- Amazon.co.jp ・本 (565ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480034137
作品紹介・あらすじ
猟奇と妖異を卓抜な着想で織りあげた探偵小説22篇。
感想・レビュー・書評
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角川ミステリーに収録されている「芋虫」が伏せ字が酷くて本書を購入。「芋虫」は良かったのは言うまでもないが、「人間椅子」「虫」など人間が無意識下に封印しているが確かに持っているであろう残虐性・異常性が描かれた作品がすばらしく、乱歩の虜になってしまった。なお、本書は全短編集であるがゆえに「悪霊」や「空気男」のような途中で取りやめになった作品も納められていて、ジャズのコンプリート版のようにある程度我慢して鑑賞しなければならい部分もある。
本書に納められている作品の中での一番のお気に入りは「人間椅子」。家具職人が椅子を改造して中に入り込み、座る部分に太もも、肘掛けに手、背もたれに胸といった具合でその椅子に座った人の体格や体温を体で感じとる。そしてある婦人に恋をする。家具職人は椅子の中にいるので婦人の顔は見れないが、婦人を体で感じ恋してしまうのだ。アニメのキャラクターに恋するような心境と似ていないでもないが、恋の対象についての情報は極端に限られているので感覚を研ぎすませてもっと相手を知ろうとする集中力と不足した情報を補う妄想が必要であり、ビビッときたような、突然雷に打たれたような、文字通り「落ちる」恋ではない。少しずつ少しずつ、相手への想いを積み上げて醸成される恋である。オタクや変態のさらに先にあるような恋である。なんと切なくも激しい恋ではないか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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事情により、ひとまず「人間椅子」のみ読了、はわわ
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ン十年前に読んだものを再読。
ものすごく強烈なもの以外は案外記憶が薄いものですね。いやむしろ、強烈なものばっかで、あまり覚えてないものの方が少ない。
やっぱり乱歩さん、半端ないっす。うっとりです。
異常心理(っていうのか)とエログロを描かせたら天下一品でございます。
「虫」を最終に持ってくる編集も最高です。この本の中でも最高に心がざわつく作品だと思う。集大成的な。 -
途中で筆を折られた作品も収録されている。
人間の狂気と正常の境、快感と汚さといったものを芸術的に表現している。
有名な『芋虫』や『鏡地獄』など当時のドロドロした世界観と美しさにしびれる。
ひんやりと寒い日本的な恐怖を味わいたい人にはおススメ。 -
乱歩の怪奇な世界をこれでもか!という程堪能した。
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読み過ぎて、唯一ふにゃふにゃになっている本
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狂気じみてなんか無いです。
考え過ぎです。 -
これは、くる。ほんと冗談抜きでお勧めします。乱歩読んでみたいけどどこから手をつけて良いか分からない!って方にもお勧めしたい。短編だから時間も取らないですし。「赤い部屋」「人間椅子」「芋虫」「押絵と旅する男」なんて私の大好きな作品ばっかり。人間椅子なんか初めて読み終わった時は鳥肌たちました。エンターテインメント性も持ってるのが乱歩の素敵なところ。怪奇幻想、実に良い響き。
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人間椅子が読みたくて。
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クラシックです。
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なんていうか、真髄ですな。怪奇幻想。
「赤い部屋」「人間椅子」「芋虫」「白昼夢」「空気男」「押絵と旅する男」「双生児」「人でなしの恋」「鏡地獄」なんて名作ばっかり。
ウットリですよ。 -
急に「押絵と旅する男」が読みたくなったので…煙みたいにくゆる映像が好き。ただ、やはり古い本・古い文字で読むのとは立ち昇るものが違いますね。
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何はトモアレ乱歩。人間椅子に憧れて。