- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480033727
感想・レビュー・書評
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初めて読んだ三島作品。
活字がゴキブリのようになってしまい自殺を試みたコピーライターの羽仁男。結局死に切れず、それ以来命を売ると新聞広告に出したところ、るり子と老人と三国人の事件、女司書と外人の事件、女吸血鬼の事件、玲子の事件に巻き込まれる。前半は死を引き受けた人間の強さ、全能感があるが、後半は追われるようになり、命を惜しむ羽仁男。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読みやすくて、直ぐ読み終わりました。
古い本と思っていましたが、時代を感じさせない内容でした。
面白かったです。 -
三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実を見て、三島由紀夫にとても興味を持ち読み始めた。
話はぶっ飛んだ設定なのだが、やはり文才があるのかとても読みやすいし情景が浮かぶ。
自分が操っていたつもりが、結局泳がされて翻弄されていたことに気づく。また、死んでも構わないと斜に構えていても一連の事件を経て生に執着していく。人間の性やエゴなどが剥き出しに描かれていれのだけど、本当に精錬された文章により美しさすら感じてしまった。
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実は三島は初めて読んだ。
特に飯能に流れ着いてからの羽仁男の心の描写がとても美しい。死にたくないと執着する気持ちを表現する言葉羅列が美しく感じた。
私の星評価基準は
物語のテンポがよく、臨場感があり、登場人物および風景が容易に想像でき、かつ1cm以下の厚みの文庫本
です。
星1つ20点の100点満点で満足度を表しています。 -
目覚めたのは病院だった、まだ生きていた。必要とも思えない命、これを売ろうと新聞広告に出したところ…。危険な目にあううちに、ふいに恐怖の念におそわれた。死にたくない―
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自殺に失敗した男が、新聞の三面広告に「命売ります」と広告を出すという話。ユーモアたっぷりで三島由紀夫らしくない作品に思う。
前半は軽妙に話が進む。死んで良いと思いつつも何故か助かり、大金を得る。最後は組織に追われて、死が目前に迫るが、そこに至って必死に逃げようとするが・・。
どこか自分の命を大切にしない人のことをふと思い出した。 -
面白かった。
でも、最後が失速した感じがした。
でも、
この余韻が好きと感じる時もあるかも。