日本ぶらりぶらり (ちくま文庫)

  • 筑摩書房 (1998年3月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480033963

みんなの感想まとめ

素直な語り口で描かれた日常のエッセイは、現代の複雑なルールや世間体に縛られた心に清々しい風を吹き込んでくれます。著者の山下清は、昭和の時代に生きた画家であり、彼の独特な視点から語られるエピソードには、...

感想・レビュー・書評

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  • 昭和世代にはドラマでおなじみ裸の大将こと、山下清のエッセイ。
    何かとルールや世間体を気にしながら生きる現代に、山下清の世の中を素直に真っすぐ見る視線に心が洗われる思いのする本でした。
    いくつか例を書きます。

    ・女の人に目方(体重)を聞く
    僕は美人も美人でないのもよくわからない。だから目方を聞く。正直に答えてくれる人とそうでない人がいる。目方が多ければ自慢してもよさそうなのに、どうして隠すか分からない。

    ・子供はパンツをはかなくても良い
    桜島にて暑い日、子供たちがパンツをはかないで歩く。あれは子供だからだよ。いくつまでは裸でいてもいいんだろうか。

    ・世の中の本当と嘘
    僕は新聞はめったにみないが、ときどきよむとみんな本当の事ではない気がするので、嘘と本当はどのくらいの割合に世の中にあるものだか、わからなくなる。おおぜいが本当と言えば嘘でも本当になるかもわからない。

    ・毛が生えるとは
    清に毛がはえたような男です。ぼくはびっくりして、ぼくのどこに毛が生えるのですかと聞いたら、どっと笑った。似ているということに色を付けたのだと。色とは何ですか、と聞いたら、言い回しを変えたと言われた。ぼくは三十四で毛はみんなはえているのに。

    ・自分より弱い女中さんを選んで腕相撲
    女中と腕相撲。男とはやらない。僕は負け惜しみがつよいのですか?劣等感が強いんだよ。劣等感と負け惜しみの違いはなんだろう。

    ・中国から文字を学んだが、どうして話言葉はこんなに違うのか。
    日本の字はむかしシナから習ったそうだが、今はどうしてこんなにちがってしまったのだろうか。シナの伯父さんとおばさんが話していることはちっともわからない

  • スティル・ライフに続いて、こちらも、長崎のひとやすみ書店さんにオススメしてもらった本

    昭和31年頃?、文藝春秋に連載されたものを纏められた本だそう。
    山下清さんの、素直な語り口が的を得ていて、例えば、新聞には嘘と本当はどのくらいかわからない…や、連発するなぜ?の視点、お金の価値観、ぼくはそうは思わないけど言葉にするのは恥ずかしい、など。

    自分をしっかり持っているようで、そうでもないようで、誰も傷つけない魅力がありますね。

    山寺のすべり台のお話は声に出して笑いました。

    最後まで楽しく読了。

    山下清さんの作品は、20年ぐらい前に原画展に観に行ったことがあります。
    有名な花火の貼絵は、細かくて、すばらしく、美しく、圧巻で、涙した思い出。
    そんな記憶が甦ってきたのでした。

  • 「楽しみあれば苦しみ有るといふのは本当だな いい時ばっかりは無いんだな 世の中はいい時も有れば悪い時もあるから 本当だな」

    山下清さんの「日本ぶらりぶらり」という本からです。

    山下清さんは、「裸の大将放浪記」でご存知の方も多いことと思いますが、貼り絵画家として多くの名作をこの世に送り出しました。

    本書は、その山下さんが書いた日記や語りを文章化したものです。

    文章自体は平易ですが、とてもピュアな山下さんの心が伝わり、清々しい気持ちになるとともに、とてもユーモアに溢れる内容が、気持ちを落ち着かせてくれます。

    冒頭の言葉は後書きに書かれた山下さんが実際に口にした言葉です。

    旅先でその土地の方々から親切にされることが多かったそうですが、子供のころだけでなく、大人になっても、不当な扱いを受けることもしばしばでした。

    そんな苦労を重ねた山下さんの言葉にがピュアであるとともに、重みも感じます。

    これ以外にも素晴らしい言葉が多く、また貼り絵も多く掲載され、とても楽しめる一冊です。

    ぜひ読んでみてください。

  • ときどき、はっとするほどの観察眼に驚き
    その感性に、どきりとする。

  • 山下清の放浪の記録もたいへん面白いが、
    放浪ではないものの、この本の文章もとても
    面白く、笑わせてくれる。
    子どもが書いたような(それでいて的を得たような
    鋭い指摘もある)文章に心がなごみ、浄化されたような
    気分になる。

