しい作品なのかもしれませんが・・読んでるほうは その名も骨折り損的でした・・・

  • 今まで読んだシェイクスピアの中で最もつまらなかった作品。解説者の言葉の通り、読者は契約と誓いの破棄を巡る、ヴェニスの商人の様なスリリングな展開を期待するのだが、そんなことはなく、ただひたすら言葉遊びが繰り広げられる。契約や誓いという言葉の世界が言葉遊びや手紙の誤配を通じて崩壊してゆくという、その構図は面白いのだが、戯曲、小説としてはつまらない。また、訳者あとがきによれば、アンリ4世のカトリックとプロテスタント間での頻繁な改宗ということが、作品の中での王による誓約とその破棄という行為の下敷きとなっているという。その話はその話として面白いのだが、いかんせん作品はつまらない。だから、この作品は訳者あとがきと解説を読むのがいいということになる。あえていうと、ホロファニーズという学者がラテン語を会話に織り交ぜながら話をする場面は、ユーモラスで面白かった。シェイクスピアには珍しく種本がない作品ということで、そのあたりも面白さに影響しているのかもしれない。

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