から騒ぎ シェイクスピア全集 17 (17) (ちくま文庫 し 10-17)

著者 : W.シェイクスピア 松岡和子

• 筑摩書房 (2008年10月8日発売)

作品紹介・あらすじ

舞台はスペイン領シチリア島メッシーナ。凱旋するアラゴン領主ドン・ペドロ軍の2人の青年貴族、フィレンツェのクローディオとパドヴァのベネディックは皆の注目の的。クローディオは知事レオナートの娘ヒアローに思いを寄せ、独身主義のベネディックは男嫌いの知事の姪ビアトリスと丁々発止の舌戦を交える。2組の男女が織り成す小気味よい恋愛劇。

感想・レビュー・書評

[一条浩司(ダギナ)さんの感想 · 2023年4月23日]

ちくま文庫版シェイクスピア全集第17巻。策略にはまったカップルのために、喧嘩友達の男女が手を取り合う。

無実の罪をきせられたり、騙されて恋した相手を憎んでしまったり。シェイクスピア劇でよくみるパターンに、やたらと口の立つ喧嘩友達の男女が加わるのが本作の特徴。誤解や勘違いが重なってシッチャカメッチャカになる第一幕からもう面白い。シェイクスピアの恋愛喜劇はどれも面白いが、その中でも本作は群を抜いている傑作かと思う。二組のカップルの恋の行方が焦点となるなか、口喧嘩ばかりしている男女が実は心の底では愛し合っているという、ラブコメの典型的なアレがやはり人目を引くのではないかと。あっぱれな結末に拍手喝采。

[flounder532002さんの感想 · 2024年4月25日]

ニ組のカップルの話。ヒアローはクローディオと、そして、独身主義者同志のビアトリスとベネディック。ヒアローが自分の身の潔白を信じてもらえなかった彼を簡単に許してしまうところは、解せなかった。後のカップルのいがみ合いは、婚姻恐怖によるものか。警察署長の言い間違いが、うんざりするほど繰り返される。翻訳するのが大変だったろう。2024.4.25

[司書KODOMOブックリスト（注：「司書になるため勉強中」のアカウントです）さんの感想 · 2023年7月12日]

「舞台はスペイン領シチリア島メッシーナ。凱旋するアラゴン領主ドン・ペドロ軍の２人の青年貴族、フィレンツェのクローディオとパドヴァのベネディックは皆の注目の的。クローディオは知事レオナートの娘ヒアローに思いを寄せ、独身主義のベネディックは男嫌いの知事の姪ビアトリスと丁々発止の舌戦を交える。２組の男女が織り成す小気味よい恋愛劇。」

[jumpinjackboyさんの感想 · 2023年2月2日]

登場人物の何人かは他人になりすましたり他人と勘違いしたりするため、人間関係がやや複雑でわかりづらい(わたしがやたらと時間をかけて読んだせいもある)。ただそのわかりづらさよりも、不思議さがやたらと気にかかる。この筋書でこの結末というのがどうにもシックリ来ないのである。瑕疵があるとか不満があるとかそういうことではなく、本作が喜劇的な展開で終了することが、ただただ不思議なのである。やはりシェイクスピアは只者ではない。

[Pompeiiさんの感想 · 2022年8月7日]

2022/8/6

[田内千晴さんの感想 · 2022年2月17日]

よく喋る姐御肌と寡黙な妹分という
シェイクスピアでは見なれた組み合わせだが、
本作では妹分の方も活躍していた。

ベネディックとビアトリスの流れるような舌戦がお見事。
言葉とは反対に息ぴったりな様子をお芝居でも見てみたい。

本筋ではないが警察署長ドグベリーの言い間違いが
面白すぎて度々読むのを中断する羽目に。
ナイツの漫才のように
小刻みに言い間違えをするのを楽しんだ。
ビシッと格好つけるべきところで
｢縛れ、ははがいじめだ。｣(｢羽交い締め｣の言い間違い)
と外してくるのも最高。

河原和音によるコミック化『から騒ぎ』も良かった。
ひろちゃんかわいい。

[あふろざむらいさんの感想 · 2021年6月25日]

おもしろいはおｍしろのだが、小田島雄志にくらべて、松岡和子の翻訳は上品すぎていまいち笑えない。笑いが突き抜けていない。

[神戸国際大学情報センター（図書館）さんの感想 · 2021年6月23日]

https://act-02.kobe-kiu.ac.jp/opac/volume/374567

[Soma Oishi (大石宗磨）さんの感想 · 2020年9月25日]

シェイクスピア全集 17 (17) (ちくま文庫 し 10-17)
(和書)2009年09月29日 17:27
シェイクスピア 筑摩書房 2008年10月8日


福田恒存翻訳を以前読んだことがあったけど、全く内容を忘れていました。

ウィットと言い間違いが全体に彩られていて、そういったもの一切を覆せと言うことなのかなって思った。

[Στέφανοςさんの感想 · 2019年5月4日]

訳：松岡和子、解説：中野春夫