火の車板前帖 (ちくま文庫)

  • 筑摩書房 (1998年9月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480034182

みんなの感想まとめ

飲食店の裏側で繰り広げられる人間模様を描いた回顧録は、1950年代の居酒屋「火の車」での波乱万丈な日々を綴っています。板前として任された千代吉さんは、常連客たちの迷惑行為に振り回されながらも、心平さん...

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  •  1950年代に草野心平さんが開いていた居酒屋<火の車>を任せられていた方による回顧録。来る客も、迎える店員も、はちゃめちゃである。あっという間に喧嘩になるし、食べながら排便するし、朝から飲むし。でも、こういう飲み屋さんが今あったら、迷わず行っちゃうな。

  • 迷惑千万な人々。「商売を始めたら、手伝ってくれるね?」「ああ、いいですよ」うっかり返事してしまったばかりに、ある日突然、詩人・草野心平が開いた居酒屋の板前をやらされることになってしまった千代吉さんの怒涛の日々を綴った回想記。

    しかし、それにしても、そこに集う人間どもの、揃いも揃ってなんと迷惑千万なことか。営業時間は完全無視、深夜に板前を拉致して他人の家を強襲、店主も入り乱れての殴り合いの喧嘩は日常茶飯事、増える一方の借金……ハッキリ言って常連客のほぼ全員が酒乱である。それがまた、みな綺羅星のごとき作家や文化人、事業家ばかりなのだから空いた口もふさがらない。そしてその喧騒に付き合わされ、尻拭いをさせられるのはいつもきまって千代吉さんときまっている。

    それでも、たとえどんな目に遭わされようとも、千代吉さんの心平さんに対する忠誠心、忍耐強さ、心優しさは変わらない。本当に、千代吉さんは心平さんのことが大好きなんだなァ。

    PS.思いがけず、戸板康二の名前が出てきたのには驚いた。彼もまた、酒好きらしく「火の車」の客人だったのである。

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