- Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480033444
作品紹介・あらすじ
「父!」と助けを呼ぶお雛の前に突如現われた、西南の役で死んだ父親の幽霊。その父が呼ぶと祖母の幽霊も出現。嘉納治五郎、山川捨松、三島通庸、自由党の壮士らに幽霊も加え多彩な人々が時代の波にのみ込まれていく。事実とフィクションをたくみに織りまぜて描かれる明治を生きた人々の哀歓。他に短篇『天衣無縫』『明治忠臣蔵』『絞首刑一番』を収録。
感想・レビュー・書評
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感想は概ね上巻の方に書いてしまいました。
下巻、この物語のエンディング、決着のつけ方がいい。
痺れました。
上下巻、読んでよかった。楽しませてもらいました。
ちくま文庫版の下巻には3つの短篇が収録。
なかでも「絞首刑一番」がおもしろかったです。
構成の妙。
読み終えて、あらためてタイトルに唸りました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一気に結末に向かってゆく展開は、上巻の時間の流れとは違い少し急ぎすぎの感じ。赤井の豹変ぶりも唐突すぎる気がする。
しかし記憶に残る娯楽小説で評価は星5つ。 -
幻想ホラー歴史スパイ小説!? すげー贅沢。
歴史の波に乗り遅れた人々の哀愁。死に場所を求める哀しい男達。-
2011/12/19
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うぉおそうくるか!
なんか、なめててごめんなさい。ぼんやーりしたまま終わるんだと思ってた。ていうか上巻と雰囲気が全然違う。歴史上の人物がちらりちらりと登場するのが「幻燈」のような明治を浮かび上がらせるのに一役買ってる感じがする。
明治って何だったんだろうね。
全集だからか、短編が三編ほどあったけど、どちらも後味わるい(嫌いではない)…女って怖い… -
下巻に入り物語はさらに加速。自由党を巡る騒動が激しさをます中、登場人物の意外な正体が明らかになり、干兵衛の過去の因縁にも決着が。
自由民権運動という革命の正体や、それをも利用する政府の非情さを暴き立てる批判精神も素晴らしい。 -
なかなか面白く読めたんだが、やはり読後感は憂鬱。とにかく巻き添えになる女たちが軒並み不幸になってゆくからだろうか。
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20090424-20090430
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山田風太郎の明治モノは、「シリーズ」でひとくくりに出来ない
特に秀逸なのがこの『幻燈辻馬車』です。