  • 旅に出たくなる!というほどインパクトはなかったが、とりあえず南九州エリアへ行きたくなった。
    独特の文体は最初は読みづらいが、徐々に心地よくもなり…。
    ところどころ挿入されている挿絵もよい。

    今更テレビで見る気にはなれませんが…。

  • 山下清本人による日本国内での旅を綴った一冊です。
    有名になる前、有名になった後の様子の違いがなかなか面白かったですね。
    ※本人が書いたというと正確ではないので補足すると「ので」「ので」と文章が続き、句読点を使うのが嫌いだったようです。そのため、読者に読みやすいよう清画伯の弟さんなど近しい方々の協力で原文を大切にしながら校正をしたそうです。

  • 放浪画家山下清の感性というのはおもしろい。

    〜だな、で綴られる文章からも
    それはわかる。

    弟からの逃避として、
    ぶらりぶらりとした各地の様子も、
    温泉などの様子も、
    なんともまた愉快だ。

  • ヨーロッパ編に続き、おもしろい。
    山下清の作品をなんとかして見てみたいものだと思い、まずはネットで画像検索してみたものの、意外にあまり出てこないんですね。展覧会は今でも全国をまわっているよう(ちなみに今は北海道立釧路芸術館)だから、何かの折に必ず行ってみようと思います。
    私も貼り絵やってみたいな・・・放浪でもいいな・・・

  • 画伯の、素直な思い込みと少し辛辣な切り込みといった文章が楽しめる。

    「鳴門は兵隊の位になおすとどれくらいですかと聞かれたので、大将というのは景色でいえばこれ以上はないというもので、日本の景色の大将は富士山です。」
     あとがきによると、本当は「ので、ので」が無限に続くスタイルがオリジナルの文章だったようだ。

     著者の旅行記「ヨーロッパぶらりぶらり」に続いて読んだ。

     文庫本の末に収めてある、山下清年譜を眺めるだけで、著者の歴史・人生が目に浮かぶようだ。テレビで昔見た「裸の大将放浪記」の映像や音声(俳優の芦屋雁之助)がよみがえる。

  • 幼き時に見て涙したドラマの原点をもう一度なぞっていった。
    改めて純朴な人だったのだと感じた。

  • とにかく楽しい!
    そのように生きたいが私には無理だ。
    捨てられないものがたくさんある。
    もっと山下清を知りたくなった。

  • 彼の作品が好きで。途中彼のスケッチがいくつも挿まっているのが嬉しい。素直な視点にはっとさせられる。

  • すごくピュアな人が書いた、自然なありのままの表現がされた文章。
    現代は、コンプライアンスが厳しくて、線路を歩くのはアウトだとか、この言葉は、差別用語だから使ってはいけないとか、制約が多すぎる。

  • めちゃくちゃ面白かった!
    共感すること多数。そして、有名になってからもこんなふうに放浪ができた時代ってすごい。マジックで描かれた挿絵もどれも素敵。

    才能と生命力のある人が放浪するとこんなすごいものを生み出せるんだなぁ。私も放浪したいけどなにもかもが中途半端な根性無しの凡人には無理だ…。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/764791

  • 素朴な語り口で捉えられる世界は、不思議と不安に満ちている。よく分からないから尋ねられたら笑われて、曖昧な答えを返されて、やっぱりよく分からないから、分からなくても黙っている。彼にとって、絵を描くとはどういう意味があったのだろう。生きがい?生きる術?生きるすべて?

  • 真っ直ぐな目線で綴られる文章は、
    時にシニカルで、当たり前と思っている事に疑問を投げかけてくる。

  • 明日もお休みの日に
    のんびり座って
    昼間の明かりで
    読みたい一冊

    読んでいる間
    気持が 長閑になる
    心が やわらかになる
    そんな一冊です

  • 神も仏も頼らず、死後の世界も信じない山下清が好きになった!

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