阿部定伝説 (ちくま文庫)

  • 筑摩書房 (1998年2月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480033680

みんなの感想まとめ

テーマは、阿部定という人物の複雑な人間関係と彼女の選択に焦点を当てています。事件の犠牲者である吉蔵との爛れた生活と、もう一人の重要人物「先生」との不思議な関係が描かれ、単なる金銭的なつながり以上のもの...

感想・レビュー・書評

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  • 予審調書全編は相当細かい描写。
    事件の犠牲者になる「吉」(吉蔵)は有名だが、もう1人の重要人物「先生」の存在はあまり知られていないのではないか。
    「吉」と爛れた生活をしながら、一方では「先生」に会う。

    単に金のためだけとも言いきれないような「先生」との関係が不思議。

  • おもしろかった! 阿部定の供述調書があまりに「ドラマチック」で「物語」でおもしろすぎたばかりに、その後の阿部定自身がこの物語に隷属せざるを得なくなったのでフィクションて罪深ぇ… これが本物だったとしても、あまりにも物語りすぎる。何も足せないし何も引けない。供述調書が阿部定自身が語る事件の顛末とゆう枠になっており、この枠が最悪に最高にバシッとみつしり隙間なくハマってしまい、阿部定とゆうキャラクターにはもう想像の余地がぜんぜんないのがすごい。周囲の人を掘り下げるしかない。阿部定を扱ったフィクションは供述調書のダイジェストにしかならず、織田作之助も宇能鴻一郎も正面からぶつかれなくて変則的に書いてるのがおもしろい。
    予備審問まるまる収録されていて、阿部定が自らの来し方を語っている。昭和初期の話だが、阿部定の人生や考え方は現在のセックスワーカーにも通じるようなものが感じられる。警察による尋問とゆうこともあるけれど、整理して自らの人生を回顧しており虚飾も少なく感じられるが、それ故に「阿部定」とゆうキャラクターに自分を規定しているようにも感じられる。あと、人間関係に必ずカネが絡んでいるが、カネに執着してるわけでもないところがおもしろいな。阿部定、周囲の証言からすると、いわゆる「地頭がよい」てゆうアレをビシバシ感じるな。
    いろんな作家の書く阿部定アンソロジーコーナーに入ったょ。もう書物の王国で『阿部定』編んじゃいなょ。『義経』あるんだからいけるいける!

  • 本としては非常に読みづらいw
    しかし阿部定という人物を知るには十分である。
    なぜ、男性器を切り取ったかについて、もう少し突っ込んだ話が聞きたかったなぁ。
    皆が興味あるのはその部分だと思うし、それ程好きな男と出会えた定は、ある意味、幸せなんじゃないかと私は思うのです。 
    同じ女として気持ちがわからなくもなくて親近感が湧くし、定が逮捕された日が私の誕生日であると知って、尚更親近感が湧いた。
    私も令和の阿部定と呼ばれる日が来るかもしれない、、、(いや、来ないよw)

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著者プロフィール

作家・坂口安吾研究家。大阪大学卒業。『坂口安吾全集』(筑摩書房刊)編者。

「2022年 『安吾疾風伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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